主人と僕の旅路 4
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私は万が一のことを考えて刀に手をかける。
陰陽術は妖怪にしか使えない。琥珀君に襲われた時に自身の身を守れるのは、この刀しかない。
奈落は琥珀君のすぐ後ろまで迫っていた。
「くくく、こわいか琥珀……。わしの邪気に操られ……その小娘を手にかけてしまうことが……。おまえがその手で父や仲間を殺した時のように……」
その奈落の言葉と共に、琥珀君の気配が益々黒くなっていく。
そうか……。琥珀君、家族を手にかけたから。最初会ったときに何も覚えていないと言ったのか……。
奈落は言葉を続ける。
「安心しろ琥珀……、もうそんな辛い思いはしなくていい」
その言葉と共に琥珀君はグッと鎌を構える。そしてその鎌を首に当てた。
「琥珀君っ!」
奈落は琥珀君自身に首を切らせて、四魂のかけらを持ち帰るつもりだ!
私は思わず刀を抜いて、琥珀君の鎌と刃を交える。
けれど――。
力が強い。
私だってある程度素振りしていたのに。
琥珀君の力に押されて、鎌より先に私の刀で琥珀君が傷つきそうだ。
「っ……」
唇を噛みながらなんとか鎌を押し返す。
その間も奈落は余裕の笑みを浮かべていた。
「くくく……桔梗のしかけで、わしはおまえのかけらには触れられない。だが持ち帰ることはできる。おまえの首に入れてな……」
その瞬間、琥珀君の力がグッと強くなる。思わずその力に押され、琥珀君の首に刀が触れた。
このままじゃ琥珀君が……。
ギュッと目を閉じた。
その途端、一気に刀が軽くなる。目を開けると猫又の妖怪雲母が琥珀君の腕を咥え、首から鎌を離していた。その雲母の上には琥珀君の姉の珊瑚さんが跨っている。
「奈落!」
珊瑚さんは防毒面をつけて前にあった時と同じようにブーメランのようなものを担いでいる。
「珊瑚……。弟を思うならこの場で命を絶たせ、楽にしてやれ」
「ふざけるな!」
「わからんのか。死ぬ以外、琥珀の心を救う方法はないのだ。考えてもみろ、わしの呪縛から逃れ、己を取り戻してもなお、おまえら姉弟はともに居ることすらかなわん。それは琥珀自身が姉のおまえを避けているからだ」
私は琥珀君のそばに寄り、恐る恐る顔を覗き込む。
琥珀君は珊瑚さんの後ろ姿をただただ見ていた。
「無理もない。珊瑚、おまえはすべて見てしまったからな。琥珀が仲間と、おまえたちの父親を殺す瞬間を……。だから珊瑚、おまえの存在が……いやでも琥珀をいまわしい過去にひきずり戻す」
「琥珀が私を避けている……?」
琥珀君がピクリと肩を上げる。
きっと琥珀君はお姉さんである珊瑚さんのことが大好きなんだ。
だからこそ、一緒にはいられない。
自分の罪の重さが分かっているからこそ――。
「それがどうした。そんなことわかっている」
「!」
珊瑚さんは真っすぐに強い瞳で奈落を見据えている。
その瞳には覚悟と愛があった。
「奈落、たとえおまえに操られたとはいえ、琥珀が私たちの父上を手にかけたことは事実だ」
琥珀君の瞳は迷い揺れながらも、珊瑚さんを見ている。
「私はあの日の出来事を忘れたことはない。琥珀だって同じだろう。自分のしたことに苦しみ、恥じている。だからこそ――死なすわけにはいかないんだ! 琥珀が苦しみを乗り越えるまで……私は奈落、おまえと戦う」
