主人と僕の旅路 2
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ザワっと妖怪がこちらへ向かってくる。
な、なんで?この場所に妖怪は立ち入れられないはずなのに。いや。今はそんなこと考えている暇じゃない! 琥珀くんと一緒にこの場を何とか切り抜けないと!
「こ……琥珀くん……」
私が琥珀くんの腕の裾をぎゅっと掴むと、琥珀くんは私を背にかばいながらこちらをふりむいた。
「早く戻ってください、鈴さん。見つかったら八つ裂きにされます」
「で、でも、琥珀くんは!?」
「やつらはおれのことは襲いません。早く行ってください」
そんなこと言ったって。琥珀くんを一人にしておけないし。でも、私が琥珀くんと一緒にいることが知れたら妖怪たちが琥珀くんを襲うだろうし。
「……」
「鈴さん、早く!」
琥珀くんが焦る。
「う、うん……」
結局、琥珀くんの身を思って私は逃げることにした。
でも、でも……。
「琥珀くん!! 私、琥珀くんのこと、いつか必ず助けるから」
―殺生丸視点―
「お、お許しください、殺生丸さま」と邪見が叫ぶ。
「鈴のやつ止める間もなく……」
サワ……と風が吹く。
鈴が…結界の中に…? だが、この臭い…。
ザッと足を踏み出すと「い、いけません、殺生丸さまっ」と邪見が鬱陶しく足にしがみつく。
「聖域に踏みこんだら、たとえ殺生丸さまでも浄化されてしまいます」
「うるさい……うしろを見ろ」
―主人公視点―
琥珀くんをおいて逃げてしまった。
琥珀くん、大丈夫かな。このことやっぱり……。
私は殺生丸さまの気配をたどって歩く。
「鈴!」
この声は邪見!!!!!
「殺生丸さまっ」
殺生丸さまと邪見を見た瞬間、ほっと安心する。やっぱり私の大切な人たちなんだという実感。
私は小走りで殺生丸さまの元へ。
「あ、あの。殺生丸さま」
「……怪我は」
「へ?」
「怪我はないのか」
殺生丸さまがジッと私を見る。
突然怪我はないか……なんて聞くなんて。やっぱり中に琥珀くんがいたこと、気づいている……。
「あ、あの、中に琥珀くんがいて。私のこと逃がしてくれたんです」
「……怪我はないか」
「へ?」
怪我のことを二回も聞かれて、狼狽えてしまう。
「……? あの、怪我は特にしてないです」
「……。勝手に一人になるな」
……? もしかして殺生丸さま……。
「心配してくれた?」
「当たり前だろうが!!!」と邪見が返す。
それを聞いた殺生丸さまがいつものごとく邪見を足で踏み、ぺちゃんこにしてしまう。
そうか……。家族が早くに死んであまり心配された記憶がないから……。
「あの、ありがとうございます! 殺生丸さま」
私は言葉を続ける。
「洞窟の中に妖怪がたくさんいたけど、琥珀くんが逃がしてくれたし。本当に怪我してません」
「なに……? 妖怪……」
「え?」
あ、そういえば……。
「た、確かに妖怪がいました! 聖域の中なのに!」
サワ……とかすかに風が吹く。
「……妖怪が聖域の中に……か」と殺生丸さまが呟く。
こんな事例、陰陽師の間でも聞いたことがない。聖域の中に妖怪が入り込むなんて。聞いたことがあるのは……――。
「あーーーーーーーーーっ!!!!!!」
「な、なんじゃ」
私の突然の叫びに邪見が驚く。
「き、聞いたことがあるの。妖怪を入れたあとに聖域をつくったって話を」
「なに…?」
殺生丸さまが反応を示す。そして聖域をゆっくりと見上げた。
な、なんで?この場所に妖怪は立ち入れられないはずなのに。いや。今はそんなこと考えている暇じゃない! 琥珀くんと一緒にこの場を何とか切り抜けないと!
「こ……琥珀くん……」
私が琥珀くんの腕の裾をぎゅっと掴むと、琥珀くんは私を背にかばいながらこちらをふりむいた。
「早く戻ってください、鈴さん。見つかったら八つ裂きにされます」
「で、でも、琥珀くんは!?」
「やつらはおれのことは襲いません。早く行ってください」
そんなこと言ったって。琥珀くんを一人にしておけないし。でも、私が琥珀くんと一緒にいることが知れたら妖怪たちが琥珀くんを襲うだろうし。
「……」
「鈴さん、早く!」
琥珀くんが焦る。
「う、うん……」
結局、琥珀くんの身を思って私は逃げることにした。
でも、でも……。
「琥珀くん!! 私、琥珀くんのこと、いつか必ず助けるから」
―殺生丸視点―
「お、お許しください、殺生丸さま」と邪見が叫ぶ。
「鈴のやつ止める間もなく……」
サワ……と風が吹く。
鈴が…結界の中に…? だが、この臭い…。
ザッと足を踏み出すと「い、いけません、殺生丸さまっ」と邪見が鬱陶しく足にしがみつく。
「聖域に踏みこんだら、たとえ殺生丸さまでも浄化されてしまいます」
「うるさい……うしろを見ろ」
―主人公視点―
琥珀くんをおいて逃げてしまった。
琥珀くん、大丈夫かな。このことやっぱり……。
私は殺生丸さまの気配をたどって歩く。
「鈴!」
この声は邪見!!!!!
「殺生丸さまっ」
殺生丸さまと邪見を見た瞬間、ほっと安心する。やっぱり私の大切な人たちなんだという実感。
私は小走りで殺生丸さまの元へ。
「あ、あの。殺生丸さま」
「……怪我は」
「へ?」
「怪我はないのか」
殺生丸さまがジッと私を見る。
突然怪我はないか……なんて聞くなんて。やっぱり中に琥珀くんがいたこと、気づいている……。
「あ、あの、中に琥珀くんがいて。私のこと逃がしてくれたんです」
「……怪我はないか」
「へ?」
怪我のことを二回も聞かれて、狼狽えてしまう。
「……? あの、怪我は特にしてないです」
「……。勝手に一人になるな」
……? もしかして殺生丸さま……。
「心配してくれた?」
「当たり前だろうが!!!」と邪見が返す。
それを聞いた殺生丸さまがいつものごとく邪見を足で踏み、ぺちゃんこにしてしまう。
そうか……。家族が早くに死んであまり心配された記憶がないから……。
「あの、ありがとうございます! 殺生丸さま」
私は言葉を続ける。
「洞窟の中に妖怪がたくさんいたけど、琥珀くんが逃がしてくれたし。本当に怪我してません」
「なに……? 妖怪……」
「え?」
あ、そういえば……。
「た、確かに妖怪がいました! 聖域の中なのに!」
サワ……とかすかに風が吹く。
「……妖怪が聖域の中に……か」と殺生丸さまが呟く。
こんな事例、陰陽師の間でも聞いたことがない。聖域の中に妖怪が入り込むなんて。聞いたことがあるのは……――。
「あーーーーーーーーーっ!!!!!!」
「な、なんじゃ」
私の突然の叫びに邪見が驚く。
「き、聞いたことがあるの。妖怪を入れたあとに聖域をつくったって話を」
「なに…?」
殺生丸さまが反応を示す。そして聖域をゆっくりと見上げた。