主人と僕の旅路 4
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その時、珍しく殺生丸さまが目を見開いた。
何!? 何が起きているの!?
「抜け殺生丸! なにかが起きるかもしれねぇ!」
犬夜叉さんの言葉に殺生丸さまが天生牙を見る。
もしかしなくても天生牙に何かが起きている? しかも犬夜叉さんの発言から鉄砕牙にも何かが起きていることが分かる。
「くくく殺生丸……。闘う気力さえ失ったか。それでいいもはやきさまに打つ手はないのだからな」
ゴーと冥道残月破は音を立てながら殺生丸さまの直前まで迫っている。
「冥界へ行け! おやじの形見の刀を後生大事にかかえたままな!」
「父上の形見……か」
殺生丸さまがやっと天生牙を抜く。
その姿に思わずホッと息を吐き出す。
大丈夫、大丈夫。天生牙が殺生丸さまを導いてくれる。
私は自分の刀を撫でる。
――お願い。天生牙。殺生丸さまを助けて。
その時、殺生丸さまが大きく剣を振りかざす。
「きさまの如き下衆にくれてやる命はないわ!」
ゴッと一際大きな冥界が広がった。
しかも……。
「殺生丸さまの冥道が完全な円に……」
「死神鬼の冥道を飲み込んでいる」
阿吽に乗っている邪見と琥珀君の会話が耳に入ってくる。
そう、殺生丸さまの冥道残月破が完全な円になっていたのだ。
私は思わずガッツポーズをしてしまう。
死神鬼の体は浮き上がり、ゆっくりと、だが着実に冥界に飲まれていく。
その最中、死神鬼は急に笑い出した。
「!?」
「憐れだな殺生丸。きさまらのおやじはつくづく残酷なことを――」
そして死神鬼の体は完全に冥界へと飲み込まれていった。
あとにはゴオオオと風の音だけが鳴っている。
殺生丸さまの冥道残月破は凄かった。なのに――何故か喜べない。
死神鬼の最後の言葉。あれは一体……。
私は殺生丸さまに目を向ける。
殺生丸さまもどこか険しい顔をしている。
私はフッと息を吐き出して目を閉じて考えた。
殺生丸さまが完全な冥道残月破を放つ前、明らかに様子がおかしかった。
それに……犬夜叉さん、というよりも鉄砕牙も。
もしかして完全な冥道残月破は鉄砕牙がなければ撃てない?
――だとしても。死神鬼の発言はよく分からない。
鉄砕牙と天生牙が揃って冥道残月破が撃てるのならば、お父様は二人で協力しろってことだと思うし。
私は一度目を開けて犬夜叉さんの鉄砕牙に目を向ける。
鉄砕牙は天生牙と違って妖怪を倒すことに特化していて。闘った相手の武器の能力を奪い取る力が……。
「っ!」
私は思わず殺生丸さまの元へ駆け寄る。
そうか、死神鬼のあの言葉は――。そういうことだったのか。そして殺生丸さまもおそらくその言葉の意味に気付いている……。
「あの、殺生丸さま……」
私はおそるおそる声をかける。
殺生丸さまはわずかに目線だけをこちらにやると、ゆっくり歩き出した。
置いていかれちゃう。
私は殺生丸さまの後についていこうとすると「待ちやがれ殺生丸」と犬夜叉さんから声がかかった。
「おまえは今……天生牙を極めた、そう思っていいんだな!?」
「っ!」
――そうじゃない!
「おれが物心ついた時、もうおやじは死んでた。だからおやじの考えはわからねえ。だけど天生牙はいらない部分だの、不完全な刀だの……。あれは言いがかりで、おやじがおまえを認めて天生牙を渡したってことでいいんだな」
――それ以上言わないで。
「なぜ……そう思う?」
「今後、刀のことで逆恨みされちゃたまんねえからに決まってんだろ」
――違うのに。
私は犬夜叉さんの方へ足を踏み出す。
「天生牙がちゃんとしたおやじの形見だってことをここでハッキリ」
「もうやめてください!!!」
気が付けば私は犬夜叉さんの右腕をグッと掴んでいた。
「もう、それ以上は言わないでください……」
犬夜叉さんなりに殺生丸さまのことを気遣っているのも、励まそうとしているのも分かる。
けれど。
殺生丸さまにとってはただの苦しい言葉だ。
「お、おい。な、何泣いてんだっ。お、俺のせいか?」
泣いてる? 私が?
思わず目をこする。
自分でも気が付かないうちに大号泣していたらしい。
違う。私が泣くのは違う。殺生丸さまが泣き言も何も言っていないのに。私が泣いちゃだめだ。
そう思っているのに涙は一向に止まらない。
「鈴」
殺生丸さまに名前を呼ばれる。
私は犬夜叉さんから手を離して殺生丸さまの方へ振り返る。けれど顔が見れない……。
「ごめんなさい…………。泣くつもりじゃなくて。止めようと思っているのに止まらなくて」
必死に言葉を紡ぐ。
殺生丸さまがスッと息を吸う音がわずかに聞こえる。
きっと「うるさい」とか「余計な事をするな」とか言われるんだろう。
そう思ってギュッと目を閉じた。
その瞬間、頬に殺生丸さまの冷たい手が触れた。
「え……?」
思わず顔を上にあげる。
殺生丸さまの顔がゆっくりと近づいてきた。
「あの、殺生丸さま……」
「どうしたんですか?」と言おうとした言葉は紡げなかった。
殺生丸さまがわずかにかがんで――――。そして――――。
唇同士が重なった。
何!? 何が起きているの!?
