主人と僕の旅路 4
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そういえば……と思う。
桔梗さんって瘴気の穴に落ちたと思っていたんだけれども。結局無事だったってことなんだろうか……。
桔梗さんって犬夜叉さんの想い人だよね。
――――想い人か。
阿吽に乗りながら殺生丸さまの背中を見つめる。
かごめちゃんのことも気になるけれど、まずは自分自身のことだよね。
殺生丸さまは私のこと、どう思っているんだろう――――。
森の中をゆったりと進んでいく。今日は晴天。雲がゆったりと進んでいくのが見える。
すると……。
「あれ?」
視界にキラリと何かが映る。
「どうした」
「……空に何か糸みたいな」
「こら鈴! 糸なんて見えないぞ」
殺生丸さまも邪見も空を見上げてはいるが、本当に見えていない様子である。
そうしているうちにも糸はシュルシュルとどこかへ伸びていっている。
私は目を凝らして糸を凝視する。
何だろう。あの糸……。蜘蛛の糸、みたいな。
そこまで考えてハッとする。
「この糸、奈落のものです!」
「……」
感じる。微かではあるけれど、奈落の妖気が。目的は分からないけれど。
「鈴」
殺生丸さまに呼ばれて「はい」と返事をする。
「糸の先はどこへ向かっている」
「あ、はい。こっちです」
私は阿吽に指示を出して、殺生丸さまの前へ進んでいく。
――――――
「……止まれ」
しばらくすると殺生丸さまに声をかけられる。私は殺生丸さまの方を振り向く。
「……近い」
「近いというと奈落が側にいるので?」
「……」
邪見の言葉に殺生丸さまは答えないけれど、私もなんだか嫌な予感を感じていた。
殺生丸さまは私の前に立つ。
「あまり離れるな」
「は、はい」
私は数歩離れて殺生丸さまの後ろから着いていく。
歩いていくと何やら話し声が聞こえる。
この声は……。冥王獣の時の。奈落の分身。
「あきらめろ、琥珀。奈落からは逃げられない」
その瞬間、琥珀君が地面に倒れこむ。
グッと駆けだしそうになるところを何とか抑え込んだ。
落ち着け、落ち着け。むやみに飛び出したら駄目だ。
その瞬間、殺生丸さまが刀を抜いて振りかざす。
バッとけたたましい音がした。
冥道残月破で奈落の分身、夢幻の白夜の後ろにあった木を真っ二つにしてしまう。
「びっくりしたなー、もう。なんだい今の技?」
「魍魎丸の臭いが消え去った……。さしずめ喰ったのは奈落か」
魍魎丸が……。奈落は魍魎丸も取り込んだ、ということか。
そうこうしている間にも二人の会話は続いている。
「琥珀を助けにでも来たのかい? そんなガラに見えないけどな」
「蜘蛛の糸を辿って来ただけだ」
「ふーん。あの陰陽師の小娘か」
夢幻の白夜の視線がこちらに向く。
「!」
反動で式神が入っている懐に手を伸ばした。だが、夢幻の白夜は折り鶴を取り出し、ゴッと空へ舞い上がる。
「退散しとくよ。二人いっぺんに攻撃されちゃたまらんからな」
それだけ言うとかなりのスピードでどこかへ飛んで行ってしまう。
私は夢幻の白夜がいなくなったのを確認してから、阿吽から降りる。
琥珀君は夢幻の白夜が去った後も地面に伏し、体中に蛇がまとわりついている状態である。
「琥珀君!」
私は蛇をなんとかしようと手を伸ばす。が……。
「さわるな」
殺生丸さまに一喝されて、手を引っ込める。
「毒ヘビだ」
「毒!?」
かわりに邪見が手を噛まれているけれど……。
私はしくしくと泣いている邪見を横目に、琥珀君と殺生丸さまを交互に見つめる。
琥珀君、毒ヘビに噛まれたのか。もしかしなくても四魂のかけらとかいう……。
今のところ琥珀君から黒い雰囲気は感じない。
「あの、殺生丸さま。琥珀君も一緒に連れていってもいいですか」
「こら、鈴!」
「せめて毒が抜けきるまで」
邪見がヘビと格闘しながらブツブツと文句を言っている中、私は殺生丸さまを見ている。
「……」
殺生丸さまは無言で琥珀君に近づき、ヘビを爪で裂いていく。そして肩に担いだ。
