主人と僕の旅路 4
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ゴオオオオと風が吹き荒れる。
「天生牙は存在すらしていなかった……?」
「そうだ殺生丸」
弥勒さんの言葉に死神鬼が静かに口を開く。
「きさまの天生牙は、鉄砕牙の……」
「黙れ!」
殺生丸さまは間髪入れずに冥道残月破を繰り出す。だが、やはり先程と同様に死神鬼の冥道に呑み込まれてしまった。
「きさまのおやじは、わしから冥道残月破を奪い取ったものの……もてあましたのだろう」
「う、うむ。冥道を斬り開き、敵を直接冥界に葬り去る、危険にして不吉な技。確かにお館様はこの技の扱いを思案なされていた」
冥加さんは落ち着きのない様子で殺生丸さまを見ていた。
それが――少し気になる。
死神鬼は「だから……鉄砕牙から切り放したのだろう」と殺生丸さまと犬夜叉さんを冷たく見据える。
「そしてそのいらない技を受け継いだのが…………。殺生丸、きさまの天生牙だ」
――違うっ!
グッと唇を噛んで耐える。
きっと殺生丸さまのお父様に考えがあるに決まっている。
「殺生丸、きさま……。よほど父にうとまれていたらしいな。そしてわかっただろう。天生牙が不完全な刀であるという意味が……」
「鉄砕牙の一部にすぎぬ天生牙からは、完全なる冥道残月波は放 てんのだ」
天生牙を握っている殺生丸さまの右手にわずかに力がこもったのが遠目からでも分かった。
……殺生丸さま。
「どれほど鍛えてもな!」
死神鬼は冥道残月破を放っている。だが殺生丸さまは攻撃する素振りも、避ける素振りも見せない。
「危ない、殺生丸さまっ!」
「っ!」
冥道残月破が殺生丸様のすぐ目前まで迫っていた。だがその瞬間、犬夜叉さんが刀を振り下ろす。
「風の傷!」
犬夜叉さんの攻撃が冥道残月破と衝突する。
「ふっ半妖が……兄の加勢のつもりか。急がずとも殺生丸を葬ったあと、きさまの相手をしてやる」
「やかましい! 黙って見てられるか!」
犬夜叉さんが反論した途端、殺生丸さまが犬夜叉さんの隣に移動する。そして顔を思いきり殴りつけた。
「てめえ、なにしやがる!」
「手出しは許さん」
その二人の様子に「八つ当たりじゃ」と狐の小妖怪、七宝ちゃんが弥勒さんに話しかけた。
確かに……。今のは完全に八つ当たりだった。でも――。八つ当たりしたくなる気持ちも分かる。
殺生丸さまは右手だけで死神鬼へ向かっていく。
死神鬼はフッと笑いながら攻撃を繰り出す。
「行け、冥界へ!」
だが殺生丸さまは攻撃を交わしながら、着実に死神鬼に向かっていっている。
死神鬼の冥道残月破は殺生丸さまのものほど大きくはない。当たる確率は少ないけれど……。
「くくく……」
私は死神鬼の笑みをジッと見つめる。
嫌な感じだ。
死神鬼は笑みを浮かべながら、武器をまた一振りする。と、殺生丸さまの周りを囲むように冥道がいくつも現れる。
やっぱり。嫌な感じは当たってしまった。
殺生丸さまはギリギリで冥道残月破を避けていく。
「止まれ、殺生丸!」
犬夜叉さんが大声を上げる。
だが殺生丸さまは止まらない。死神鬼が冥道を繰り出していくのを、ギリギリで避けていく。
「いかん、このままでは……殺生丸にお館さまの真意をお伝えしなければ……」
かごめちゃんの肩に乗っている冥加さんが意味深な発言をする。
殺生丸さまのお父様の考え? やっぱり冥加さん何か知っているんだ。
私は咄嗟に阿吽に指示を出す。
「お、おい。鈴」と邪見の声が聞こえたが、ここは華麗にスルー。
私は地面に飛び降りて「どういうことですか!?」と冥加さんに問い詰める。
「え、あ、いやこれは……。そのー。殺生丸さまにお伝えを」
冥加さんは何故か言葉を濁す。と、隣で聞いていた弥勒さんが冥加さんを摘まみ上げる。そして札の上に冥加さんを乗せた。
