主人と僕の旅路 2
夢小説設定
「あの白霊山の麓の村に…私の家があるんだ」と男はポツリポツリと話始める。
「そこには身寄りのない子供たちがたくさんいる」
「へえ……。あの、さっきも言ってたけど村で……医者をしているんですか?」
男の人は私の質問に答えず、前を向いたまま「私の村だ……」とひとり言のように呟く。
――やっぱり、この男の人、なんか変――
私は男の人の後ろを歩きながら、琥珀くんに似た既視感を覚える。
やがて私は男の人と共に、家に立ち寄る。家の外では、二人の子供がご飯を炊いているみたい……。
「おまえたち……」
「睡骨さま……」
この男の人、睡骨って名前なんだ。それに、子供たちから尊敬されているみたい……。
やっぱり悪い人ではないのかな……。
物陰から子供が二人姿を現す。
「すまなかったな。留守にしてて……」
「本当に……睡骨さま?」
「……どうしたんだ?」
睡骨さん、尊敬されているみたいだけど怖がられてもいる?? 睡骨さんと村の人との間に何かあったのかな。
やがて村の男の人たちが帰って来る。
睡骨さんは「どうした村の衆」と声をかける。
――やっぱり何かおかしい……――
何で琥珀くんと似てるの……。
「睡骨さま……。頼む……。村から出てってくれ」
村長と思われる人が睡骨さんと向き合って話す。
「七人隊がこの村を襲ったのは、あんたのせいだろう?」
そういえば、琥珀くん……。黒い気配がして……。
「それにあん時のあんたの顔……」
あの黒い気配は……。
「まるで……鬼みてえに」
「っ!!!!!」
「ふっ……」
睡骨さんは薄く笑うとザンとかぎ爪で村長の首を切り裂いた。ドシャと村長は血を流しながら倒れこむ。
「とんだ恩知らずどもじゃねぇか……。さんざんお医者の睡骨さまの世話んなっといてよ……」
村人たちは「ひぃーっ」と悲鳴をあげながら、逃げようとする。だが、睡骨のかぎ爪で切り裂かれてしまう。
やっぱり……吊り橋で襲ってきたのと同じ人!? それにこの人、何故かは分からないけど四魂のかけらを持ってる!!!
でも、殺生丸さまと戦った人とまた違った気配もして。
と、とにかく今はそんなこと考えている場合じゃない。逃げないとっ!
私は相手に背を向け走り出そうとするが……。ぐっと髪の毛を掴まれる。
「きゃ!!」
「よお」と声をかけてきた人物は、殺生丸さまと戦ってた人。
「や、やめてっ!!!」
私は必死に相手の手を掴み、抵抗するものの……
「逃げられると思ってんのか」
ガッとお腹に蹴りを入れられ、膝からくずれおちる。だが、髪の毛は掴まれたまま離してもらえそうにない。
私は髪の毛を掴まれ、無理やり歩かされる。
やがて睡骨のもとへ合流させられる。
「蛇骨……いたのか」
「今までその善人ヅラの時は、虫も殺せなかったくせによ。おまえどっちの睡骨なんだ?」
蛇骨に尋ねられた瞬間。四魂のかけらの黒い気配が強まる。
「さあな。でも今までよりずっと気分がいい。前はいつも頭の半分がボーッとしてて、いつ自分じゃなくなるか不安だったけど。今は違う。おれはおれだ」
「結界に近づいても、善人に戻らねぇってことか」
――善人???――
そういえば、殺生丸さま死人って言ってたっけ……。
私は何とか頭を働かす。
「白霊山の麓のここまで来ても、医者の野郎が出てこねえ。大丈夫だ」
その時、村の子供たちが「睡骨さま……」と声を上げる。
「っ!!! 逃げて!!!」
私は声を張り上げるが、睡骨はかぎ爪を子供に向け向かっていく。
「てめえらもあの世にいきな!」
「やめてっ!!!」
―殺生丸視点―
ゴッと凄い勢いで殺生丸は空を飛び、白霊山の麓を目指していた。
臭う……。亡霊どもと……――鈴の臭い――。
――白霊山の麓に……いる!――
――鈴が生きている……――
「せ、殺生丸さま……。気のせいでしょうか、なんか……。以前より結界がきつくなっているような……」
邪見は殺生丸に掴まりながら声を出すが……。
「……」
殺生丸は顔色一つ変えずに先を急いだ。
―主人公視点―
ザワ……と風が吹く。
睡骨はあと一歩のところで子供たちを殺さず、踏みとどまっていた。
「おい、やんねーのかよ」と蛇骨。
「う……うるせえ」
その時、ブブ……と最猛勝が蛇骨に近づいてくる。
なに……?
