主人と僕の旅路 2
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骨喰いの井戸をかごめちゃんと一緒に落ちていく。そして気が付いた時には暗い倉庫のような場所にいた。
「鈴ちゃん、大丈夫?」とかごめちゃん。
「う、うん」
私にはいきなりの光景で戸惑ってしまうけど、かごめちゃんにはきっと見知った光景何だろうな。
かごめちゃんが井戸から出るので、私も後に続く。かごめちゃんが前に進み、扉を開けるとそこは日暮神社だった。
「鈴ちゃん大丈夫? 家まで送ろうか?」
「え? ううん、大丈夫」
家……芦屋家には私一人で行かないと。これは……。
――陰陽師である私がケリをつけないといけないから――
かごめちゃんは私の雰囲気から何かを察したのか、頷いてくれる。
「もし、戦国時代に行くときはここを訪ねてきてね。しばらくはここ(現代)にいるからさ」
「うん。ありがとう、かごめちゃん。わざわざ一緒に来てくれたりして……」
「私もこっちに用があったからだよ。私にはよく分からないけど……頑張ってね」
私は小さく頷くと家に歩き出した。
私は懐かしい道のりを歩き、芦屋家にたどり着く。
そして……一度大きく深呼吸。
玄関の戸を叩いた。
「当主様っ!! いられますか!? 私です、鈴です!!」
しばらくシン……と静まり返った後、戸がガラガラと開き当主が姿を現した。
「お前……」
「……」
足が震えそうだった。
あの日、殺生丸さまと出会ったあの日。私は当主に殺されかけたのだから。でも。今の私にはやるべきことがあるから。大切な人がいるから……。だから、逃げ出すわけには行かない!!
しばらくすると当主が手招きをする。
私は当主の後に続いて、とある一室へ入っていった。当主は座布団を二枚、向かい合わせに置くと奥の方に座る。
私は軽く一礼してもう一つの方の座布団に座る。
「……」
「……」
当主は私が話すのをじっとこちらを見て待っていた。
「……」
まずは何から話すべきなのか……。私は言葉を絞り出しながら話す。
「簡単に言うと、あの後戦国時代に行ったんです。信じてもらえるかどうかは分からないけど……。そこで出会った妖怪に助けられて私は今、ここに辿り着くことができました」
「……戦国時代か……」
当主は何故かジロジロと私を見た後、ある一点に視線が集中する。
「その刀……今はない九条兼定か。どうやら戦国時代に行ったというのはあり得る話のようだな」
当主が納得してくれたので、ほっと一息つく。
「それで……お前がここに来た理由は何だ? 戦国時代に行ったということを話すためではないんだろう」
「……」
ぐっと両手に拳をこめる。
「戦国時代で妖怪に助けられたように……現代にもいい妖怪がいるんです。だから妖怪を倒さないでほしいんです」
当主の眉がぐっと曲がる。
「お前は……陰陽師が妖怪を全滅させると思っているのか」
「え?」
当主からの思いがけない質問に言葉を返せないでいると、大きなため息が聞こえた。
「陰陽師が倒さなくても妖怪はいずれ滅びる」
え、え……?
私が言葉を失っている中、当主は言葉を続ける。
「妖怪の住む場所を人が失くしてしまったからだ。時代が進むにつれて夜に明かりが灯り、妖怪は住む場所を失くしていった。だから、陰陽師が関わらずとも妖怪は滅びる」
「っ!!!」
それって……今私がここで当主を説得しても妖怪を救うことはできないって……。そういうことなの?
でも、それでも……。
私は……陰陽師は妖怪の敵になってほしくはない。
「私は……いい妖怪は倒してほしくないんです」
当主はぐっと黙ってしまった。私も当主が答えるまでじっと堪えていた。
「……」
「……」
そして当主はスッと息を吸った。
「……お前の気持ちは分かった。少しはお前のことも考えよう」
「そ、それじゃあ」
「全ての妖怪を倒さない、ということは出来ないが……。それでもいいな」
っ!!!!
