主人と僕の旅路 2
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私が陰陽師だと分かった後も、殺生丸さまは相変わらず奈落を探して旅をしている。
あれから殺生丸さまは何事もなかったかのように振舞っている。というよりも気にしていない。
邪見もあれこれと文句を言っているが、殺生丸さまがいるからかもしれないけれど特に気にしてはいない。
けれど……。私の心は晴れない。晴れるはずがない……。
だって……陰陽師と妖怪は……――敵同士――
私は妖怪を倒すのでなくて、やっぱり……。やっぱり殺生丸さまみたいないい妖怪と仲良く……共存していきたい。
その為に為すべきことは……。私が出来ることは……。
「鈴」
ふと殺生丸さまに名前を呼ばれる。
「へ? は、はい」
「……気にするな」
それって……陰陽師ってことを私が気にし過ぎているってこと、だよね。
でも、やっぱり……そうはいかない。
私……。私の為すべきことって……。
その時、ふとある言葉が脳裏をよぎる。
--------------
「[da=1#]、何故妖怪を滅さなかった?」
--------------
そうか、当主……。
私がこの世界で出来ることはないかもしれないけれど……。現代だったら。
現代で当主と話をつけることが出来れば……少なくとも未来では陰陽師は妖怪の敵でなくなるかもしれない。
「殺生丸さま、私……。現代に戻ります」
殺生丸さまがゆっくりとこちらを振り向く。そして、何も言わずに先程とは逆方向に歩き出す。
「せせせ……殺生丸さまっ!?」
邪見が騒ぎ出す。
「どどどど、どちらへ!?」
「……犬夜叉だ」
犬夜叉さん??
「犬夜叉と一緒にいるあの女……かごめに会えば鈴のいた世界に戻る術を知っているはずだ」
「……それって」
私を現代に連れてってくれるってこと、だよね。
殺生丸さま犬夜叉さんのこと、嫌いなはずなのに。それなのに私のために……犬夜叉さんに会ってくれるんだ……。
「殺生丸さま、あの……。ありがとうございます」
殺生丸さまはチラリと目だけこちらを振り返ったあと、そのまま歩き出した。
ザワ……と風が吹く。
その瞬間、殺生丸さまが立ち止まる。
殺生丸さまの方に視線を向けると、犬夜叉さんたちが木陰で休憩をとっているところだった。
「てめぇ殺生丸! 何しに来やがった!!!」
犬夜叉さんたちもこちらに気付く。
「犬夜叉……お前には用はない。あるのはかごめだ」
その瞬間、犬夜叉さんがかごめちゃんを庇う様にして殺生丸さまと向き合う。
「あ、あのっ!!!」
このままじゃヤバいと思って声を張り上げる。
「私なんです! 私が現代に戻りたいって言って。それで殺生丸さまがここまで……」
「そうなの!?」と声を張り上げるかごめちゃん。
何故か私をニヤニヤとしながら見ている。
「へー、殺生丸がここまでねー」
「あの、それでね」
私は話題を切り出す。
「現代に戻りたいんだけど。その……かごめちゃんなら知ってるかなと思って」
「それなら骨喰いの井戸に入れば戻れると思うけど……」
骨喰いの井戸? それって日暮神社にあるって前に聞いたやつ?
「それでどうして急に現代に戻りたいなんて? 前は殺生丸と一緒にいたいって言ってたのに」
そう言えば……かごめちゃんと始めて会った時、そんなこと言ったよね。
今思えば結構恥ずかしい……というか。
「ま、まあ。その、殺生丸さまといるために現代に戻りたいというか」
陰陽師って言った方がいいのかな……。
その時、殺生丸さまが前に出る。
「行くぞ」
「え?」
「骨喰いの井戸だ」
つまりは……連れてってくれるってことだよね。
「待って」とかごめちゃん。
「私達も行くわ。ね、犬夜叉?」
「何言ってんだ、かごめ。殺生丸なんかと一緒に」
「ね、犬夜叉?」
かごめちゃんから黒いオーラが流れ、犬夜叉さんはしぶしぶと承諾する。
―骨喰いの井戸付近―
あれから犬夜叉さんと殺生丸さまは一言も喋らず、お互いに目を合わせようともせず重苦しい雰囲気の中骨喰いの井戸に到着。
「それじゃ、犬夜叉。私も鈴ちゃんを送るついでに一回家に帰るわ」
「え? かごめちゃんも一緒に来てくれるの?」
「うん。鈴ちゃんが無事に家に帰れるようにね」
家か……。芦屋家……。でも私の家は芦屋家じゃなくて……。
「それじゃ、行こうか」
かごめちゃんが骨喰いの井戸を覗き込む。
私は……殺生丸さまの方を振り向いた。
「あの、殺生丸さま」
「……」
「お願いがあるんです。身勝手だって分かってます。自分のわがままだって……」
私の家は……。
「それでも殺生丸さま。私、絶対帰って来るので待っていてほしいんです」
家は……。
「私の居場所は殺生丸さまの側だって」
殺生丸さまが一歩一歩こちらに近付く。
「鈴の好きにすればいい」
