主人と僕の旅路 1
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―殺生丸視点―
犬夜叉よ……半妖は半妖らしく……
「地を這え!」
殺生丸が闘鬼神を犬夜叉に向けた瞬間、剣圧で犬夜叉の体は切り刻まれふっとばされる。
「もうやめてーっ!」とかごめが、倒れた犬夜叉をかばう。
「やっと動かなくなったか…」
「来ないでバカ」
……。
「やめさせたかったら、鉄砕牙で変化をとくことだな。息を吹き返したら、またむかってくる」
「え…?」
かごめと弥勒や珊瑚はポカンとしている。
だがやがて、弥勒と珊瑚はかごめをかばうようにして殺生丸の前に出てきた。
「さっきも犬夜叉を両断しようと思えばできたはずなのに、剣圧で吹きとばすにとどめた。なぜ手加減した? あなたは犬夜叉を憎んでいたはず。いきなり兄弟の情に目覚めたとも思えんが……」
ふっ。兄弟の情……か。
「いずれは殺す……だが今は……自分が何者なのかもわからぬやつなど、殺す価値もない」
―主人公視点―
「遅いなー、殺生丸さま」
「……」
「邪見、殺生丸さま、どこに行ったんだろう」
「……ぬわぁぁぁ~!!! さっきからうるさいわぁ! 殺生丸さまがどこに行くか知ってたら、すぐに追いかけとるわい」
このように邪見は、殺生丸さまに置いていかれてから気が立っている。
……まぁ、元はと言えば私の護衛を任されたせいで、置いていかれたわけだけど。
サクっと土を踏む音がする。
――あっ、この妖気……――
「お帰りなさい、殺生丸さま!」
「殺生丸さまぁ!この邪見、鈴をしっかり守っておりました」
殺生丸さまは私を一瞥する。
「……?」
「奈落は来なかったようだな」
「は、はい」
殺生丸さまは「そうか」と一言だけ呟いて、近くにある木に寄りかかって座る。
「殺生丸さま?」
何か、様子が変だ。
私がチラチラ様子を伺っていると、殺生丸さまは「邪見、小屋を探してこい」と一言だけ発する。
「は、はい! 分かりました」
邪見はピューと……いや、トテトテと何処かへ走っていった。
「……」
「……」
しばらく沈黙が続く。
本当に殺生丸さま、様子が変。どうしたんだろう?
「……あの、殺生丸さま? 何かあったんですか」
「……何もない」
「でも……っ」
何だか殺生丸さま、戸惑っているみたい……。何かあったとしか思えなくて。でも、それを聞いたら駄目なような気がして……。
「そんなに気になるのか」
そんなことを考えていたら、殺生丸さまがいきなり話かけてきた。
「え? あ、はい。何だか戸惑っている感じがしましたから。……えっと、その、間違ってたらごめんなさい」
「犬夜叉を……殺しそこねた」
え?
「ただ、それだけだ」
犬夜叉って、殺生丸さまの義弟さんだよね? 確か、左腕を犬夜叉って人に斬られた……って話だったと思うけど。
……。多分、殺生丸さまは犬夜叉さんを殺したかった……んだよね。何だか物騒だけど。でも殺せなくて……それで……。
「だから、戸惑ってたんですか? 犬夜叉さんを殺せなかったから」
「……違う」
「え?」
「……自分が何者なのかもわからぬやつなど、殺す価値もない……。そう思ったからだ」
じゃあ、何故?