「とっとと話してきなさい!」
「いやじゃあああっ」
冥加さんが乗った札は見事犬夜叉さんの元へ飛び、冥加さんは肩へ飛び移る。
「殺生丸さま! 話をお聞きください!」
殺生丸さまは冥加さんに目をくれず死神鬼へ向き合っている。
「殺生丸さまっ、お父上は……。殺生丸さまだからこそ天生牙をお譲りになったのじゃ」
ピクリ、と殺生丸さまの眉が動く。
「冥道残月破は、敵を直接冥界に葬り去る恐ろしい技。誰にでも扱えるものではない」
「ふっ、確かにな。半妖の弟ごときでは、冥界の邪気にも耐えられぬだろう」
「お父上は、真の妖怪である殺生丸さまの強さに賭けたのですっ」
その冥加さんの言葉にホッと胸を撫でおろす。
よかった……。やっぱりお父様は殺生丸さまのこと、信頼して大事にしてくれていたんだ。
けれど。殺生丸さまの顔は晴れてはいなかった。
「ですから、」
「そんなことのために、わざわざ天生牙を鉄砕牙から切り放したというのか?」
「へ?」
一瞬、空気が固まる。
そしてそれは私も同じだった。
「おかしな話だ。最初から冥道残月破をまとった鉄砕牙を殺生丸に授ければよかったではないか。殺生丸を頼もしく思うのではな」
「い、言われてみれば……」
冥加さんが言葉をなくしているところに犬夜叉さんが「おい」と冥加さんを摘まみ上げた。
「言い負かされてんじゃねぇか」
でも、確かにこれは何も言えなくなる。
どうして殺生丸さまのお父様は――。
私はグッと唇を噛みながら殺生丸さまを見守る。
殺生丸さまは再び死神鬼に向かっていく。
「ふっ!」
死神鬼は冥道残月破を放つ。その冥道残月波が殺生丸さまの左腕に当たった。
「「「殺生丸さまっ!」」」
「ちっ、腕一本だけか」
殺生丸さまの左腕は元々ない。だけれど。もし、この攻撃が右腕だったら――。
考えるだけで背筋が凍る。
殺生丸さまは遂に死神鬼の顔に拳を入れる。死神鬼は殴られた衝撃で後方に飛んだ。だが今の攻撃だけでは死んでいない。
「天生牙の秘密か……。心卑しいきさまの口から聞くべきではなかったな。なにもかもいじましく聞こえる」
「くくく……後悔しているか……」
死神鬼はよろよろになりながらもたちあがり武器を構えた。
まだ、やるつもり!?
「さがれ、殺生丸!」と犬夜叉さんが殺生丸さまの前に出ようとしてくる。
「手出しは無用と言ったろう!」
「そうはいくか! 金剛槍破!」
「おもしろい! 兄弟まとめて冥界に送ってやるわ!」
死神鬼が今までにないほど大振りで武器を振り下ろす。と、大量の冥道が二人の前に迫ってきた。
犬夜叉さんの金剛槍破はいとも簡単に冥道に飲まれていく。
――数が多すぎる!
「逃げてーっ、犬夜叉!」
「殺生丸さまっ!!!」
嫌だ。このまま殺生丸さまを失うのは嫌だ。
私は自分の腰にある刀に思わず手を伸ばす。
けれど今から私に何か出来ることは――、ない。
刀の九字兼定は冥道で私を助けてくれた。だから天生牙だって……。
――殺生丸さまを助けて――
「天生牙は存在すらしていなかった……?」
「そうだ殺生丸」
弥勒さんの言葉に死神鬼が静かに口を開く。
「きさまの天生牙は、鉄砕牙の……」
「黙れ!」
殺生丸さまは間髪入れずに冥道残月破を繰り出す。だが、やはり先程と同様に死神鬼の冥道に呑み込まれてしまった。
「きさまのおやじは、わしから冥道残月破を奪い取ったものの……もてあましたのだろう」
「う、うむ。冥道を斬り開き、敵を直接冥界に葬り去る、危険にして不吉な技。確かにお館様はこの技の扱いを思案なされていた」
冥加さんは落ち着きのない様子で殺生丸さまを見ていた。
それが――少し気になる。
死神鬼は「だから……鉄砕牙から切り放したのだろう」と殺生丸さまと犬夜叉さんを冷たく見据える。
「そしてそのいらない技を受け継いだのが…………。殺生丸、きさまの天生牙だ」
――違うっ!
