主人と僕の旅路 2
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それから殺生丸さまは白霊山がよく見える場所へと来る。
「あのー、殺生丸さま」と邪見。
「奈落のもとに行かなくてもよろしいので?」
その質問をした途端、殺生丸さまの目が邪見を捉える。
多分……今のはしちゃいけない質問だったんだな……。
と思ったのと同時に、邪見は殺生丸さまの足で踏みつけられていた。
そして殺生丸さまの目が次に私を捉える。
……?
しばらくの沈黙。殺生丸さまと私はお互い見つめ合ったままだ。
私……何か失礼なこととかしたっけ……。
もしかして……――陰陽師ってことが……――。
私は何も言えず、そのまま殺生丸さまと見つめ合う。
その状態のまましばらく経った後、白霊山からドンと大きな地響きのような音がした。
「!!!」
白霊山からザァァ……と妖怪があふれ出す。
「殺生丸さま、山が……」
「やっぱり……妖怪を入れた後に聖域を……」
妖怪があふれ出したことで、聖域の結界が消えたのを感じる。
「結界……消えましたね」
私が呟くと殺生丸さまは空を見上げる。
「……奈落の分身……」
「え……?」
私と邪見は殺生丸さまにつられるようにして、同じように上を見上げる。
神楽……?
空を見上げると神楽は何かを抱えながら、凄いスピードで空を飛んでいく。
神楽を認識した後、殺生丸さまは踵を返す。
「……鈴、離れずついてこい」
「え?」
「奈落の元へ行く」
奈落の所へ?
―殺生丸視点―
本来なら連れていくべきではない……。だが……。
「奈落は死人をつかい……鈴を殺そうとしていた」
すると邪見が何かを感じ取ったのか
「ああ!」と納得したようにパチンと手を叩く。
「だから白霊山に近付かなかったんですな」
「え……?」
余計なことを……。
殺生丸は邪見を蹴り飛ばす。
「あの……殺生丸さま」
おそるおそる鈴が話しかけてくる。
「ありがとうございます」
「……」
「私、今度こそ邪魔にならないようについていきます」
張り切っている鈴を横目に殺生丸は奈落のもとへ歩き出した。
―主人公視点―
殺生丸さまの後を極力離れないよう、私は歩いていく。
この方向は……白霊山?
白霊山に近付くにつれ、妖怪の気配を感じる。
これは……奈落の気配。
歩いていくと、誰かがこちらに背を向けて立っている。
「……鈴……」と殺生丸さま。
「離れるな」
この妖気……前に立っているのは……奈落!
「はい」
奈落に近付いていく。奈落は巫女と向き合っている。
あの巫女は……桔梗さん? しかも桔梗さんの右肩には、さきほどまでなかった傷がついている。
もしかして奈落に!?
そう思った瞬間、桔梗さんの後ろの地面が割れ始める。
――っ!!!!――
「桔梗……きさまの墓穴だ」
奈落はシャッと触手を伸ばし、桔梗さんの体を貫いた。桔梗さんは地面の割れた深い谷に落ちていく。
「!!!」
うそ……。桔梗さん……、私を助けてくれた人なのに。死んでしまうような人物には見えなかったのに……。
――……助けなきゃ……――
私は桔梗さんの元へ駆けだす。
だが……、腕をグイッと引っ張られ、それ以上前へ駆けだすことが出来なくなる。
後ろを振り返ると、やはり……。
「殺生丸さま……」
「離れるなといったはず……」
そうだけど……。でも……。
桔梗さんの姿は既に見えなくなってしまっている。
――……間に合わなかった……――
殺生丸さまがザッと一歩踏み出す。
「たかだか女一匹片づけるのに、念の入ったことだな、奈落……」
「殺生丸……か」
奈落はゆっくりとこちらを振り返る。
殺生丸さまは私の腕をさらに引き、背にかばう。
「殺生丸、鈴……きさままで、わしを追ってくるとは意外だったな……。そんなにわしに興味があるか」
「ぬかせっ。きさまのほうから、やたらとちょっかいを出してくるから……」
という邪見の声を、「さがれ邪見」と殺生丸さまは遮る。
殺生丸さまは私を背にかばいながら、一歩奈落に踏み出す。
「結界から出てきたということは、少しはマシな力をつけてきたということか……」
ザワ……と不穏な風が吹く。
「試してみるか?」
「ふっ」
殺生丸さまは闘鬼神を奈落へと向ける。その瞬間ババッと奈落の体が粉々に砕け散るが……。
「「!」」
奈落の体は結界に包まれ、全てを破壊することはできなかった。
「殺生丸……きさまの剣の力……。そっくりそのまま返してくれるわ」
奈落の結界からガガガガと闘鬼神の力を返してくる。
「どわっ」
「!!!」
殺生丸さまは私の目の前に立ち、刀で攻撃を防ぐものの、足がわずかに後ろに下がる。
――殺生丸さま……――
ダンと殺生丸さまは地面を強く蹴り上げると、もう一度闘鬼神を奈落へと振りかざす。だが……奈落の体を完全に粉砕することはかなわなかった。
「くくく、無駄だ……」
「わしは死なん……」
奈落はザアア……と瘴気に包まれながら上空へ逃げて行った。
その時、「殺生丸……」と後ろから声がする。
この妖気……。
「犬夜叉さん!?」
「生きていたか、犬夜叉……。どうやら奈落は……。おまえなんぞより、よほどあの女を殺したかったようだな」
あ……。
そこでハッと気付く。
そうだ、犬夜叉さんにとって桔梗さんは……想い人で……。
――大切な人――
「あのー、殺生丸さま」と邪見。
「奈落のもとに行かなくてもよろしいので?」
その質問をした途端、殺生丸さまの目が邪見を捉える。
多分……今のはしちゃいけない質問だったんだな……。
と思ったのと同時に、邪見は殺生丸さまの足で踏みつけられていた。
そして殺生丸さまの目が次に私を捉える。
……?
