主人と僕の旅路 1
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あれから何日経ったのか…。
私は懐にあったクッキーを食べて空腹を凌いでいたけど、それも今日で尽きてしまった。
妖怪にもクッキーをすすめてみたけど、無視された…。
このままじゃ私も妖怪も餓死しかねない。近くに家がないか探しているが、一向に見つからず……。
「はぁ…」
困った…。なんとか水が飲めそうな川は見つかったけど、家が見つからない。
食料がもらえると思ったんだけど…。
私は傷がふさがったばかりの体を引き摺るように歩く。
私は狐の妖怪の血を引いているので、普通の人より治りが早いらしい。一方、長髪の妖怪は徐々に傷が癒えてきているけど体を動かすのは無理みたい。
「あっ!!」
そんなことを考えていたら、前方に家がたくさん見えた。
コンクリートの家ばっかりみてたから、木でつくってある家って新鮮!
そう思いながら、一番大きな家に目をつけてそっちの方に歩いていく。
「すみませーん!!!」
大きな声で叫ぶ。
そうすると着物を着た男の人が出てきた。しかもちょんまげ…。
お侍さん、のコスプレ?
とりあえず気にせず、本題に入る。
「実は今、お腹が空いてて…。何でもいいので何か下さるとありがたい…んですけど。どう、でしょう?」
すると男の人はいきなり扉をバタンと閉めてしまった。
うっわ!!そりゃあ自分でも変なこと言ったと思ったけど。いきなり扉を閉めなくても…。
それからあちこち家を訪ねてみたが、結局何ももらえなかった。
「こうなったら…盗むしかない!!」
私は覚悟を決めて、夜中村にある生け簀の魚を盗むことに決めた!
ものすごく罪悪感はあるけれど。生きるためならば仕方がない。罪悪感はあるけれど。
それに――。今は何故かあの妖怪を助けたいという気持ちでいっぱいだった。
―夜―
私はまず畑を漁った。茸を二、三個懐に入れる。
よし、次は魚!
私は慎重に生け簀に入り、大きな魚を一匹捕まえる。
これなら妖怪と半分にして食べられるよね。
そう考えて、生け簀から出ようとした時だった。
「犯人はおめえか!」
声がする方をみてみると、何人もの男の人が私を取り囲んでる。
私は男の人に腕を引っ張られ、生け簀から出された。
「!」
「ふてえガキだ。生け簀の魚勝手に漁りやがって。今度やったらぶっ殺すぞ」
男の人に唐突にグーで頬を殴られる。
「っ! ちょっと。待って。これには、訳が!」
だが男の人たちは私の言い分を聞くこともなく、次々と手を出してくる。
蹴られ、殴られ…。殴られ、蹴られ…。
やがて私は解放された。
顔にはたんこぶがいくつも出来ており、ピリリと痛みが走る。
とりあえず、茸は取った。魚は…駄目だったけど…。仕方ないから妖怪には…蜥蜴で。
次の日、私は妖怪に鼠と蜥蜴をあげてみた。
意外と捕まえるのに苦労したんだから!と無理やり元気をだし、張り切って差し出してみる。
けれど妖怪は「いらん」と一言言って、そっぽを向いてしまう。
「は~」
思わずため息。
せっかく捕まえたのに…。
「顔をどうした?」
「えっ?」
「顔の傷はどうした?」
顔って…。ああ、殴られたときの。
私が黙っていると「…言いたくなければいい」と言って、またそっぽを向いてしまった。
この妖怪の考えていることはよく分かんないけれど。怪我を心配してくれたってことは優しい妖怪……だと思う。
私は思わず嬉しくなって人知れず微笑む。
心が自然と温かくなる。
もう一回村に行って、なんかもらえるように説得してみよう!
きっと鶏とかなら、妖怪も食べるはず!
私はさっそく村に行ってみる……。――が。
「何、これ…」
周りは血だらけで、村の人たちは倒れていた。
この独特の感じ……。妖怪の気配だ!
その時、一人の人間が物陰から出てくる。
「…っつ!」
慌てて隠れようとするが、人間はこっちを見てしまった。そしてその人間はこちらを冷たく見据えると周りにいる狼を見渡す。
「おめぇら、喰っていいぞ」
「っつ!!!」
狼が一斉に飛びかかってくる!
狼じゃなくて人喰い狼!
それに人間だと思っていたけれど、わずかに妖気がした。あの人間は妖怪。
私はいそいでその場から逃げ出す。
ヤバい!!!!多分、狼は妖怪じゃなくて人を喰う狼。ということは……。
当主様に肩を射抜かれた時を思い出す。
――陰陽術が効かない!!
