主人と僕の旅路 4
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―邪見視点―
「はぁ~」
「はぁ~」
鈴とわしのため息が重なる。
あれからというもの、鈴はポカーンとして何も考えられない様子で。
殺生丸さまが何事もなかったかのように歩き始めているのに、鈴はずっとポカンと立ち尽くしていた。
仕方ないからわしと琥珀が服の裾を全力で引っ張ってここまで連れてきたが……。
ここまで連れてきたと思ったら殺生丸さまはわしらを置いてどこかへ行ってしまうし。
もう……。
わしは火を起こしている琥珀に目配せをしてから、鈴をチラリと横目で見る。
「殺生丸さまは私のことがスキ……キライ……スキ……キライ……スキ……」
ずっとこの調子だ。
しかも花占いならまだしも、近くに花がないからか雑草を根っこからブチブチと引っこ抜いている。
わしはもう一度ため息を吐いてから、「いい加減にせぬか」と声をかけてみる。
「だ、だって殺生丸さまがキキキ、キスをっ」
キス、というのは多分殺生丸さまが唇を重ねたことを言っているんだろうが。
「ねぇ邪見。殺生丸さまはどうしてあんなことをしたんだろ」
「そんなの知るか!」
鈴は赤面しうるうると涙目を浮かべている。
とは言ったものの、まぁなんとなくは予想はついているがなぁ。
―殺生丸視点―
殺生丸は完全な円を描いた冥道残月破を放って、引っ越し準備をしている刀々斎の前に降り立った。
冥道残月破によって刀々斎の家が一部欠ける。
「刀々斎……逃げられると思ったか」
「よー殺生丸。そろそろ来る頃だと思ったぜ。あの陰陽師の鈴の呪いを無事解いたらしいじゃないか。そのお礼か?」
「……」
「ってそんなわけないか」
刀々斎はボリボリと頭を掻いてから「それじゃあ」と意味深に口角を上げた。
「どうして鈴にあ~んなことしたのか分からなくて困っているという話か?」
「!」
殺生丸は珍しくピクリと眉を動かす。そして――。
「冥道残月」
「ちょちょ、ちょっと待った!!! 冗談だ!!!」
刀々斎は冥道残月破を撃とうとしている殺生丸を必死に止める。
「まぁその剣幕じゃ、天生牙の秘密を知ってしまったってことか」
「刀々斎きさま、最初からすべてを知っていたな?」
「そりゃまーな。おまえ、死神鬼に会ったんだよな?」
――きさまのおやじはわしから冥道残月破を奪い取ったものの、もてあましたのだろう。そのいらない技を受け継いだのが……――
――殺生丸きさまの天生牙だ――
殺生丸の脳内に死神鬼の言葉が浮かぶ。
「ったく。死神鬼になに吹き込まれたか知らねぇが……結果、おまえは冥道残月破をものにしたじゃねぇか。おまえならやってのけると見込んだおやじどのの目に、間違いはなかってわけだ」
「ふっ刀々斎……」
殺生丸はわずかに目を細める。
――憐れだな殺生丸……――
――きさまらの親父はつくづく残酷なことを――
「この殺生丸が、その先に気付いていないと思うか」
「その先……?」
「鉄砕牙は闘った敵の武器の能力を奪い取る刀……それに対してこの天生牙にそんな力はない。父上の真の目的は、この殺生丸に冥道残月破を完成させ――そして再び天生牙を鉄砕牙に吸収させる――そういうことだったのだろう」
そして鈴もその考えに至ったから泣いた。
他でもない。――この殺生丸の為に。
刀々斎はぴしっと膝を叩いた。
殺生丸は鋭く刀々斎を睨みつけた。
「おまえの言うとおり、おやじどのはいずれ冥道残月破も犬夜叉に与えるつもりだったのさ」
「ふっ、この殺生丸が……犬夜叉ごときの鉄砕牙に斬られると思うか!」
殺生丸は冥道残月破を出そうとするものの、刀々斎に火で囲まれしまう。
ゴーと炎の音と刀々斎の声だけが聞こえてくる。
「なぁ殺生丸。おやじどのはなんで刀にこんな細工をしたんだと思う? 犬夜叉かわいさにおまえに貧乏クジを引かせたと、本気で思ってるのか? ま、今のおまえには無理だろうな」
殺生丸は鋭く刀々斎の家を見つめた。
「おやじどのの形見の鉄砕牙にこだわっている間は、おやじどののその先の考えなど……」
「黙れ!」
殺生丸は冥道残月破を家に向けて放つ。
――その先の考えだと!?