「抜け殺生丸! なにかが起きるかもしれねぇ!」
犬夜叉さんの言葉に殺生丸さまが天生牙を見る。
もしかしなくても天生牙に何かが起きている? しかも犬夜叉さんの発言から鉄砕牙にも何かが起きていることが分かる。
「くくく殺生丸……。闘う気力さえ失ったか。それでいいもはやきさまに打つ手はないのだからな」
ゴーと冥道残月破は音を立てながら殺生丸さまの直前まで迫っている。
「冥界へ行け! おやじの形見の刀を後生大事にかかえたままな!」
「父上の形見……か」
殺生丸さまがやっと天生牙を抜く。
その姿に思わずホッと息を吐き出す。
大丈夫、大丈夫。天生牙が殺生丸さまを導いてくれる。
私は自分の刀を撫でる。
――お願い。天生牙。殺生丸さまを助けて。
その時、殺生丸さまが大きく剣を振りかざす。
「きさまの如き下衆にくれてやる命はないわ!」
ゴッと一際大きな冥界が広がった。
しかも……。
「殺生丸さまの冥道が完全な円に……」
「死神鬼の冥道を飲み込んでいる」
阿吽に乗っている邪見と琥珀君の会話が耳に入ってくる。
そう、殺生丸さまの冥道残月破が完全な円になっていたのだ。
私は思わずガッツポーズをしてしまう。
死神鬼の体は浮き上がり、ゆっくりと、だが着実に冥界に飲まれていく。
その最中、死神鬼は急に笑い出した。
「!?」
「憐れだな殺生丸。きさまらのおやじはつくづく残酷なことを――」
そして死神鬼の体は完全に冥界へと飲み込まれていった。
あとにはゴオオオと風の音だけが鳴っている。
殺生丸さまの冥道残月破は凄かった。なのに――何故か喜べない。
死神鬼の最後の言葉。あれは一体……。
私は殺生丸さまに目を向ける。
殺生丸さまもどこか険しい顔をしている。
私はフッと息を吐き出して目を閉じて考えた。
殺生丸さまが完全な冥道残月破を放つ前、明らかに様子がおかしかった。
それに……犬夜叉さん、というよりも鉄砕牙も。
もしかして完全な冥道残月破は鉄砕牙がなければ撃てない?
――だとしても。死神鬼の発言はよく分からない。
鉄砕牙と天生牙が揃って冥道残月破が撃てるのならば、お父様は二人で協力しろってことだと思うし。
私は一度目を開けて犬夜叉さんの鉄砕牙に目を向ける。
鉄砕牙は天生牙と違って妖怪を倒すことに特化していて。闘った相手の武器の能力を奪い取る力が……。
「っ!」
私は思わず殺生丸さまの元へ駆け寄る。
そうか、死神鬼のあの言葉は――。そういうことだったのか。そして殺生丸さまもおそらくその言葉の意味に気付いている……。
「あの、殺生丸さま……」
私はおそるおそる声をかける。
殺生丸さまはわずかに目線だけをこちらにやると、ゆっくり歩き出した。
置いていかれちゃう。
私は殺生丸さまの後についていこうとすると「待ちやがれ殺生丸」と犬夜叉さんから声がかかった。
「おまえは今……天生牙を極めた、そう思っていいんだな!?」
「っ!」
――そうじゃない!
「おれが物心ついた時、もうおやじは死んでた。だからおやじの考えはわからねえ。だけど天生牙はいらない部分だの、不完全な刀だの……。あれは言いがかりで、おやじがおまえを認めて天生牙を渡したってことでいいんだな」
――それ以上言わないで。
「なぜ……そう思う?」
「今後、刀のことで逆恨みされちゃたまんねえからに決まってんだろ」
――違うのに。
私は犬夜叉さんの方へ足を踏み出す。
「天生牙がちゃんとしたおやじの形見だってことをここでハッキリ」
「もうやめてください!!!」
気が付けば私は犬夜叉さんの右腕をグッと掴んでいた。
「もう、それ以上は言わないでください……」
犬夜叉さんなりに殺生丸さまのことを気遣っているのも、励まそうとしているのも分かる。
けれど。
殺生丸さまにとってはただの苦しい言葉だ。
「お、おい。な、何泣いてんだっ。お、俺のせいか?」
泣いてる? 私が?
思わず目をこする。
自分でも気が付かないうちに大号泣していたらしい。
違う。私が泣くのは違う。殺生丸さまが泣き言も何も言っていないのに。私が泣いちゃだめだ。
そう思っているのに涙は一向に止まらない。
「鈴」
殺生丸さまに名前を呼ばれる。
私は犬夜叉さんから手を離して殺生丸さまの方へ振り返る。けれど顔が見れない……。
「ごめんなさい…………。泣くつもりじゃなくて。止めようと思っているのに止まらなくて」
必死に言葉を紡ぐ。
殺生丸さまがスッと息を吸う音がわずかに聞こえる。
きっと「うるさい」とか「余計な事をするな」とか言われるんだろう。
そう思ってギュッと目を閉じた。
その瞬間、頬に殺生丸さまの冷たい手が触れた。
「え……?」
思わず顔を上にあげる。
殺生丸さまの顔がゆっくりと近づいてきた。
「あの、殺生丸さま……」
「どうしたんですか?」と言おうとした言葉は紡げなかった。
殺生丸さまがわずかにかがんで――――。そして――――。
唇同士が重なった。