それって……もしかしなくても待っててくれるってこと、だよね。
「はい! 殺生丸さま、ありがとうございます」
あれから殺生丸さまは何事もなかったかのように振舞っている。というよりも気にしていない。
邪見もあれこれと文句を言っているが、殺生丸さまがいるからかもしれないけれど特に気にしてはいない。
けれど……。私の心は晴れない。晴れるはずがない……。
だって……陰陽師と妖怪は……――敵同士――
私は妖怪を倒すのでなくて、やっぱり……。やっぱり殺生丸さまみたいないい妖怪と仲良く……共存していきたい。
その為に為すべきことは……。私が出来ることは……。
「鈴」
ふと殺生丸さまに名前を呼ばれる。
「へ? は、はい」
「……気にするな」
それって……陰陽師ってことを私が気にし過ぎているってこと、だよね。
でも、やっぱり……そうはいかない。
私……。私の為すべきことって……。
その時、ふとある言葉が脳裏をよぎる。
--------------
「[da=1#]、何故妖怪を滅さなかった?」
--------------
そうか、当主……。
私がこの世界で出来ることはないかもしれないけれど……。現代だったら。
現代で当主と話をつけることが出来れば……少なくとも未来では陰陽師は妖怪の敵でなくなるかもしれない。
「殺生丸さま、私……。現代に戻ります」
殺生丸さまがゆっくりとこちらを振り向く。そして、何も言わずに先程とは逆方向に歩き出す。
「せせせ……殺生丸さまっ!?」
邪見が騒ぎ出す。
「どどどど、どちらへ!?」
「……犬夜叉だ」
犬夜叉さん??
「犬夜叉と一緒にいるあの女……かごめに会えば鈴のいた世界に戻る術を知っているはずだ」
「……それって」
私を現代に連れてってくれるってこと、だよね。
殺生丸さま犬夜叉さんのこと、嫌いなはずなのに。それなのに私のために……犬夜叉さんに会ってくれるんだ……。
「殺生丸さま、あの……。ありがとうございます」
殺生丸さまはチラリと目だけこちらを振り返ったあと、そのまま歩き出した。
ザワ……と風が吹く。
その瞬間、殺生丸さまが立ち止まる。
殺生丸さまの方に視線を向けると、犬夜叉さんたちが木陰で休憩をとっているところだった。
「てめぇ殺生丸! 何しに来やがった!!!」
犬夜叉さんたちもこちらに気付く。
「犬夜叉……お前には用はない。あるのはかごめだ」
その瞬間、犬夜叉さんがかごめちゃんを庇う様にして殺生丸さまと向き合う。
「あ、あのっ!!!」
このままじゃヤバいと思って声を張り上げる。
「私なんです! 私が現代に戻りたいって言って。それで殺生丸さまがここまで……」
「そうなの!?」と声を張り上げるかごめちゃん。
何故か私をニヤニヤとしながら見ている。
「へー、殺生丸がここまでねー」
「あの、それでね」
私は話題を切り出す。
「現代に戻りたいんだけど。その……かごめちゃんなら知ってるかなと思って」
「それなら骨喰いの井戸に入れば戻れると思うけど……」
骨喰いの井戸? それって日暮神社にあるって前に聞いたやつ?
「それでどうして急に現代に戻りたいなんて? 前は殺生丸と一緒にいたいって言ってたのに」
そう言えば……かごめちゃんと始めて会った時、そんなこと言ったよね。
今思えば結構恥ずかしい……というか。
「ま、まあ。その、殺生丸さまといるために現代に戻りたいというか」
陰陽師って言った方がいいのかな……。
その時、殺生丸さまが前に出る。
「行くぞ」
「え?」
「骨喰いの井戸だ」
つまりは……連れてってくれるってことだよね。
「待って」とかごめちゃん。
「私達も行くわ。ね、犬夜叉?」
「何言ってんだ、かごめ。殺生丸なんかと一緒に」
「ね、犬夜叉?」
かごめちゃんから黒いオーラが流れ、犬夜叉さんはしぶしぶと承諾する。
―骨喰いの井戸付近―
あれから犬夜叉さんと殺生丸さまは一言も喋らず、お互いに目を合わせようともせず重苦しい雰囲気の中骨喰いの井戸に到着。
「それじゃ、犬夜叉。私も鈴ちゃんを送るついでに一回家に帰るわ」
「え? かごめちゃんも一緒に来てくれるの?」
「うん。鈴ちゃんが無事に家に帰れるようにね」
家か……。芦屋家……。でも私の家は芦屋家じゃなくて……。
「それじゃ、行こうか」
かごめちゃんが骨喰いの井戸を覗き込む。
私は……殺生丸さまの方を振り向いた。
「あの、殺生丸さま」
「……」
「お願いがあるんです。身勝手だって分かってます。自分のわがままだって……」
私の家は……。
「それでも殺生丸さま。私、絶対帰って来るので待っていてほしいんです」
家は……。
「私の居場所は殺生丸さまの側だって」
殺生丸さまが一歩一歩こちらに近付く。
「鈴の好きにすればいい」
それって……もしかしなくても待っててくれるってこと、だよね。
「はい! 殺生丸さま、ありがとうございます」