「おい、殺生丸が来る!」
「ほんと!?」
蛇骨の言葉に思わず反応してしまう。
もしかして、もしかしてだけど……。
――私を助けに?――
それはそれで、嬉しいけど、でも……。白霊山は結界で妖怪から護られている……。ということは……。
神楽に攫われた時みたいに、私を囮にしようとしている……。
―殺生丸視点―
既に日は沈み、空には大きな三日月が浮かんでいる。先を歩く殺生丸の後を、邪見は息を乱しながら着いていく。
「お、お待ちください、殺生丸さま。これは罠でございます。やつら、鈴を囮に使って、殺生丸さまを結界に誘いこもうと……」
――鈴……――
「……」
亡霊どもと鈴の臭いが移動している……。
やはり、白霊山の結界……か。
殺生丸は再び空を飛ぶ。
「これ以上進んだら……。殺生丸さま~」
邪見は結界に耐えられず、ペタと地面に横になってしまった。
―主人公視点―
今度は睡骨に髪を掴まれながら、ザッと山を歩かせられる。
「来ねえな、殺生丸の野郎。さすがにここまではきついか」
蛇骨は後ろを振り返りつつ話す。だが、睡骨が歩みを止めた。
「……そうでもないらしいぜ」
――え……?――
身に覚えのある妖気……。それに目の前に見えるこのシルエットと姿は……。
ザッ……。
「殺生丸さまっ!!!」
殺生丸さまが目の前に立っていた。
本当に……助けにきてくれた……?
殺生丸さまは闘鬼神を構え、蛇骨に向かっていく。
蛇骨も刀を振るうが、殺生丸さまに防がれる。と見えたが……。ピシっと刀を持つ右手から血が流れる。
「殺生丸さま……」
私は抵抗するものの、睡骨から逃れられない。
――殺生丸さま……――
「そこには身寄りのない子供たちがたくさんいる」
「へえ……。あの、さっきも言ってたけど村で……医者をしているんですか?」
男の人は私の質問に答えず、前を向いたまま「私の村だ……」とひとり言のように呟く。
――やっぱり、この男の人、なんか変――
私は男の人の後ろを歩きながら、琥珀くんに似た既視感を覚える。
やがて私は男の人と共に、家に立ち寄る。家の外では、二人の子供がご飯を炊いているみたい……。
「おまえたち……」
「睡骨さま……」
この男の人、睡骨って名前なんだ。それに、子供たちから尊敬されているみたい……。
やっぱり悪い人ではないのかな……。
物陰から子供が二人姿を現す。
「すまなかったな。留守にしてて……」
「本当に……睡骨さま?」
「……どうしたんだ?」
睡骨さん、尊敬されているみたいだけど怖がられてもいる?? 睡骨さんと村の人との間に何かあったのかな。
やがて村の男の人たちが帰って来る。
睡骨さんは「どうした村の衆」と声をかける。
――やっぱり何かおかしい……――
何で琥珀くんと似てるの……。
「睡骨さま……。頼む……。村から出てってくれ」
村長と思われる人が睡骨さんと向き合って話す。
「七人隊がこの村を襲ったのは、あんたのせいだろう?」
そういえば、琥珀くん……。黒い気配がして……。
「それにあん時のあんたの顔……」
あの黒い気配は……。
「まるで……鬼みてえに」
「っ!!!!!」
「ふっ……」
睡骨さんは薄く笑うとザンとかぎ爪で村長の首を切り裂いた。ドシャと村長は血を流しながら倒れこむ。
「とんだ恩知らずどもじゃねぇか……。さんざんお医者の睡骨さまの世話んなっといてよ……」
村人たちは「ひぃーっ」と悲鳴をあげながら、逃げようとする。だが、睡骨のかぎ爪で切り裂かれてしまう。
やっぱり……吊り橋で襲ってきたのと同じ人!? それにこの人、何故かは分からないけど四魂のかけらを持ってる!!!