心の問いに答えるように、殺生丸さまは話始める。
「その犬夜叉の姿が……鈴と重なったからだ」
「…どういう、ことですか?」
「貴様は……自分が何者なのか、分かっていないように見える」
「!!!」
もしかして……
――陰陽師ってことがバレた!?――
「鈴、貴様は自分の道を信じろ」
「え……っと?」
「奈落に追われるだけの理由が鈴にはあるのだろう。その力を自分が信じろ」
「っはい! 殺生丸さま!」
何だか分からないけど、心のモヤモヤがすっきりした気がする。
その時、邪見がこっちにやって来た。どうやら小屋を見つけたらしい。
小屋に入った瞬間、ザーと雨が降ってきた。
「これ、鈴。殺生丸さまはな、貴様の為に小屋を見つけろと言ってくださったのじゃ」と邪見から聞いたのは、また後の話――。
犬夜叉よ……半妖は半妖らしく……
「地を這え!」
殺生丸が闘鬼神を犬夜叉に向けた瞬間、剣圧で犬夜叉の体は切り刻まれふっとばされる。
「もうやめてーっ!」とかごめが、倒れた犬夜叉をかばう。
「やっと動かなくなったか…」
「来ないでバカ」
……。
「やめさせたかったら、鉄砕牙で変化をとくことだな。息を吹き返したら、またむかってくる」
「え…?」
かごめと弥勒や珊瑚はポカンとしている。
だがやがて、弥勒と珊瑚はかごめをかばうようにして殺生丸の前に出てきた。
「さっきも犬夜叉を両断しようと思えばできたはずなのに、剣圧で吹きとばすにとどめた。なぜ手加減した? あなたは犬夜叉を憎んでいたはず。いきなり兄弟の情に目覚めたとも思えんが……」
ふっ。兄弟の情……か。
「いずれは殺す……だが今は……自分が何者なのかもわからぬやつなど、殺す価値もない」
―主人公視点―
「遅いなー、殺生丸さま」
「……」
「邪見、殺生丸さま、どこに行ったんだろう」
「……ぬわぁぁぁ~!!! さっきからうるさいわぁ! 殺生丸さまがどこに行くか知ってたら、すぐに追いかけとるわい」
このように邪見は、殺生丸さまに置いていかれてから気が立っている。
……まぁ、元はと言えば私の護衛を任されたせいで、置いていかれたわけだけど。
サクっと土を踏む音がする。
――あっ、この妖気……――
「お帰りなさい、殺生丸さま!」
「殺生丸さまぁ!この邪見、鈴をしっかり守っておりました」
殺生丸さまは私を一瞥する。
「……?」
「奈落は来なかったようだな」
「は、はい」
殺生丸さまは「そうか」と一言だけ呟いて、近くにある木に寄りかかって座る。
「殺生丸さま?」
何か、様子が変だ。
私がチラチラ様子を伺っていると、殺生丸さまは「邪見、小屋を探してこい」と一言だけ発する。
「は、はい! 分かりました」
邪見はピューと……いや、トテトテと何処かへ走っていった。
「……」
「……」
しばらく沈黙が続く。
本当に殺生丸さま、様子が変。どうしたんだろう?
「……あの、殺生丸さま? 何かあったんですか」
「……何もない」
「でも……っ」
何だか殺生丸さま、戸惑っているみたい……。何かあったとしか思えなくて。でも、それを聞いたら駄目なような気がして……。
「そんなに気になるのか」
そんなことを考えていたら、殺生丸さまがいきなり話かけてきた。
「え? あ、はい。何だか戸惑っている感じがしましたから。……えっと、その、間違ってたらごめんなさい」
「犬夜叉を……殺しそこねた」
え?
「ただ、それだけだ」
犬夜叉って、殺生丸さまの義弟さんだよね? 確か、左腕を犬夜叉って人に斬られた……って話だったと思うけど。
……。多分、殺生丸さまは犬夜叉さんを殺したかった……んだよね。何だか物騒だけど。でも殺せなくて……それで……。
「だから、戸惑ってたんですか? 犬夜叉さんを殺せなかったから」
「……違う」
「え?」
「……自分が何者なのかもわからぬやつなど、殺す価値もない……。そう思ったからだ」
じゃあ、何故?
心の問いに答えるように、殺生丸さまは話始める。
「その犬夜叉の姿が……鈴と重なったからだ」
「…どういう、ことですか?」
「貴様は……自分が何者なのか、分かっていないように見える」
「!!!」
もしかして……
――陰陽師ってことがバレた!?――
「鈴、貴様は自分の道を信じろ」
「え……っと?」
「奈落に追われるだけの理由が鈴にはあるのだろう。その力を自分が信じろ」
「っはい! 殺生丸さま!」
何だか分からないけど、心のモヤモヤがすっきりした気がする。
その時、邪見がこっちにやって来た。どうやら小屋を見つけたらしい。
小屋に入った瞬間、ザーと雨が降ってきた。
「これ、鈴。殺生丸さまはな、貴様の為に小屋を見つけろと言ってくださったのじゃ」と邪見から聞いたのは、また後の話――。