―邪見視点―
「ねぇ邪見。殺生丸さまはどうしてあんなこと」
「だからそんなの知るか! さっきから何百回も」
鈴は草をむしるのを止めて、さっきから同じ質問を繰り返している。
まぁ鈴に心の余裕がないのは分かるが、同じことことを何回も聞かされるわしの気持ちも汲んでほしい。
すると突然琥珀がバッと後ろを振り返った。
「どうした?」
わしは声をかけるが鈴はずっと赤面していて琥珀の様子に気付いていない。
それどころかまだ「殺生丸さまはどうして」とぶつぶつ呟いている。
琥珀は徐々に顔が青ざめていっている。そして急に立ち上がり「二人とも逃げろ!」と声を荒げた。
「え?」
意味が分からず首を傾げた。
だがすぐにその疑問は解決する。
「くくく……琥珀……。久しぶりだな……」
「! 奈落」
琥珀の声に続いて「え? 奈落?」と鈴のすっとぼけた声が聞こえた。
鈴は奈落の存在に気付くとやっとハッとして徐々に顔が青ざめていった。
「はぁ~」
「はぁ~」
鈴とわしのため息が重なる。
あれからというもの、鈴はポカーンとして何も考えられない様子で。
殺生丸さまが何事もなかったかのように歩き始めているのに、鈴はずっとポカンと立ち尽くしていた。
仕方ないからわしと琥珀が服の裾を全力で引っ張ってここまで連れてきたが……。
ここまで連れてきたと思ったら殺生丸さまはわしらを置いてどこかへ行ってしまうし。
もう……。
わしは火を起こしている琥珀に目配せをしてから、鈴をチラリと横目で見る。
「殺生丸さまは私のことがスキ……キライ……スキ……キライ……スキ……」
ずっとこの調子だ。
しかも花占いならまだしも、近くに花がないからか雑草を根っこからブチブチと引っこ抜いている。
わしはもう一度ため息を吐いてから、「いい加減にせぬか」と声をかけてみる。
「だ、だって殺生丸さまがキキキ、キスをっ」
キス、というのは多分殺生丸さまが唇を重ねたことを言っているんだろうが。
「ねぇ邪見。殺生丸さまはどうしてあんなことをしたんだろ」
「そんなの知るか!」
鈴は赤面しうるうると涙目を浮かべている。
とは言ったものの、まぁなんとなくは予想はついているがなぁ。
―殺生丸視点―
殺生丸は完全な円を描いた冥道残月破を放って、引っ越し準備をしている刀々斎の前に降り立った。
冥道残月破によって刀々斎の家が一部欠ける。
「刀々斎……逃げられると思ったか」
「よー殺生丸。そろそろ来る頃だと思ったぜ。あの陰陽師の鈴の呪いを無事解いたらしいじゃないか。そのお礼か?」
「……」
「ってそんなわけないか」
刀々斎はボリボリと頭を掻いてから「それじゃあ」と意味深に口角を上げた。
「どうして鈴にあ~んなことしたのか分からなくて困っているという話か?」
「!」
殺生丸は珍しくピクリと眉を動かす。そして――。
「冥道残月」
「ちょちょ、ちょっと待った!!! 冗談だ!!!」
刀々斎は冥道残月破を撃とうとしている殺生丸を必死に止める。
「まぁその剣幕じゃ、天生牙の秘密を知ってしまったってことか」
「刀々斎きさま、最初からすべてを知っていたな?」
「そりゃまーな。おまえ、死神鬼に会ったんだよな?」
――きさまのおやじはわしから冥道残月破を奪い取ったものの、もてあましたのだろう。そのいらない技を受け継いだのが……――
――殺生丸きさまの天生牙だ――
殺生丸の脳内に死神鬼の言葉が浮かぶ。
「ったく。死神鬼になに吹き込まれたか知らねぇが……結果、おまえは冥道残月破をものにしたじゃねぇか。おまえならやってのけると見込んだおやじどのの目に、間違いはなかってわけだ」
「ふっ刀々斎……」
殺生丸はわずかに目を細める。
――憐れだな殺生丸……――
――きさまらの親父はつくづく残酷なことを――
「この殺生丸が、その先に気付いていないと思うか」
「その先……?」
「鉄砕牙は闘った敵の武器の能力を奪い取る刀……それに対してこの天生牙にそんな力はない。父上の真の目的は、この殺生丸に冥道残月破を完成させ――そして再び天生牙を鉄砕牙に吸収させる――そういうことだったのだろう」
そして鈴もその考えに至ったから泣いた。
他でもない。――この殺生丸の為に。
刀々斎はぴしっと膝を叩いた。
殺生丸は鋭く刀々斎を睨みつけた。
「おまえの言うとおり、おやじどのはいずれ冥道残月破も犬夜叉に与えるつもりだったのさ」
「ふっ、この殺生丸が……犬夜叉ごときの鉄砕牙に斬られると思うか!」
殺生丸は冥道残月破を出そうとするものの、刀々斎に火で囲まれしまう。
ゴーと炎の音と刀々斎の声だけが聞こえてくる。
「なぁ殺生丸。おやじどのはなんで刀にこんな細工をしたんだと思う? 犬夜叉かわいさにおまえに貧乏クジを引かせたと、本気で思ってるのか? ま、今のおまえには無理だろうな」
殺生丸は鋭く刀々斎の家を見つめた。
「おやじどのの形見の鉄砕牙にこだわっている間は、おやじどののその先の考えなど……」
「黙れ!」
殺生丸は冥道残月破を家に向けて放つ。
――その先の考えだと!?
―邪見視点―
「ねぇ邪見。殺生丸さまはどうしてあんなこと」
「だからそんなの知るか! さっきから何百回も」
鈴は草をむしるのを止めて、さっきから同じ質問を繰り返している。
まぁ鈴に心の余裕がないのは分かるが、同じことことを何回も聞かされるわしの気持ちも汲んでほしい。
すると突然琥珀がバッと後ろを振り返った。
「どうした?」
わしは声をかけるが鈴はずっと赤面していて琥珀の様子に気付いていない。
それどころかまだ「殺生丸さまはどうして」とぶつぶつ呟いている。
琥珀は徐々に顔が青ざめていっている。そして急に立ち上がり「二人とも逃げろ!」と声を荒げた。
「え?」
意味が分からず首を傾げた。
だがすぐにその疑問は解決する。
「くくく……琥珀……。久しぶりだな……」
「! 奈落」
琥珀の声に続いて「え? 奈落?」と鈴のすっとぼけた声が聞こえた。
鈴は奈落の存在に気付くとやっとハッとして徐々に顔が青ざめていった。