「っ! 殺生丸さま」
「……行くぞ」
「はい、ありがとうございます!」
桔梗さんって瘴気の穴に落ちたと思っていたんだけれども。結局無事だったってことなんだろうか……。
桔梗さんって犬夜叉さんの想い人だよね。
――――想い人か。
阿吽に乗りながら殺生丸さまの背中を見つめる。
かごめちゃんのことも気になるけれど、まずは自分自身のことだよね。
殺生丸さまは私のこと、どう思っているんだろう――――。
森の中をゆったりと進んでいく。今日は晴天。雲がゆったりと進んでいくのが見える。
すると……。
「あれ?」
視界にキラリと何かが映る。
「どうした」
「……空に何か糸みたいな」
「こら鈴! 糸なんて見えないぞ」
殺生丸さまも邪見も空を見上げてはいるが、本当に見えていない様子である。
そうしているうちにも糸はシュルシュルとどこかへ伸びていっている。
私は目を凝らして糸を凝視する。
何だろう。あの糸……。蜘蛛の糸、みたいな。
そこまで考えてハッとする。
「この糸、奈落のものです!」
「……」
感じる。微かではあるけれど、奈落の妖気が。目的は分からないけれど。
「鈴」
殺生丸さまに呼ばれて「はい」と返事をする。
「糸の先はどこへ向かっている」
「あ、はい。こっちです」
私は阿吽に指示を出して、殺生丸さまの前へ進んでいく。
――――――
「……止まれ」
しばらくすると殺生丸さまに声をかけられる。私は殺生丸さまの方を振り向く。
「……近い」
「近いというと奈落が側にいるので?」
「……」
邪見の言葉に殺生丸さまは答えないけれど、私もなんだか嫌な予感を感じていた。
殺生丸さまは私の前に立つ。
「あまり離れるな」
「は、はい」
私は数歩離れて殺生丸さまの後ろから着いていく。
歩いていくと何やら話し声が聞こえる。
この声は……。冥王獣の時の。奈落の分身。
「あきらめろ、琥珀。奈落からは逃げられない」
その瞬間、琥珀君が地面に倒れこむ。
グッと駆けだしそうになるところを何とか抑え込んだ。
落ち着け、落ち着け。むやみに飛び出したら駄目だ。
その瞬間、殺生丸さまが刀を抜いて振りかざす。
バッとけたたましい音がした。
冥道残月破で奈落の分身、夢幻の白夜の後ろにあった木を真っ二つにしてしまう。
「びっくりしたなー、もう。なんだい今の技?」
「魍魎丸の臭いが消え去った……。さしずめ喰ったのは奈落か」
魍魎丸が……。奈落は魍魎丸も取り込んだ、ということか。
そうこうしている間にも二人の会話は続いている。
「琥珀を助けにでも来たのかい? そんなガラに見えないけどな」
「蜘蛛の糸を辿って来ただけだ」
「ふーん。あの陰陽師の小娘か」
夢幻の白夜の視線がこちらに向く。
「!」
反動で式神が入っている懐に手を伸ばした。だが、夢幻の白夜は折り鶴を取り出し、ゴッと空へ舞い上がる。
「退散しとくよ。二人いっぺんに攻撃されちゃたまらんからな」
それだけ言うとかなりのスピードでどこかへ飛んで行ってしまう。
私は夢幻の白夜がいなくなったのを確認してから、阿吽から降りる。
琥珀君は夢幻の白夜が去った後も地面に伏し、体中に蛇がまとわりついている状態である。
「琥珀君!」
私は蛇をなんとかしようと手を伸ばす。が……。
「さわるな」
殺生丸さまに一喝されて、手を引っ込める。
「毒ヘビだ」
「毒!?」
かわりに邪見が手を噛まれているけれど……。
私はしくしくと泣いている邪見を横目に、琥珀君と殺生丸さまを交互に見つめる。
琥珀君、毒ヘビに噛まれたのか。もしかしなくても四魂のかけらとかいう……。
今のところ琥珀君から黒い雰囲気は感じない。
「あの、殺生丸さま。琥珀君も一緒に連れていってもいいですか」
「こら、鈴!」
「せめて毒が抜けきるまで」
邪見がヘビと格闘しながらブツブツと文句を言っている中、私は殺生丸さまを見ている。
「……」
殺生丸さまは無言で琥珀君に近づき、ヘビを爪で裂いていく。そして肩に担いだ。
「っ! 殺生丸さま」
「……行くぞ」
「はい、ありがとうございます!」