しばらくの沈黙。殺生丸さまと私はお互い見つめ合ったままだ。
私……何か失礼なこととかしたっけ……。
もしかして……――陰陽師ってことが……――。
私は何も言えず、そのまま殺生丸さまと見つめ合う。
その状態のまましばらく経った後、白霊山からドンと大きな地響きのような音がした。
「!!!」
白霊山からザァァ……と妖怪があふれ出す。
「殺生丸さま、山が……」
「やっぱり……妖怪を入れた後に聖域を……」
妖怪があふれ出したことで、聖域の結界が消えたのを感じる。
「結界……消えましたね」
私が呟くと殺生丸さまは空を見上げる。
「……奈落の分身……」
「え……?」
私と邪見は殺生丸さまにつられるようにして、同じように上を見上げる。
神楽……?
空を見上げると神楽は何かを抱えながら、凄いスピードで空を飛んでいく。
神楽を認識した後、殺生丸さまは踵を返す。
「……鈴、離れずついてこい」
「え?」
「奈落の元へ行く」
奈落の所へ?
―殺生丸視点―
本来なら連れていくべきではない……。だが……。
「奈落は死人をつかい……鈴を殺そうとしていた」
すると邪見が何かを感じ取ったのか
「ああ!」と納得したようにパチンと手を叩く。
「だから白霊山に近付かなかったんですな」
「え……?」
余計なことを……。
殺生丸は邪見を蹴り飛ばす。
「あの……殺生丸さま」
おそるおそる鈴が話しかけてくる。
「ありがとうございます」
「……」
「私、今度こそ邪魔にならないようについていきます」
張り切っている鈴を横目に殺生丸は奈落のもとへ歩き出した。
―主人公視点―
殺生丸さまの後を極力離れないよう、私は歩いていく。
この方向は……白霊山?
白霊山に近付くにつれ、妖怪の気配を感じる。
これは……奈落の気配。
歩いていくと、誰かがこちらに背を向けて立っている。
「……鈴……」と殺生丸さま。
「離れるな」
この妖気……前に立っているのは……奈落!
「はい」
奈落に近付いていく。奈落は巫女と向き合っている。
あの巫女は……桔梗さん? しかも桔梗さんの右肩には、さきほどまでなかった傷がついている。
もしかして奈落に!?
そう思った瞬間、桔梗さんの後ろの地面が割れ始める。
――っ!!!!――
「桔梗……きさまの墓穴だ」
奈落はシャッと触手を伸ばし、桔梗さんの体を貫いた。桔梗さんは地面の割れた深い谷に落ちていく。
「!!!」
うそ……。桔梗さん……、私を助けてくれた人なのに。死んでしまうような人物には見えなかったのに……。
――……助けなきゃ……――
私は桔梗さんの元へ駆けだす。
だが……、腕をグイッと引っ張られ、それ以上前へ駆けだすことが出来なくなる。
後ろを振り返ると、やはり……。
「殺生丸さま……」
「離れるなといったはず……」
そうだけど……。でも……。
桔梗さんの姿は既に見えなくなってしまっている。
――……間に合わなかった……――
殺生丸さまがザッと一歩踏み出す。
「たかだか女一匹片づけるのに、念の入ったことだな、奈落……」
「殺生丸……か」
奈落はゆっくりとこちらを振り返る。
殺生丸さまは私の腕をさらに引き、背にかばう。
「殺生丸、鈴……きさままで、わしを追ってくるとは意外だったな……。そんなにわしに興味があるか」
「ぬかせっ。きさまのほうから、やたらとちょっかいを出してくるから……」
という邪見の声を、「さがれ邪見」と殺生丸さまは遮る。
殺生丸さまは私を背にかばいながら、一歩奈落に踏み出す。
「結界から出てきたということは、少しはマシな力をつけてきたということか……」
ザワ……と不穏な風が吹く。
「試してみるか?」
「ふっ」
殺生丸さまは闘鬼神を奈落へと向ける。その瞬間ババッと奈落の体が粉々に砕け散るが……。
「「!」」
奈落の体は結界に包まれ、全てを破壊することはできなかった。
「殺生丸……きさまの剣の力……。そっくりそのまま返してくれるわ」
奈落の結界からガガガガと闘鬼神の力を返してくる。
「どわっ」
「!!!」
殺生丸さまは私の目の前に立ち、刀で攻撃を防ぐものの、足がわずかに後ろに下がる。
――殺生丸さま……――
ダンと殺生丸さまは地面を強く蹴り上げると、もう一度闘鬼神を奈落へと振りかざす。だが……奈落の体を完全に粉砕することはかなわなかった。
「くくく、無駄だ……」
「わしは死なん……」
奈落はザアア……と瘴気に包まれながら上空へ逃げて行った。
その時、「殺生丸……」と後ろから声がする。
この妖気……。
「犬夜叉さん!?」
「生きていたか、犬夜叉……。どうやら奈落は……。おまえなんぞより、よほどあの女を殺したかったようだな」
あ……。
そこでハッと気付く。
そうだ、犬夜叉さんにとって桔梗さんは……想い人で……。
――大切な人――