でも、殺生丸さまと戦った人とまた違った気配もして。
と、とにかく今はそんなこと考えている場合じゃない。逃げないとっ!
私は相手に背を向け走り出そうとするが……。ぐっと髪の毛を掴まれる。
「きゃ!!」
「よお」と声をかけてきた人物は、殺生丸さまと戦ってた人。
「や、やめてっ!!!」
私は必死に相手の手を掴み、抵抗するものの……
「逃げられると思ってんのか」
ガッとお腹に蹴りを入れられ、膝からくずれおちる。だが、髪の毛は掴まれたまま離してもらえそうにない。
私は髪の毛を掴まれ、無理やり歩かされる。
やがて睡骨のもとへ合流させられる。
「蛇骨……いたのか」
「今までその善人ヅラの時は、虫も殺せなかったくせによ。おまえどっちの睡骨なんだ?」
蛇骨に尋ねられた瞬間。四魂のかけらの黒い気配が強まる。
「さあな。でも今までよりずっと気分がいい。前はいつも頭の半分がボーッとしてて、いつ自分じゃなくなるか不安だったけど。今は違う。おれはおれだ」
「結界に近づいても、善人に戻らねぇってことか」
――善人???――
そういえば、殺生丸さま死人って言ってたっけ……。
私は何とか頭を働かす。
「白霊山の麓のここまで来ても、医者の野郎が出てこねえ。大丈夫だ」
その時、村の子供たちが「睡骨さま……」と声を上げる。
「っ!!! 逃げて!!!」
私は声を張り上げるが、睡骨はかぎ爪を子供に向け向かっていく。
「てめえらもあの世にいきな!」
「やめてっ!!!」
―殺生丸視点―
ゴッと凄い勢いで殺生丸は空を飛び、白霊山の麓を目指していた。
臭う……。亡霊どもと……――鈴の臭い――。
――白霊山の麓に……いる!――
――鈴が生きている……――
「せ、殺生丸さま……。気のせいでしょうか、なんか……。以前より結界がきつくなっているような……」
邪見は殺生丸に掴まりながら声を出すが……。
「……」
殺生丸は顔色一つ変えずに先を急いだ。
―主人公視点―
ザワ……と風が吹く。
睡骨はあと一歩のところで子供たちを殺さず、踏みとどまっていた。
「おい、やんねーのかよ」と蛇骨。
「う……うるせえ」
その時、ブブ……と最猛勝が蛇骨に近づいてくる。
なに……?
「おい、殺生丸が来る!」
「ほんと!?」
蛇骨の言葉に思わず反応してしまう。
もしかして、もしかしてだけど……。
――私を助けに?――
それはそれで、嬉しいけど、でも……。白霊山は結界で妖怪から護られている……。ということは……。
神楽に攫われた時みたいに、私を囮にしようとしている……。
―殺生丸視点―
既に日は沈み、空には大きな三日月が浮かんでいる。先を歩く殺生丸の後を、邪見は息を乱しながら着いていく。
「お、お待ちください、殺生丸さま。これは罠でございます。やつら、鈴を囮に使って、殺生丸さまを結界に誘いこもうと……」
――鈴……――
「……」
亡霊どもと鈴の臭いが移動している……。
やはり、白霊山の結界……か。
殺生丸は再び空を飛ぶ。
「これ以上進んだら……。殺生丸さま~」
邪見は結界に耐えられず、ペタと地面に横になってしまった。
―主人公視点―
今度は睡骨に髪を掴まれながら、ザッと山を歩かせられる。
「来ねえな、殺生丸の野郎。さすがにここまではきついか」
蛇骨は後ろを振り返りつつ話す。だが、睡骨が歩みを止めた。
「……そうでもないらしいぜ」
――え……?――
身に覚えのある妖気……。それに目の前に見えるこのシルエットと姿は……。
ザッ……。
「殺生丸さまっ!!!」
殺生丸さまが目の前に立っていた。
本当に……助けにきてくれた……?
殺生丸さまは闘鬼神を構え、蛇骨に向かっていく。
蛇骨も刀を振るうが、殺生丸さまに防がれる。と見えたが……。ピシっと刀を持つ右手から血が流れる。
「殺生丸さま……」
私は抵抗するものの、睡骨から逃れられない。
――殺生丸さま……――