主人と僕の旅路 1
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今日も畑を漁っている。
だって、スーパーないし…。食べ物もないし、盗むしかないんだよね。
「邪見、ちゃんと見張っててね」
――自分の食い物は自分でとってこい――
と殺生丸さまに言われたのは、数分前。
殺生丸さまって、極力自分の力でなんとかなることはやらせようとするんだよね…。
まぁ、それが優しさなのだけど。
「邪見も食べるよねー。二、三個持ってこうかな」
「はぁ~」と邪見がため息をついた時だった。
ゴッと強風が吹いて……、現れたのは……。
「か、神楽!!」
「ふん……。不用心だな、殺生丸のやつ。連れから目を放すとは」
「な、何か用!?」と私が尋ねようとした瞬間、神楽が近づいてきたと思うと私の視界は真っ暗になった。
―殺生丸視点―
ザァ……と風が吹く。
風の臭いがかわった……。
「せ、殺生丸さま~っ」と邪見が走ってくる。そして――。
「鈴が……連れ去られました」
――連れ去られた……だと?――
「奈落の分身の神楽という女があらわれて、いきなり……」
「……」
何のため……。
「ご安心ください殺生丸さま」といきなり声をかけてきたのは、やはり奈落だった。
「願いを聞いていただきさえすれば……鈴は無事にお返しいたします」
「奈落……か。今度はなにをたくらんでいる」
「特別なことではございません。ただ犬夜叉を殺してくださればいい」
そんなことのために、鈴をさらった……とでも?
――だいたい――
「そんなことのために、もってまわったことを……」
殺生丸は爪で一気に奈落の首を切り裂いた。
――言われなくても、犬夜叉はいつでも殺せる――
奈落の首が落ちると、ザァ……と首が消え傀儡があらわれた。
「この殺生丸がたかが人間の小娘一匹のために、言いなりになると思っているのか」
「では殺生丸さま、鈴をお見捨てに……?」と汗を流しながら、邪見が聞いてくる。
――奈落……――
――許さん――
殺生丸は臭いのする方へ歩きだした。
「って殺生丸さまっ。どちらへ!?」
―主人公視点―
ヒューと冷たい風が吹いてくるのを感じて、私は目をゆっくりあけた。
辺りを見回すが、私の知らない場所。どうやら家の中のようだ。
「ここ、どこ?」
もう一度辺りを見回すと、部屋の隅に小さい男の子が座っているのがみえる。
「誰?」
「あ、起きましたか」
――あ、そうか。私……――
――神楽に気絶させられて――
こうしてる場合じゃない! 殺生丸さまのところへ……
たたっと外へ繋がると思われる障子をあけようとするが、「ダメです。外に出ちゃ」と男の子が止めに入った。
「殺生丸さまのところへ帰らなくちゃ」
ガラっと思いっきり開けると……
たくさんの妖怪が部屋を監視するように外にいた。
思わずびっくりして、障子を閉める。
こういうときこそ、陰陽術を! と、言いたいところだけど……。もう、使いたくないし……。
仕方ないので、男の子の側にちょこんと座る。
「わかったでしょ。外に出たら八つ裂きにされます」
男の子はそう言って、障子をじっと見ている。
「あの~。もしかして、あなたもさらわれてきたの? だったら一緒に逃げ……」
「おれはあなたの見張りです」と即答される。
思わずため息。
こんな小さいのに見張りとかエライというべきか、駄目というべきか……とか、変なことばかり考える。
そういえば、この子の名前……
「私、鈴って言います。あなたの名前は?」
「……」
「いくつ? なんでこんなことしてんの? 妖怪の仲間なの?」
「よくしゃべりますね」
だって…。
「正直ちょっとこわいもん」
私が滅した妖怪も、屋敷に捕まってた妖怪も……こんな気持ちだったのかな?
都合がいいかもしれないけど、
――殺生丸さま……助けに来てくれるのかな……――
―殺生丸視点―
ここ、か。
「殺生丸さま、いったいどうなさるおつもりで……」
「奈落の城だ……」
「は……?」と邪見が間の抜けた声を出す。
「はて……城など見えませぬが……」
やがてグニャ……と山々の景色がゆがみ、村のような景色が見えてきた。
「……」
「結界が開いた……?」
目の前には一際大きな屋敷が見える。
さしずめ、あれが奈落のいるところか。
「わざと臭いをもらし、城の場所を教え……この殺生丸を招き入れるとはな」
「ただお招きしただけでは、来ていただけそうになかったので……」
屋敷の前に奈落がフッと姿をあらわす。
「もっともお捜しの小娘は、ここにはおりませんがな……。なにしろこの城の瘴気の中では、人間は一瞬たりとも息ができぬ」
クックッと笑ったかと思うと、また話始めた。
「小娘は城の外でお預かりしております。今のところはご安心を……」
「鈴なら平気だ」
「ほぉ?」
「鈴は…強い。きさまが思っているよりな」
「随分と褒めるのですね」
……奈落……。
「それよりきさま、私が、鈴を助けに来たのではないことくらいわかっているだろう」
……何を考えている……。
「はい……。殺生丸さまは人に指図されるのが大嫌いなご様子……。言いなりに犬夜叉を殺すでなく、小娘を捜すでもなく……」
「……」
「まず、この奈落を殺しに来ると……わかっておりました」
――なるほど、な――
「ふっ……。まんまと私をおびき出したと言いたげだな…」
バキッと、殺生丸は指を鳴らす。
「用件はあとでゆっくり聞いてやろう。きさまが生きていたらの話だがな」
だって、スーパーないし…。食べ物もないし、盗むしかないんだよね。
「邪見、ちゃんと見張っててね」
――自分の食い物は自分でとってこい――
と殺生丸さまに言われたのは、数分前。
殺生丸さまって、極力自分の力でなんとかなることはやらせようとするんだよね…。
まぁ、それが優しさなのだけど。
「邪見も食べるよねー。二、三個持ってこうかな」
「はぁ~」と邪見がため息をついた時だった。
ゴッと強風が吹いて……、現れたのは……。
「か、神楽!!」
「ふん……。不用心だな、殺生丸のやつ。連れから目を放すとは」
「な、何か用!?」と私が尋ねようとした瞬間、神楽が近づいてきたと思うと私の視界は真っ暗になった。
―殺生丸視点―
ザァ……と風が吹く。
風の臭いがかわった……。
「せ、殺生丸さま~っ」と邪見が走ってくる。そして――。
「鈴が……連れ去られました」
――連れ去られた……だと?――
「奈落の分身の神楽という女があらわれて、いきなり……」
「……」
何のため……。
「ご安心ください殺生丸さま」といきなり声をかけてきたのは、やはり奈落だった。
「願いを聞いていただきさえすれば……鈴は無事にお返しいたします」
「奈落……か。今度はなにをたくらんでいる」
「特別なことではございません。ただ犬夜叉を殺してくださればいい」
そんなことのために、鈴をさらった……とでも?
