主人と僕の旅路 2
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私はかごめちゃんと共に、青空が見える井戸の中に入っていく。
そして……戦国時代に戻ってきた。
戦国時代の土を久々に踏んで顔をあげると、目の前に殺生丸さまがいた。
当主様から話を聞いたばかりだから、今殺生丸さまと会っても何を話していいか……。
私は上げた頭を地面へと落とす。
その時「遅いっ!!!」と邪見が騒ぐ。
「鈴、どれだけ殺生丸さまを待たせるつもりじゃ!! 何分も何分も、殺生丸さまはこの井戸の前で待って」
「……うるさい」
ドカっと邪見が殴られる音がする。
そうか……。殺生丸さま、ずっと待っててくれてたんだ。
「……ありがとうございます」
私は先程よりも頭が下がってしまう。
殺生丸さまがずっと待っててくれていたのに……。
私、結局……。結局、何も出来ないまま……。しかも状況は悪化してしまって……。
私は大きく、大きくため息を吐く。
―かごめ視点―
「何かあったのか」
さすがの犬夜叉も鈴ちゃんの様子を変に思ったのか、私に耳打ちをしてくる。
「うーん。それがね、私にも分からないの。多分、家で何かあったんだと思う」
―主人公視点―
サクサクと殺生丸さまが近付いて来る気配がする。
「……」
「……」
殺生丸さまは何も言わず、ただ私の目の前で立っていた。
しばらくして殺生丸さまが私の腕を掴む。
「え!?」
殺生丸さまはそのまま私の手を引いて歩き出す。
え、え!?
混乱する私をよそに、邪見が後ろをくっついていく。
「せ、殺生丸さまどこへ!?」
「……邪見。ここで待っていろ」
「ええ、そうですよね。待って……って待つ!?」
殺生丸さまは邪見を無視して、相変わらず私の手を引いて歩いていく。
井戸からどんどん離れて行って、森の奥へと歩いていく。
本当はどこへ行くのか気になっているけれど、聞ける雰囲気ではなくて。
私はただただ殺生丸さまに手を引かれるまま、うつむいて歩いていた。
奥へ奥へと進んでいく。やがて……。光が見えて私の視界には一面の花畑。
「殺生丸さま?? これって……」
殺生丸さまは地面に片膝を向いて花を摘む。
そして無言で花を私に差し出した。
「????」
首を傾げたまま、花を受け取る。
「あの、殺生丸さま。これ……」
「……前の礼だ」
「前の??」
受け取った花を見る。
……これは……シロツメクサ?
そうか。礼って。
出会って間もない頃に私が殺生丸さまにあげたシロツメクサのネックレス。
「……覚えていてくれていたんですね」
私は優しく、けれどしっかりと花を握る。
「ありがとうございます」
すると殺生丸さまがジッとこちらを見た。
「あの??」
殺生丸さまがこうやって誰かを見つめるなんてことしないから、ちょっとビックリというか。
「……鈴に先程の顔は」
「???」
「……先程の顔は似合わん」
はい???
どういうことだろう……。
「……今の顔の方がよい」
「……」
もしかして殺生丸さま、励ましてくれているのかな。
殺生丸さまは私に背を向ける。
「鈴の世界で何かあったのだろう」
「……はい」
殺生丸さまの問いかけに私は小声で返事をする。
「前に言ったはずだ。鈴の居場所はここだと……」
「……はい」
殺生丸さまが背を向けたまま、一歩足を踏み出す。
ザアア……と風が吹き抜ける。
「それは鈴が陰陽師だと知った今でもそうだ」
「っ!」
「……これから先、何があろうとも」
「……殺生丸さま……」
殺生丸さまは私を振り返らず、そのまま井戸の方へ歩き出す。
これから先、何があろうと殺生丸さまは……。私の味方でいてくれる……。
何だかとっても心が温かくて。
私が陰陽師でも。私が……妖怪を滅びるのを知っていて何も出来なくても?
