主人と僕の旅路 3
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私は洞窟で横たわっていた。まだ頭はガンガンと響く。
あの後、殺生丸さまと一緒に洞窟に帰ってきた。
横たわっていてもやっぱり……神楽のことが引っかかる。
「……」
「……」
洞窟の中で私も殺生丸様もお互い何も言わない。こういう時にやけにうるさい邪見は私の食べ物探しに出て行ってしまって、私と殺生丸様の二人きり。
「……」
私は横目で殺生丸さまを盗み見る。
殺生丸さまに今までの私のことを言わなくちゃいけない。けれど上手く言葉に出来る自信がない。
ジッと殺生丸様を見ていると、殺生丸様の顔がこちらに向き目と目が合う。
「っ!」
思わず目を逸らす。
本当ならドキドキとしてしまうところが、今はバツが悪くて目が合わせられない。
きちんと殺生丸さまに言わなくちゃ……。言わなくちゃ……。
「鈴」
「はい」
殺生丸様に声をかけられ、弱く返事を返す。
「……何かあるのか」
「……」
唇を噛む。
言わなきゃ……。
私が横になりながらかすかに頷くと、殺生丸さまはおもむろに立ち上がり私のすぐ側に腰を下ろした。そして私の手に手を重ね合わせる。
「っ! あの」
「……ゆっくりでよい」
「殺生丸さま……」
スーハーと一度深呼吸する。
私は顔を上げてきちんと殺生丸さまに向かい合う。
「私……。私、嫉妬してたんです」
ゆっくり、けれど強く一言一言を伝える。
「神楽に嫉妬していました」
「……」
殺生丸さまは手を重ねたまま、黙って耳を傾けている。
私は軽く目をつむって、また開ける。
「殺生丸様が神楽を庇ったり、助けたりするのを見て、嫉妬してしまったんです」
「……」
殺生丸さまは微かに眉をしかめる。
やっぱり、殺生丸様。よく分かってないんだな。
「けれど別に神楽を助けないでってことではなくて……」
言葉に行き詰まる。
――好きだから――
その一言がどうしても言えない。
好きだから殺生丸様のことを独占したい、好きだから他の女の人を見ないでほしい。
けれど、その言葉は出ない。いや、今は出しちゃいけない。中途半端だから……。
まだ自分の気持ちに踏ん切りがつけないでいる。こんな状態で気持ちを伝えても神楽に失礼だ。
「あの……。ただ私だけに優しくしてもらいたかった……」
「……」
「って、子供みたいなんですけど」
殺生丸さまはただ「そうか」とだけ呟く。そして重なっていた手を離した。
……醜い、と思ったかな。嫉妬して殺生丸さまを独り占めしたいと思った私なんて。
「あの、殺生様」
もう一度手に触れてほしくて。
私は殺生丸様に手を伸ばす。
「……」
「……」
けれど殺生丸様は私の手を見ているだけだ。
もしかして……。嫌われた?
もう殺生丸様に触れてもらえないどころか、話も顔も合わせてくれなくなる?