グッと唇を噛んで耐える。
きっと殺生丸さまのお父様に考えがあるに決まっている。
「殺生丸、きさま……。よほど父にうとまれていたらしいな。そしてわかっただろう。天生牙が不完全な刀であるという意味が……」
「鉄砕牙の一部にすぎぬ天生牙からは、完全なる冥道残月波は
天生牙を握っている殺生丸さまの右手にわずかに力がこもったのが遠目からでも分かった。
……殺生丸さま。
「どれほど鍛えてもな!」
死神鬼は冥道残月破を放っている。だが殺生丸さまは攻撃する素振りも、避ける素振りも見せない。
「危ない、殺生丸さまっ!」
「っ!」
冥道残月破が殺生丸様のすぐ目前まで迫っていた。だがその瞬間、犬夜叉さんが刀を振り下ろす。
「風の傷!」
犬夜叉さんの攻撃が冥道残月破と衝突する。
「ふっ半妖が……兄の加勢のつもりか。急がずとも殺生丸を葬ったあと、きさまの相手をしてやる」
「やかましい! 黙って見てられるか!」
犬夜叉さんが反論した途端、殺生丸さまが犬夜叉さんの隣に移動する。そして顔を思いきり殴りつけた。
「てめえ、なにしやがる!」
「手出しは許さん」
その二人の様子に「八つ当たりじゃ」と狐の小妖怪、七宝ちゃんが弥勒さんに話しかけた。
確かに……。今のは完全に八つ当たりだった。でも――。八つ当たりしたくなる気持ちも分かる。
殺生丸さまは右手だけで死神鬼へ向かっていく。
死神鬼はフッと笑いながら攻撃を繰り出す。
「行け、冥界へ!」
だが殺生丸さまは攻撃を交わしながら、着実に死神鬼に向かっていっている。
死神鬼の冥道残月破は殺生丸さまのものほど大きくはない。当たる確率は少ないけれど……。
「くくく……」
私は死神鬼の笑みをジッと見つめる。
嫌な感じだ。
死神鬼は笑みを浮かべながら、武器をまた一振りする。と、殺生丸さまの周りを囲むように冥道がいくつも現れる。
やっぱり。嫌な感じは当たってしまった。
殺生丸さまはギリギリで冥道残月破を避けていく。
「止まれ、殺生丸!」
犬夜叉さんが大声を上げる。
だが殺生丸さまは止まらない。死神鬼が冥道を繰り出していくのを、ギリギリで避けていく。
「いかん、このままでは……殺生丸にお館さまの真意をお伝えしなければ……」
かごめちゃんの肩に乗っている冥加さんが意味深な発言をする。
殺生丸さまのお父様の考え? やっぱり冥加さん何か知っているんだ。
私は咄嗟に阿吽に指示を出す。
「お、おい。鈴」と邪見の声が聞こえたが、ここは華麗にスルー。
私は地面に飛び降りて「どういうことですか!?」と冥加さんに問い詰める。
「え、あ、いやこれは……。そのー。殺生丸さまにお伝えを」
冥加さんは何故か言葉を濁す。と、隣で聞いていた弥勒さんが冥加さんを摘まみ上げる。そして札の上に冥加さんを乗せた。
「とっとと話してきなさい!」
「いやじゃあああっ」
冥加さんが乗った札は見事犬夜叉さんの元へ飛び、冥加さんは肩へ飛び移る。
「殺生丸さま! 話をお聞きください!」
殺生丸さまは冥加さんに目をくれず死神鬼へ向き合っている。
「殺生丸さまっ、お父上は……。殺生丸さまだからこそ天生牙をお譲りになったのじゃ」
ピクリ、と殺生丸さまの眉が動く。
「冥道残月破は、敵を直接冥界に葬り去る恐ろしい技。誰にでも扱えるものではない」
「ふっ、確かにな。半妖の弟ごときでは、冥界の邪気にも耐えられぬだろう」
「お父上は、真の妖怪である殺生丸さまの強さに賭けたのですっ」
その冥加さんの言葉にホッと胸を撫でおろす。
よかった……。やっぱりお父様は殺生丸さまのこと、信頼して大事にしてくれていたんだ。
けれど。殺生丸さまの顔は晴れてはいなかった。
「ですから、」
「そんなことのために、わざわざ天生牙を鉄砕牙から切り放したというのか?」
「へ?」
一瞬、空気が固まる。
そしてそれは私も同じだった。
「おかしな話だ。最初から冥道残月破をまとった鉄砕牙を殺生丸に授ければよかったではないか。殺生丸を頼もしく思うのではな」
「い、言われてみれば……」
冥加さんが言葉をなくしているところに犬夜叉さんが「おい」と冥加さんを摘まみ上げた。
「言い負かされてんじゃねぇか」
でも、確かにこれは何も言えなくなる。
どうして殺生丸さまのお父様は――。
私はグッと唇を噛みながら殺生丸さまを見守る。
殺生丸さまは再び死神鬼に向かっていく。
「ふっ!」
死神鬼は冥道残月破を放つ。その冥道残月波が殺生丸さまの左腕に当たった。
「「「殺生丸さまっ!」」」
「ちっ、腕一本だけか」
殺生丸さまの左腕は元々ない。だけれど。もし、この攻撃が右腕だったら――。
考えるだけで背筋が凍る。
殺生丸さまは遂に死神鬼の顔に拳を入れる。死神鬼は殴られた衝撃で後方に飛んだ。だが今の攻撃だけでは死んでいない。
「天生牙の秘密か……。心卑しいきさまの口から聞くべきではなかったな。なにもかもいじましく聞こえる」
「くくく……後悔しているか……」
死神鬼はよろよろになりながらもたちあがり武器を構えた。
まだ、やるつもり!?
「さがれ、殺生丸!」と犬夜叉さんが殺生丸さまの前に出ようとしてくる。
「手出しは無用と言ったろう!」
「そうはいくか! 金剛槍破!」
「おもしろい! 兄弟まとめて冥界に送ってやるわ!」
死神鬼が今までにないほど大振りで武器を振り下ろす。と、大量の冥道が二人の前に迫ってきた。
犬夜叉さんの金剛槍破はいとも簡単に冥道に飲まれていく。
――数が多すぎる!
「逃げてーっ、犬夜叉!」
「殺生丸さまっ!!!」
嫌だ。このまま殺生丸さまを失うのは嫌だ。
私は自分の腰にある刀に思わず手を伸ばす。
けれど今から私に何か出来ることは――、ない。
刀の九字兼定は冥道で私を助けてくれた。だから天生牙だって……。
――殺生丸さまを助けて――