私は必死に走るが…ふいに木の根本に足が引っ掛かり転んでしまった。
「痛っ!!」
私はすばやく後ろを振り返る。だが狼はすでに私に飛び掛かっていた。
私は懐にあったクッキーを食べて空腹を凌いでいたけど、それも今日で尽きてしまった。
妖怪にもクッキーをすすめてみたけど、無視された…。
このままじゃ私も妖怪も餓死しかねない。近くに家がないか探しているが、一向に見つからず……。
「はぁ…」
困った…。なんとか水が飲めそうな川は見つかったけど、家が見つからない。
食料がもらえると思ったんだけど…。
私は傷がふさがったばかりの体を引き摺るように歩く。
私は狐の妖怪の血を引いているので、普通の人より治りが早いらしい。一方、長髪の妖怪は徐々に傷が癒えてきているけど体を動かすのは無理みたい。
「あっ!!」
そんなことを考えていたら、前方に家がたくさん見えた。
コンクリートの家ばっかりみてたから、木でつくってある家って新鮮!
そう思いながら、一番大きな家に目をつけてそっちの方に歩いていく。
「すみませーん!!!」
大きな声で叫ぶ。
そうすると着物を着た男の人が出てきた。しかもちょんまげ…。
お侍さん、のコスプレ?
とりあえず気にせず、本題に入る。
「実は今、お腹が空いてて…。何でもいいので何か下さるとありがたい…んですけど。どう、でしょう?」
すると男の人はいきなり扉をバタンと閉めてしまった。
うっわ!!そりゃあ自分でも変なこと言ったと思ったけど。いきなり扉を閉めなくても…。
それからあちこち家を訪ねてみたが、結局何ももらえなかった。
「こうなったら…盗むしかない!!」
私は覚悟を決めて、夜中村にある生け簀の魚を盗むことに決めた!
ものすごく罪悪感はあるけれど。生きるためならば仕方がない。罪悪感はあるけれど。
それに――。今は何故かあの妖怪を助けたいという気持ちでいっぱいだった。
―夜―
私はまず畑を漁った。茸を二、三個懐に入れる。
よし、次は魚!
私は慎重に生け簀に入り、大きな魚を一匹捕まえる。
これなら妖怪と半分にして食べられるよね。
そう考えて、生け簀から出ようとした時だった。
「犯人はおめえか!」
声がする方をみてみると、何人もの男の人が私を取り囲んでる。
私は男の人に腕を引っ張られ、生け簀から出された。
「!」
「ふてえガキだ。生け簀の魚勝手に漁りやがって。今度やったらぶっ殺すぞ」
男の人に唐突にグーで頬を殴られる。
「っ! ちょっと。待って。これには、訳が!」
だが男の人たちは私の言い分を聞くこともなく、次々と手を出してくる。
蹴られ、殴られ…。殴られ、蹴られ…。
やがて私は解放された。
顔にはたんこぶがいくつも出来ており、ピリリと痛みが走る。
とりあえず、茸は取った。魚は…駄目だったけど…。仕方ないから妖怪には…蜥蜴で。
次の日、私は妖怪に鼠と蜥蜴をあげてみた。
意外と捕まえるのに苦労したんだから!と無理やり元気をだし、張り切って差し出してみる。
けれど妖怪は「いらん」と一言言って、そっぽを向いてしまう。
「は~」
思わずため息。
せっかく捕まえたのに…。
「顔をどうした?」
「えっ?」
「顔の傷はどうした?」
顔って…。ああ、殴られたときの。
私が黙っていると「…言いたくなければいい」と言って、またそっぽを向いてしまった。
この妖怪の考えていることはよく分かんないけれど。怪我を心配してくれたってことは優しい妖怪……だと思う。
私は思わず嬉しくなって人知れず微笑む。
心が自然と温かくなる。
もう一回村に行って、なんかもらえるように説得してみよう!
きっと鶏とかなら、妖怪も食べるはず!
私はさっそく村に行ってみる……。――が。
「何、これ…」
周りは血だらけで、村の人たちは倒れていた。
この独特の感じ……。妖怪の気配だ!
その時、一人の人間が物陰から出てくる。
「…っつ!」
慌てて隠れようとするが、人間はこっちを見てしまった。そしてその人間はこちらを冷たく見据えると周りにいる狼を見渡す。
「おめぇら、喰っていいぞ」
「っつ!!!」
狼が一斉に飛びかかってくる!
狼じゃなくて人喰い狼!
それに人間だと思っていたけれど、わずかに妖気がした。あの人間は妖怪。
私はいそいでその場から逃げ出す。
ヤバい!!!!多分、狼は妖怪じゃなくて人を喰う狼。ということは……。
当主様に肩を射抜かれた時を思い出す。
――陰陽術が効かない!!
私は必死に走るが…ふいに木の根本に足が引っ掛かり転んでしまった。
「痛っ!!」
私はすばやく後ろを振り返る。だが狼はすでに私に飛び掛かっていた。