――だいたい――
「そんなことのために、もってまわったことを……」
殺生丸は爪で一気に奈落の首を切り裂いた。
――言われなくても、犬夜叉はいつでも殺せる――
奈落の首が落ちると、ザァ……と首が消え傀儡があらわれた。
「この殺生丸がたかが人間の小娘一匹のために、言いなりになると思っているのか」
「では殺生丸さま、鈴をお見捨てに……?」と汗を流しながら、邪見が聞いてくる。
――奈落……――
――許さん――
殺生丸は臭いのする方へ歩きだした。
「って殺生丸さまっ。どちらへ!?」
―主人公視点―
ヒューと冷たい風が吹いてくるのを感じて、私は目をゆっくりあけた。
辺りを見回すが、私の知らない場所。どうやら家の中のようだ。
「ここ、どこ?」
もう一度辺りを見回すと、部屋の隅に小さい男の子が座っているのがみえる。
「誰?」
「あ、起きましたか」
――あ、そうか。私……――
――神楽に気絶させられて――
こうしてる場合じゃない! 殺生丸さまのところへ……
たたっと外へ繋がると思われる障子をあけようとするが、「ダメです。外に出ちゃ」と男の子が止めに入った。
「殺生丸さまのところへ帰らなくちゃ」
ガラっと思いっきり開けると……
たくさんの妖怪が部屋を監視するように外にいた。
思わずびっくりして、障子を閉める。
こういうときこそ、陰陽術を! と、言いたいところだけど……。もう、使いたくないし……。
仕方ないので、男の子の側にちょこんと座る。
「わかったでしょ。外に出たら八つ裂きにされます」
男の子はそう言って、障子をじっと見ている。
「あの~。もしかして、あなたもさらわれてきたの? だったら一緒に逃げ……」
「おれはあなたの見張りです」と即答される。
思わずため息。
こんな小さいのに見張りとかエライというべきか、駄目というべきか……とか、変なことばかり考える。
そういえば、この子の名前……
「私、鈴って言います。あなたの名前は?」
「……」
「いくつ? なんでこんなことしてんの? 妖怪の仲間なの?」
「よくしゃべりますね」
だって…。
「正直ちょっとこわいもん」
私が滅した妖怪も、屋敷に捕まってた妖怪も……こんな気持ちだったのかな?
都合がいいかもしれないけど、
――殺生丸さま……助けに来てくれるのかな……――
―殺生丸視点―
ここ、か。
「殺生丸さま、いったいどうなさるおつもりで……」
「奈落の城だ……」
「は……?」と邪見が間の抜けた声を出す。
「はて……城など見えませぬが……」
やがてグニャ……と山々の景色がゆがみ、村のような景色が見えてきた。
「……」
「結界が開いた……?」
目の前には一際大きな屋敷が見える。
さしずめ、あれが奈落のいるところか。
「わざと臭いをもらし、城の場所を教え……この殺生丸を招き入れるとはな」
「ただお招きしただけでは、来ていただけそうになかったので……」
屋敷の前に奈落がフッと姿をあらわす。
「もっともお捜しの小娘は、ここにはおりませんがな……。なにしろこの城の瘴気の中では、人間は一瞬たりとも息ができぬ」
クックッと笑ったかと思うと、また話始めた。
「小娘は城の外でお預かりしております。今のところはご安心を……」
「鈴なら平気だ」
「ほぉ?」
「鈴は…強い。きさまが思っているよりな」
「随分と褒めるのですね」
……奈落……。
「それよりきさま、私が、鈴を助けに来たのではないことくらいわかっているだろう」
……何を考えている……。
「はい……。殺生丸さまは人に指図されるのが大嫌いなご様子……。言いなりに犬夜叉を殺すでなく、小娘を捜すでもなく……」
「……」
「まず、この奈落を殺しに来ると……わかっておりました」
――なるほど、な――
「ふっ……。まんまと私をおびき出したと言いたげだな…」
バキッと、殺生丸は指を鳴らす。
「用件はあとでゆっくり聞いてやろう。きさまが生きていたらの話だがな」