主人と僕の旅路 4
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殺生丸さまの様子がなんだかおかしい。何かを考えているような…。
私は阿吽に乗りながら殺生丸さまの横顔をドキドキしながら見つつ、すぐ側にある沼へと意識を集中させる。
「どうした? 喉でも渇いたんか」
「いや、そうじゃなくて……」
あの沼……。妖気が漂っている。
私は邪見に「あの沼に近づかない方がいいかも」と忠告してから、立ち止まって沼を観察する。
と、そこへバサバサと音を立てながら一羽の鳥が水を飲もうと沼へ近づいてきた。
けれど……。
「……」
水は鳥を囲み、あっという間に沼の中へと引きずり込んでしまった。
「沼渡だ……」
「沼渡? あれが……」
殺生丸さまの言葉に記憶の中にある文献を引っ張り出す。
沼渡というと、沼に近づいたものを喰らう妖怪だ。今の現代ではいなくなったとされていたけれど。この時代にはまだいるのか。
殺生丸さまはしばらく空を仰ぎ見たかと思うと、何故かフッと口元を歪ませる。
「殺生丸さま?」
「……直に犬夜叉が来る」
――――――
どこから沼渡の噂を聞いたのか、犬夜叉さんが沼に向かって刀を抜いた。
「風の傷!」
鉄砕牙が水を攻撃してしばらくすると、ガボッと沼が泡立つ。そして沼が大きく渦を巻いたかと思うと……。
「わしを斬ったのはきさまか?」
沼渡が姿を現した。
沼があった場所は干上がり骨が散らばっている。
犬夜叉さんは沼渡に果敢に攻撃を仕掛けているが、妖怪は水の為全く効いていない。
この妖怪、手強い――。
でも私の雷魚なら。
私は懐から式神を取り出し、殺生丸さまの様子を伺おうとするが……。
「殺生丸さまがいないっ!」
そんな私の隣にいる邪見が「もう行ってしまったぞ」と沼渡の方を指さす。
殺生丸さまは犬夜叉さんと向かい合っていた。
私は式神をしまって阿吽に指示を出す。殺生丸さまの後ろに駆け寄るように、と。
「え?またわし、置いてけぼり?」と邪見。
「邪見。早くしないと本当に置いていくよぉ」
阿吽にストップをかけ、邪見を乗せる。
「犬夜叉きさま……道を見失ったな……」
殺生丸さまの声が聞こえる。
私と邪見、阿吽はほんの少し離れて殺生丸さまと犬夜叉さんの様子を伺っていた。
犬夜叉さんが道を見失っている? どういうことだろう……。でも殺生丸さまのことだ。何か気付いているのかもしれない。
「鉄砕牙を妙な力で飾りたてたあげく、こんな雑魚妖怪一匹片付けることもできんか」
「雑魚妖怪だと……?」
殺生丸さまに雑魚と呼ばれた沼渡の形相が見る見るうちに恐ろしくなっていく。
「雑魚とはこの沼渡のことか! ならば斬ってみろ! わしの体を!!」
水はゴーと渦を巻きながら殺生丸さまと犬夜叉さんへ向かっていく。
「うるさい、下衆が……」
殺生丸さまは天生牙を抜き、素早く沼渡へと刀を振るう。と、三日月形に空間が裂ける。黒い空間に沼渡は抵抗もできず飲み込まれていき、遂には沼渡自身の姿が跡形もなく消えた。
「三日月、前より大きくなってた」
「うーむ」
冥道残月波は最終的に円になるって刀々斎さんは言っていたけれど。殺生丸さまは三日月自体を大きくすることにした、か。
沼渡がいなくなったのを見届けてから、犬夜叉さんが「天生牙でなにしやがった!?」と殺生丸さまに突っかかっていく。
すると何故か邪見が阿吽から降りて、犬夜叉さんの側まで歩いていく。
「殺生丸さまは冥道を斬り開く技を会得なさったのだ!」
「冥道……だと?」
「冥道残月破。冥道を開き、敵を直接冥界に送り込む技よ!」
邪見は何故か得意顔だ。
冥道残月破は殺生丸さまの技なのになぁ。
殺生丸さまは犬夜叉さんを鋭く睨みつける。
「私のことより自分の刀をよく見ろ」
「なっ……」
「きさまよくも……。鉄砕牙をかくも情けない刀にしてくれたものだな……」
その言葉に犬夜叉さんは右手で拳を作って殺生丸さまに立ち向かっていくも、逆に殺生丸さまに殴られ返り討ちにされてしまう。
「犬夜叉きさま……その鱗の鉄砕牙でなにをしようとしていた?」
鱗……。
私は遠目から見ていた犬夜叉さんの刀を思い出す。
確かに戦っている間に鱗模様が出ていたような。
「竜鱗の鉄砕牙は妖力を吸う刀です。まだ完全ではないが……」と犬夜叉さんのかわりに弥勒さんが答える。
妖力を吸う。ということは、沼渡の妖力を吸おうとしていたということ。それはつまり……。
「それは無茶だと思うんですが……」
「え」
「えーっと」
勢いに任せて思わず口に出してしまった。
「そのー。沼ひとつ分の妖気を吸うということですよね。だから……。その。犬夜叉さんにまだそこまでの力はない……ような」
私がしどろもどろになりながら話していると、殺生丸さまに「鈴」と名前を呼ばれる。
「……行くぞ」
「あ、はい」
殺生丸さまは背を向ける前に、もう一度犬夜叉さんを鋭く睨みつけた。
「犬夜叉、きさまは……鉄砕牙という刀をまるでわかっていない」