「くくく無駄だ」
ザワと奈落の気配が黒くなっていく。それにつられるように琥珀君の気配も黒くなっていく。
マズい。
黒く、黒く、琥珀君が汚れていく。
私は再び刀を掴む。それと同時に琥珀君も鎌に手をかける。
「姉上!」
「珊瑚さん!」
琥珀君が鎌を珊瑚さんに投げる。私はその鎌を必死に刀で防ぐ。
「姉……上……」
琥珀君はかすれ声で珊瑚さんを呼ぶ。
私はキッと奈落を睨みつけるが、奈落は気にせず話し続ける。
「おもしろい。意識がありながら、体はわしの意のままというわけだ。その身に四魂のかけらを持つ限り……。どうする珊瑚、こんな琥珀をどう救う?」
「奈落! きさまのたわ言は聞きあきた!」
珊瑚さんは背負っているブーメランのようなものを奈落に放つ。
その時「珊瑚ちゃん!」と声が聞こえてきた。
かごめちゃんが犬夜叉さんの背に乗ってこちらに向かっている。弥勒さんと七宝ちゃんも一緒にいる。
「ふっ。今さら飛来骨ごときでわしを倒せるとでも……」
珊瑚さんの使っている武器は飛来骨というらしい。
飛来骨はゴーと猛スピードで奈落へ向かっていく。そして飛来骨は奈落の体を両断した。
飛来骨から禍々しい気配がしている。
「奈落の邪気を巻き込んでいる!?」
弥勒さんの声に「そうか」と一人呟く。
あの禍々しい気配は奈落の邪気。でも、なんだろう……。それだけじゃないような。
飛来骨は戻り、再び奈落の体を砕いていく。
奈落の体は瘴気をまき散らしている。そして奈落の砕かれた体は戻っていない。
珊瑚さん、凄い。
「くっ……」
奈落は敵わないと思ったのか体を瘴気に包まれながら空へ逃げていく。
私はホッと息を吐き出した。
正直珊瑚さんが来てくれて助かった。私だけじゃ奈落と対抗できなかった。
私もまだまだだなぁ、と思いながら刀を鞘へしまう。
防毒面を外す。
琥珀君に防毒面のお礼を言わないと……。
そう思って隣へ視線を向ける。と、琥珀君の体がぐらつき始め、地面にうつぶせで倒れた。
「琥珀君っ!」
私は琥珀君の肩を揺さぶるが、反応がない。
「琥珀君、しっかりして!」
かごめちゃんと珊瑚さんも琥珀君に駆け寄ってくる。
「琥珀君動けないのね!? 四魂のかけらがけがされたせいだわ」
「かごめちゃん、琥珀君のこと」
「うん、分かってる。桔梗のように上手くできないかもしれないけれど」
私はかごめちゃんの声に頷いて、ここから移動する準備を始めた。
陰陽術は妖怪にしか使えない。琥珀君に襲われた時に自身の身を守れるのは、この刀しかない。
奈落は琥珀君のすぐ後ろまで迫っていた。
「くくく、こわいか琥珀……。わしの邪気に操られ……その小娘を手にかけてしまうことが……。おまえがその手で父や仲間を殺した時のように……」
その奈落の言葉と共に、琥珀君の気配が益々黒くなっていく。
そうか……。琥珀君、家族を手にかけたから。最初会ったときに何も覚えていないと言ったのか……。
奈落は言葉を続ける。
「安心しろ琥珀……、もうそんな辛い思いはしなくていい」
その言葉と共に琥珀君はグッと鎌を構える。そしてその鎌を首に当てた。
「琥珀君っ!」
奈落は琥珀君自身に首を切らせて、四魂のかけらを持ち帰るつもりだ!