「殺生丸さま。本当に何があっても……?」
殺生丸さまは立ち止まることなく、歩き続ける。
「鈴……。早く来い」
「!!」
今の一言で全て分かった気がする。
そうか……。本当に何があっても側にいていてくれる。なら私は……。
「はいっ!!」
私は大きく返事をして殺生丸さまの後ろをついていく。
そして……戦国時代に戻ってきた。
戦国時代の土を久々に踏んで顔をあげると、目の前に殺生丸さまがいた。
当主様から話を聞いたばかりだから、今殺生丸さまと会っても何を話していいか……。
私は上げた頭を地面へと落とす。
その時「遅いっ!!!」と邪見が騒ぐ。
「鈴、どれだけ殺生丸さまを待たせるつもりじゃ!! 何分も何分も、殺生丸さまはこの井戸の前で待って」
「……うるさい」
ドカっと邪見が殴られる音がする。
そうか……。殺生丸さま、ずっと待っててくれてたんだ。
「……ありがとうございます」
私は先程よりも頭が下がってしまう。
殺生丸さまがずっと待っててくれていたのに……。
私、結局……。結局、何も出来ないまま……。しかも状況は悪化してしまって……。
私は大きく、大きくため息を吐く。
―かごめ視点―
「何かあったのか」
さすがの犬夜叉も鈴ちゃんの様子を変に思ったのか、私に耳打ちをしてくる。
「うーん。それがね、私にも分からないの。多分、家で何かあったんだと思う」
―主人公視点―
サクサクと殺生丸さまが近付いて来る気配がする。
「……」
「……」
殺生丸さまは何も言わず、ただ私の目の前で立っていた。
しばらくして殺生丸さまが私の腕を掴む。
「え!?」
殺生丸さまはそのまま私の手を引いて歩き出す。
え、え!?
混乱する私をよそに、邪見が後ろをくっついていく。
「せ、殺生丸さまどこへ!?」
「……邪見。ここで待っていろ」
「ええ、そうですよね。待って……って待つ!?」
殺生丸さまは邪見を無視して、相変わらず私の手を引いて歩いていく。
井戸からどんどん離れて行って、森の奥へと歩いていく。
本当はどこへ行くのか気になっているけれど、聞ける雰囲気ではなくて。
私はただただ殺生丸さまに手を引かれるまま、うつむいて歩いていた。
奥へ奥へと進んでいく。やがて……。光が見えて私の視界には一面の花畑。
「殺生丸さま?? これって……」
殺生丸さまは地面に片膝を向いて花を摘む。
そして無言で花を私に差し出した。
「????」
首を傾げたまま、花を受け取る。
「あの、殺生丸さま。これ……」
「……前の礼だ」
「前の??」
受け取った花を見る。
……これは……シロツメクサ?
そうか。礼って。
出会って間もない頃に私が殺生丸さまにあげたシロツメクサのネックレス。
「……覚えていてくれていたんですね」
私は優しく、けれどしっかりと花を握る。
「ありがとうございます」
すると殺生丸さまがジッとこちらを見た。
「あの??」
殺生丸さまがこうやって誰かを見つめるなんてことしないから、ちょっとビックリというか。
「……鈴に先程の顔は」
「???」
「……先程の顔は似合わん」
はい???
どういうことだろう……。
「……今の顔の方がよい」
「……」
もしかして殺生丸さま、励ましてくれているのかな。
殺生丸さまは私に背を向ける。
「鈴の世界で何かあったのだろう」
「……はい」
殺生丸さまの問いかけに私は小声で返事をする。
「前に言ったはずだ。鈴の居場所はここだと……」
「……はい」
殺生丸さまが背を向けたまま、一歩足を踏み出す。
ザアア……と風が吹き抜ける。
「それは鈴が陰陽師だと知った今でもそうだ」
「っ!」
「……これから先、何があろうとも」
「……殺生丸さま……」
殺生丸さまは私を振り返らず、そのまま井戸の方へ歩き出す。
これから先、何があろうと殺生丸さまは……。私の味方でいてくれる……。
何だかとっても心が温かくて。
私が陰陽師でも。私が……妖怪を滅びるのを知っていて何も出来なくても?
「殺生丸さま。本当に何があっても……?」
殺生丸さまは立ち止まることなく、歩き続ける。
「鈴……。早く来い」
「!!」
今の一言で全て分かった気がする。
そうか……。本当に何があっても側にいていてくれる。なら私は……。
「はいっ!!」
私は大きく返事をして殺生丸さまの後ろをついていく。
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