そんなのはっ。
「殺生丸さまっ!」
思わず涙声になってしまう。
「拒まないでっ。置いてかないでっ。一緒に……側にいさせて……下さい」
私は横たわりながら必死に殺生丸さまに手を伸ばす。殺生丸さまは黙って私の手を取った。今度は両手で包み込んでくれる。
「……最初の頃に二度は言わんといったはずだ」
「!」
つまりそれは……。
「私の居場所はここ……」
「……鈴」
殺生丸さまは名前を呼んで、手に力を込めた。
「はい」
「神楽は笑っていた。それは鈴がいたからだ」
「私が……」
掠れ声で殺生丸様の問いかけに、声を出す。
どうして神楽が私がいたからって……。
「鈴に、そしてこの殺生丸に。託したはずだ」
ハッとして目を開く。
きっとそれは奈落のことであり、これからのことであり……。
――呪い……――
何より殺生丸さまとの未来。
「はい」
私も殺生丸様の手を強く握る。
きっとこの先神楽のことは苦い思い出と共に残る。けれど、その度に幸せになろうと、強く思って生きていける。
「早く病を治せ」
殺生丸さまの心地の良い声が聞こえる。
「……はい」
その声に私は苦しさを残しながらも、笑顔で答えた。
あの後、殺生丸さまと一緒に洞窟に帰ってきた。
横たわっていてもやっぱり……神楽のことが引っかかる。
「……」
「……」
洞窟の中で私も殺生丸様もお互い何も言わない。こういう時にやけにうるさい邪見は私の食べ物探しに出て行ってしまって、私と殺生丸様の二人きり。
「……」
私は横目で殺生丸さまを盗み見る。
殺生丸さまに今までの私のことを言わなくちゃいけない。けれど上手く言葉に出来る自信がない。
ジッと殺生丸様を見ていると、殺生丸様の顔がこちらに向き目と目が合う。
「っ!」
思わず目を逸らす。
本当ならドキドキとしてしまうところが、今はバツが悪くて目が合わせられない。
きちんと殺生丸さまに言わなくちゃ……。言わなくちゃ……。
「鈴」
「はい」
殺生丸様に声をかけられ、弱く返事を返す。
「……何かあるのか」
「……」
唇を噛む。
言わなきゃ……。
私が横になりながらかすかに頷くと、殺生丸さまはおもむろに立ち上がり私のすぐ側に腰を下ろした。そして私の手に手を重ね合わせる。
「っ! あの」
「……ゆっくりでよい」
「殺生丸さま……」
スーハーと一度深呼吸する。
私は顔を上げてきちんと殺生丸さまに向かい合う。
「私……。私、嫉妬してたんです」
ゆっくり、けれど強く一言一言を伝える。
「神楽に嫉妬していました」
「……」
殺生丸さまは手を重ねたまま、黙って耳を傾けている。
私は軽く目をつむって、また開ける。
「殺生丸様が神楽を庇ったり、助けたりするのを見て、嫉妬してしまったんです」
「……」
殺生丸さまは微かに眉をしかめる。
やっぱり、殺生丸様。よく分かってないんだな。
「けれど別に神楽を助けないでってことではなくて……」
言葉に行き詰まる。
――好きだから――
その一言がどうしても言えない。
好きだから殺生丸様のことを独占したい、好きだから他の女の人を見ないでほしい。
けれど、その言葉は出ない。いや、今は出しちゃいけない。中途半端だから……。
まだ自分の気持ちに踏ん切りがつけないでいる。こんな状態で気持ちを伝えても神楽に失礼だ。
「あの……。ただ私だけに優しくしてもらいたかった……」
「……」
「って、子供みたいなんですけど」
殺生丸さまはただ「そうか」とだけ呟く。そして重なっていた手を離した。
……醜い、と思ったかな。嫉妬して殺生丸さまを独り占めしたいと思った私なんて。
「あの、殺生様」
もう一度手に触れてほしくて。
私は殺生丸様に手を伸ばす。
「……」
「……」
けれど殺生丸様は私の手を見ているだけだ。
もしかして……。嫌われた?
もう殺生丸様に触れてもらえないどころか、話も顔も合わせてくれなくなる?
そんなのはっ。
「殺生丸さまっ!」
思わず涙声になってしまう。
「拒まないでっ。置いてかないでっ。一緒に……側にいさせて……下さい」
私は横たわりながら必死に殺生丸さまに手を伸ばす。殺生丸さまは黙って私の手を取った。今度は両手で包み込んでくれる。
「……最初の頃に二度は言わんといったはずだ」
「!」
つまりそれは……。
「私の居場所はここ……」
「……鈴」
殺生丸さまは名前を呼んで、手に力を込めた。
「はい」
「神楽は笑っていた。それは鈴がいたからだ」
「私が……」
掠れ声で殺生丸様の問いかけに、声を出す。
どうして神楽が私がいたからって……。
「鈴に、そしてこの殺生丸に。託したはずだ」
ハッとして目を開く。
きっとそれは奈落のことであり、これからのことであり……。
――呪い……――
何より殺生丸さまとの未来。
「はい」
私も殺生丸様の手を強く握る。
きっとこの先神楽のことは苦い思い出と共に残る。けれど、その度に幸せになろうと、強く思って生きていける。
「早く病を治せ」
殺生丸さまの心地の良い声が聞こえる。
「……はい」
その声に私は苦しさを残しながらも、笑顔で答えた。