私は思わず刀を抜いて、琥珀君の鎌と刃を交える。
けれど――。
力が強い。
私だってある程度素振りしていたのに。
琥珀君の力に押されて、鎌より先に私の刀で琥珀君が傷つきそうだ。
「っ……」
唇を噛みながらなんとか鎌を押し返す。
その間も奈落は余裕の笑みを浮かべていた。
「くくく……桔梗のしかけで、わしはおまえのかけらには触れられない。だが持ち帰ることはできる。おまえの首に入れてな……」
その瞬間、琥珀君の力がグッと強くなる。思わずその力に押され、琥珀君の首に刀が触れた。
このままじゃ琥珀君が……。
ギュッと目を閉じた。
その途端、一気に刀が軽くなる。目を開けると猫又の妖怪雲母が琥珀君の腕を咥え、首から鎌を離していた。その雲母の上には琥珀君の姉の珊瑚さんが跨っている。
「奈落!」
珊瑚さんは防毒面をつけて前にあった時と同じようにブーメランのようなものを担いでいる。
「珊瑚……。弟を思うならこの場で命を絶たせ、楽にしてやれ」
「ふざけるな!」
「わからんのか。死ぬ以外、琥珀の心を救う方法はないのだ。考えてもみろ、わしの呪縛から逃れ、己を取り戻してもなお、おまえら姉弟はともに居ることすらかなわん。それは琥珀自身が姉のおまえを避けているからだ」
私は琥珀君のそばに寄り、恐る恐る顔を覗き込む。
琥珀君は珊瑚さんの後ろ姿をただただ見ていた。
「無理もない。珊瑚、おまえはすべて見てしまったからな。琥珀が仲間と、おまえたちの父親を殺す瞬間を……。だから珊瑚、おまえの存在が……いやでも琥珀をいまわしい過去にひきずり戻す」
「琥珀が私を避けている……?」
琥珀君がピクリと肩を上げる。
きっと琥珀君はお姉さんである珊瑚さんのことが大好きなんだ。
だからこそ、一緒にはいられない。
自分の罪の重さが分かっているからこそ――。
「それがどうした。そんなことわかっている」
「!」
珊瑚さんは真っすぐに強い瞳で奈落を見据えている。
その瞳には覚悟と愛があった。
「奈落、たとえおまえに操られたとはいえ、琥珀が私たちの父上を手にかけたことは事実だ」
琥珀君の瞳は迷い揺れながらも、珊瑚さんを見ている。
「私はあの日の出来事を忘れたことはない。琥珀だって同じだろう。自分のしたことに苦しみ、恥じている。だからこそ――死なすわけにはいかないんだ! 琥珀が苦しみを乗り越えるまで……私は奈落、おまえと戦う」
「くくく無駄だ」
ザワと奈落の気配が黒くなっていく。それにつられるように琥珀君の気配も黒くなっていく。
マズい。
黒く、黒く、琥珀君が汚れていく。
私は再び刀を掴む。それと同時に琥珀君も鎌に手をかける。
「姉上!」
「珊瑚さん!」
琥珀君が鎌を珊瑚さんに投げる。私はその鎌を必死に刀で防ぐ。
「姉……上……」
琥珀君はかすれ声で珊瑚さんを呼ぶ。
私はキッと奈落を睨みつけるが、奈落は気にせず話し続ける。
「おもしろい。意識がありながら、体はわしの意のままというわけだ。その身に四魂のかけらを持つ限り……。どうする珊瑚、こんな琥珀をどう救う?」
「奈落! きさまのたわ言は聞きあきた!」
珊瑚さんは背負っているブーメランのようなものを奈落に放つ。
その時「珊瑚ちゃん!」と声が聞こえてきた。
かごめちゃんが犬夜叉さんの背に乗ってこちらに向かっている。弥勒さんと七宝ちゃんも一緒にいる。
「ふっ。今さら飛来骨ごときでわしを倒せるとでも……」
珊瑚さんの使っている武器は飛来骨というらしい。
飛来骨はゴーと猛スピードで奈落へ向かっていく。そして飛来骨は奈落の体を両断した。
飛来骨から禍々しい気配がしている。
「奈落の邪気を巻き込んでいる!?」
弥勒さんの声に「そうか」と一人呟く。
あの禍々しい気配は奈落の邪気。でも、なんだろう……。それだけじゃないような。
飛来骨は戻り、再び奈落の体を砕いていく。
奈落の体は瘴気をまき散らしている。そして奈落の砕かれた体は戻っていない。
珊瑚さん、凄い。
「くっ……」
奈落は敵わないと思ったのか体を瘴気に包まれながら空へ逃げていく。
私はホッと息を吐き出した。
正直珊瑚さんが来てくれて助かった。私だけじゃ奈落と対抗できなかった。
私もまだまだだなぁ、と思いながら刀を鞘へしまう。
防毒面を外す。
琥珀君に防毒面のお礼を言わないと……。
そう思って隣へ視線を向ける。と、琥珀君の体がぐらつき始め、地面にうつぶせで倒れた。
「琥珀君っ!」
私は琥珀君の肩を揺さぶるが、反応がない。
「琥珀君、しっかりして!」
かごめちゃんと珊瑚さんも琥珀君に駆け寄ってくる。
「琥珀君動けないのね!? 四魂のかけらがけがされたせいだわ」
「かごめちゃん、琥珀君のこと」
「うん、分かってる。桔梗のように上手くできないかもしれないけれど」
私はかごめちゃんの声に頷いて、ここから移動する準備を始めた。