主人と僕の旅路 2
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あ、この妖気……。
感じなれた妖気が近づいてきて、私はホッと安心する。
「殺生丸さま!」
「殺生丸さま、お戻りで!」
特に何の怪我もなく、殺生丸さまが戻ってきてくれたことがとてもうれしい。と同時に、さっきの琥珀くんのことを話すべきか悩んでしまう。
私が下を向いているからか、殺生丸さまはいつもとは違って歩きださない。
まるで、私の言葉を待っているかのように…………。
「あ、あの殺生丸さま」と私は深呼吸してから話始める。
「殺生丸さまがいない間に琥珀くんを見たんです」
「何!? 何故早く言わんのか!?」と邪見。
「だって、邪見に話したらややこしくなるもん」
「何じゃと!!!」
人頭杖を振り回して怒る邪見を無視して、私は殺生丸さまに話す。
「一瞬のことでよく見えなかったんですけど、最猛勝から何かを受け取っていました」
「……あの死人の四魂のかけら……か」
「あの、それで……。琥珀くんのこと。次に会ったら殺しちゃうの……?」
――殺生丸視点――
鈴の不安気な顔を見る。
「次に会ったら殺しちゃうの?」
この殺生丸の邪魔になるものは殺すと言うつもりだった……。だが……。
――主人公視点――
「いや」と殺生丸さまの声が聞こえた。
「え?」
「殺しはしない」
「ほ、本当に?」
よ、よかった。やっぱり殺生丸さまに聞いて正解だった!
「ありがとうございます、殺生丸さま!!」
殺生丸さまはチラリとこちらを見た後、歩き出す。
「殺生丸さま、どちらへ?」とトコトコと殺生丸さまの後ろをついていく邪見が問いかける。
「……丑寅の方角。そこに奈落がいる」
丑寅の方角かー。ずいぶんアバウトな。
「おそらくは……白霊山」
「白霊山!!!!」
聞き覚えのある名前におもわず声を大にしてしまう。
「何じゃ? 鈴、知っているのか?」と邪見。
「知っているも何も、有名だよ」
――陰陽師の間では……だけど――
「……先の世というやつでは、か」
殺生丸さまは私をジッと見る。
「なんでも、何年も前に白心小人っていうお坊さんが開いた寺が白霊山の麓にあるって。白心小人がそこに結界を張って、結界の中に踏み込むと妖怪は滅される……」
「そ、そんな結界、こ、この邪見さまに効くわけが……。な、な、ない」
いやいや、そんな震えた声で言われても。
「あ、あの殺生丸さま」
私は再び歩き始めた殺生丸さまに声をかける。
「白霊山に本当に行くんですか? 私、私……。殺生丸に何かあったらどうしようって」
殺生丸さまは一瞬こちらを見るものの、歩みを止めない。
「この殺生丸が殺られるとでも」
「……」
そうじゃないと言いたい。でも……。
「不安なんです。大事な人が傷ついたらどうしようって。いなくなってしまったら……」
安倍家は寿命が短いから。皆、いなくなってしまった……。だから……。
「……妖怪は人間より丈夫な生き物だ」
殺生丸さまが歩みを止めてこちらを振り返る。
「殺生丸さま?」
「……信じろ」
私の前には夕日と殺生丸さま。
「はい」
その姿が強く美しく、私は自信をもって答えた。
感じなれた妖気が近づいてきて、私はホッと安心する。
「殺生丸さま!」
「殺生丸さま、お戻りで!」
特に何の怪我もなく、殺生丸さまが戻ってきてくれたことがとてもうれしい。と同時に、さっきの琥珀くんのことを話すべきか悩んでしまう。
私が下を向いているからか、殺生丸さまはいつもとは違って歩きださない。
まるで、私の言葉を待っているかのように…………。
「あ、あの殺生丸さま」と私は深呼吸してから話始める。
「殺生丸さまがいない間に琥珀くんを見たんです」
「何!? 何故早く言わんのか!?」と邪見。
「だって、邪見に話したらややこしくなるもん」
「何じゃと!!!」
人頭杖を振り回して怒る邪見を無視して、私は殺生丸さまに話す。
「一瞬のことでよく見えなかったんですけど、最猛勝から何かを受け取っていました」
「……あの死人の四魂のかけら……か」
「あの、それで……。琥珀くんのこと。次に会ったら殺しちゃうの……?」
――殺生丸視点――
鈴の不安気な顔を見る。
「次に会ったら殺しちゃうの?」
この殺生丸の邪魔になるものは殺すと言うつもりだった……。だが……。
――主人公視点――
「いや」と殺生丸さまの声が聞こえた。
「え?」
「殺しはしない」
「ほ、本当に?」
よ、よかった。やっぱり殺生丸さまに聞いて正解だった!
「ありがとうございます、殺生丸さま!!」
殺生丸さまはチラリとこちらを見た後、歩き出す。
「殺生丸さま、どちらへ?」とトコトコと殺生丸さまの後ろをついていく邪見が問いかける。
「……丑寅の方角。そこに奈落がいる」
丑寅の方角かー。ずいぶんアバウトな。
「おそらくは……白霊山」
「白霊山!!!!」
聞き覚えのある名前におもわず声を大にしてしまう。
「何じゃ? 鈴、知っているのか?」と邪見。
「知っているも何も、有名だよ」
――陰陽師の間では……だけど――
「……先の世というやつでは、か」
殺生丸さまは私をジッと見る。
「なんでも、何年も前に白心小人っていうお坊さんが開いた寺が白霊山の麓にあるって。白心小人がそこに結界を張って、結界の中に踏み込むと妖怪は滅される……」
「そ、そんな結界、こ、この邪見さまに効くわけが……。な、な、ない」
いやいや、そんな震えた声で言われても。
「あ、あの殺生丸さま」
私は再び歩き始めた殺生丸さまに声をかける。
「白霊山に本当に行くんですか? 私、私……。殺生丸に何かあったらどうしようって」
殺生丸さまは一瞬こちらを見るものの、歩みを止めない。
「この殺生丸が殺られるとでも」
「……」
そうじゃないと言いたい。でも……。
「不安なんです。大事な人が傷ついたらどうしようって。いなくなってしまったら……」
安倍家は寿命が短いから。皆、いなくなってしまった……。だから……。
「……妖怪は人間より丈夫な生き物だ」
殺生丸さまが歩みを止めてこちらを振り返る。
「殺生丸さま?」
「……信じろ」
私の前には夕日と殺生丸さま。
「はい」
その姿が強く美しく、私は自信をもって答えた。