それだけ言うと背を向けて殺生丸さまは歩き出す。
私は邪見をまた阿吽に乗せて、殺生丸さまの後ろを着いていった。
私は阿吽に乗りながら殺生丸さまの横顔をドキドキしながら見つつ、すぐ側にある沼へと意識を集中させる。
「どうした? 喉でも渇いたんか」
「いや、そうじゃなくて……」
あの沼……。妖気が漂っている。
私は邪見に「あの沼に近づかない方がいいかも」と忠告してから、立ち止まって沼を観察する。
と、そこへバサバサと音を立てながら一羽の鳥が水を飲もうと沼へ近づいてきた。
けれど……。
「……」
水は鳥を囲み、あっという間に沼の中へと引きずり込んでしまった。
「沼渡だ……」
「沼渡? あれが……」
殺生丸さまの言葉に記憶の中にある文献を引っ張り出す。
沼渡というと、沼に近づいたものを喰らう妖怪だ。今の現代ではいなくなったとされていたけれど。この時代にはまだいるのか。
殺生丸さまはしばらく空を仰ぎ見たかと思うと、何故かフッと口元を歪ませる。
「殺生丸さま?」
「……直に犬夜叉が来る」
――――――
どこから沼渡の噂を聞いたのか、犬夜叉さんが沼に向かって刀を抜いた。
「風の傷!」
鉄砕牙が水を攻撃してしばらくすると、ガボッと沼が泡立つ。そして沼が大きく渦を巻いたかと思うと……。
「わしを斬ったのはきさまか?」
沼渡が姿を現した。
沼があった場所は干上がり骨が散らばっている。
犬夜叉さんは沼渡に果敢に攻撃を仕掛けているが、妖怪は水の為全く効いていない。
この妖怪、手強い――。
でも私の雷魚なら。
私は懐から式神を取り出し、殺生丸さまの様子を伺おうとするが……。
「殺生丸さまがいないっ!」
そんな私の隣にいる邪見が「もう行ってしまったぞ」と沼渡の方を指さす。
殺生丸さまは犬夜叉さんと向かい合っていた。
私は式神をしまって阿吽に指示を出す。殺生丸さまの後ろに駆け寄るように、と。
「え?またわし、置いてけぼり?」と邪見。
「邪見。早くしないと本当に置いていくよぉ」
阿吽にストップをかけ、邪見を乗せる。
「犬夜叉きさま……道を見失ったな……」
殺生丸さまの声が聞こえる。
私と邪見、阿吽はほんの少し離れて殺生丸さまと犬夜叉さんの様子を伺っていた。
犬夜叉さんが道を見失っている? どういうことだろう……。でも殺生丸さまのことだ。何か気付いているのかもしれない。
「鉄砕牙を妙な力で飾りたてたあげく、こんな雑魚妖怪一匹片付けることもできんか」
「雑魚妖怪だと……?」
殺生丸さまに雑魚と呼ばれた沼渡の形相が見る見るうちに恐ろしくなっていく。
「雑魚とはこの沼渡のことか! ならば斬ってみろ! わしの体を!!」
水はゴーと渦を巻きながら殺生丸さまと犬夜叉さんへ向かっていく。
「うるさい、下衆が……」
殺生丸さまは天生牙を抜き、素早く沼渡へと刀を振るう。と、三日月形に空間が裂ける。黒い空間に沼渡は抵抗もできず飲み込まれていき、遂には沼渡自身の姿が跡形もなく消えた。
「三日月、前より大きくなってた」
「うーむ」
冥道残月波は最終的に円になるって刀々斎さんは言っていたけれど。殺生丸さまは三日月自体を大きくすることにした、か。
沼渡がいなくなったのを見届けてから、犬夜叉さんが「天生牙でなにしやがった!?」と殺生丸さまに突っかかっていく。
すると何故か邪見が阿吽から降りて、犬夜叉さんの側まで歩いていく。
「殺生丸さまは冥道を斬り開く技を会得なさったのだ!」
「冥道……だと?」
「冥道残月破。冥道を開き、敵を直接冥界に送り込む技よ!」
邪見は何故か得意顔だ。
冥道残月破は殺生丸さまの技なのになぁ。
殺生丸さまは犬夜叉さんを鋭く睨みつける。
「私のことより自分の刀をよく見ろ」
「なっ……」
「きさまよくも……。鉄砕牙をかくも情けない刀にしてくれたものだな……」
その言葉に犬夜叉さんは右手で拳を作って殺生丸さまに立ち向かっていくも、逆に殺生丸さまに殴られ返り討ちにされてしまう。
「犬夜叉きさま……その鱗の鉄砕牙でなにをしようとしていた?」
鱗……。
私は遠目から見ていた犬夜叉さんの刀を思い出す。
確かに戦っている間に鱗模様が出ていたような。
「竜鱗の鉄砕牙は妖力を吸う刀です。まだ完全ではないが……」と犬夜叉さんのかわりに弥勒さんが答える。
妖力を吸う。ということは、沼渡の妖力を吸おうとしていたということ。それはつまり……。
「それは無茶だと思うんですが……」
「え」
「えーっと」
勢いに任せて思わず口に出してしまった。
「そのー。沼ひとつ分の妖気を吸うということですよね。だから……。その。犬夜叉さんにまだそこまでの力はない……ような」
私がしどろもどろになりながら話していると、殺生丸さまに「鈴」と名前を呼ばれる。
「……行くぞ」
「あ、はい」
殺生丸さまは背を向ける前に、もう一度犬夜叉さんを鋭く睨みつけた。
「犬夜叉、きさまは……鉄砕牙という刀をまるでわかっていない」
それだけ言うと背を向けて殺生丸さまは歩き出す。
私は邪見をまた阿吽に乗せて、殺生丸さまの後ろを着いていった。