「当主様……。はいっ、はいっ!!ありがとうございます」
「かごめちゃん」
私は日暮神社にいるかごめちゃんに声を掛ける。
「どうだった?」とかごめちゃん。
「……うん」
全てが全て上手くいったとはいえない。妖怪は……いずれ滅びてしまう。
当主様はなんとか説得できたみたいだけど……、でも……。陰陽師が敵……という定めはこれから変わるのかもしれないけれど。
でも……。
そんな私の心情を察してかごめちゃんが私の肩に手を置く。
「とりあえず、戦国時代に戻ろうか。殺生丸に会えば気持ちも晴れるかも、よ」
「……うん」
「鈴ちゃん、大丈夫?」とかごめちゃん。
「う、うん」
私にはいきなりの光景で戸惑ってしまうけど、かごめちゃんにはきっと見知った光景何だろうな。
かごめちゃんが井戸から出るので、私も後に続く。かごめちゃんが前に進み、扉を開けるとそこは日暮神社だった。
「鈴ちゃん大丈夫? 家まで送ろうか?」
「え? ううん、大丈夫」
家……芦屋家には私一人で行かないと。これは……。
――陰陽師である私がケリをつけないといけないから――
かごめちゃんは私の雰囲気から何かを察したのか、頷いてくれる。
「もし、戦国時代に行くときはここを訪ねてきてね。しばらくはここ(現代)にいるからさ」
「うん。ありがとう、かごめちゃん。わざわざ一緒に来てくれたりして……」
「私もこっちに用があったからだよ。私にはよく分からないけど……頑張ってね」
私は小さく頷くと家に歩き出した。
私は懐かしい道のりを歩き、芦屋家にたどり着く。
そして……一度大きく深呼吸。
玄関の戸を叩いた。
「当主様っ!! いられますか!? 私です、鈴です!!」
しばらくシン……と静まり返った後、戸がガラガラと開き当主が姿を現した。
「お前……」
「……」
足が震えそうだった。
あの日、殺生丸さまと出会ったあの日。私は当主に殺されかけたのだから。でも。今の私にはやるべきことがあるから。大切な人がいるから……。だから、逃げ出すわけには行かない!!
しばらくすると当主が手招きをする。
私は当主の後に続いて、とある一室へ入っていった。当主は座布団を二枚、向かい合わせに置くと奥の方に座る。
私は軽く一礼してもう一つの方の座布団に座る。
「……」
「……」
当主は私が話すのをじっとこちらを見て待っていた。
「……」
まずは何から話すべきなのか……。私は言葉を絞り出しながら話す。
「簡単に言うと、あの後戦国時代に行ったんです。信じてもらえるかどうかは分からないけど……。そこで出会った妖怪に助けられて私は今、ここに辿り着くことができました」
「……戦国時代か……」
当主は何故かジロジロと私を見た後、ある一点に視線が集中する。
「その刀……今はない九条兼定か。どうやら戦国時代に行ったというのはあり得る話のようだな」
当主が納得してくれたので、ほっと一息つく。
「それで……お前がここに来た理由は何だ? 戦国時代に行ったということを話すためではないんだろう」
「……」
ぐっと両手に拳をこめる。
「戦国時代で妖怪に助けられたように……現代にもいい妖怪がいるんです。だから妖怪を倒さないでほしいんです」
当主の眉がぐっと曲がる。
「お前は……陰陽師が妖怪を全滅させると思っているのか」
「え?」
当主からの思いがけない質問に言葉を返せないでいると、大きなため息が聞こえた。
「陰陽師が倒さなくても妖怪はいずれ滅びる」
え、え……?
私が言葉を失っている中、当主は言葉を続ける。
「妖怪の住む場所を人が失くしてしまったからだ。時代が進むにつれて夜に明かりが灯り、妖怪は住む場所を失くしていった。だから、陰陽師が関わらずとも妖怪は滅びる」
「っ!!!」
それって……今私がここで当主を説得しても妖怪を救うことはできないって……。そういうことなの?
でも、それでも……。
私は……陰陽師は妖怪の敵になってほしくはない。
「私は……いい妖怪は倒してほしくないんです」
当主はぐっと黙ってしまった。私も当主が答えるまでじっと堪えていた。
「……」
「……」
そして当主はスッと息を吸った。
「……お前の気持ちは分かった。少しはお前のことも考えよう」
「そ、それじゃあ」
「全ての妖怪を倒さない、ということは出来ないが……。それでもいいな」
っ!!!!
「当主様……。はいっ、はいっ!!ありがとうございます」
「かごめちゃん」
私は日暮神社にいるかごめちゃんに声を掛ける。
「どうだった?」とかごめちゃん。
「……うん」
全てが全て上手くいったとはいえない。妖怪は……いずれ滅びてしまう。
当主様はなんとか説得できたみたいだけど……、でも……。陰陽師が敵……という定めはこれから変わるのかもしれないけれど。
でも……。
そんな私の心情を察してかごめちゃんが私の肩に手を置く。
「とりあえず、戦国時代に戻ろうか。殺生丸に会えば気持ちも晴れるかも、よ」
「……うん」