「えっと、」
「生理前に来たんいつ？」
「決戦の前…」
「どうせ義骸の時妊娠せェへんかったから避妊なんてしてへんやろ」

101年の慣れとは恐ろしい。101年前以上の彼のことは知らないので尸魂界でどのように性行為をしてたのかは知らないけど。

「あいつホンマにヘタレやなァ」

食欲不振、微熱、立ちくらみ、胸の張り、全て初期の妊娠症状に当てはまる。

「どうしよう」
「復隊するし別に生活には困らへんやろ」
「とりあえず病院行ってこないと」

妊娠して嬉しくない訳ではない、むしろ私としては嬉しいけど。
でも真子は現世に勝手に着いてきた私に責任感を感じて縛られ続けるのだろうか。
尸魂界に置いてきた彼女だっていたはずだ。

「あんまごちゃごちゃ考えてたらアカンよ、お腹の子に触る」
「真子はきっと嫌がるよ」
「何言うとんの、真子はあんたの事しか考えとらんやないの」

そうだよ、だからこそきっと真子は駄目って言うんだ。

「ちょっと行ってくる」
「今から病院行くん？」
「うん、」
「真子おる時にしときゃァよ」
「真子忙しいし」
「あれは頼られへんの嫌うと思うけどな」
「いつも甘えてばっかだしさ、こっちに戻ったから真子違う人好きになるかもしれないじゃん」
「まぁ2人の問題やから口出しはせぇへんけど無理はせんとき」
「ありがと」

真子が知らぬ間に用意してくれてた財布を持つ。
義骸の時でも妊娠するんだよ、とは言えなかった。あの時のことはきっと2人しか知らないし、墓場まで持ってくつもりだ。

出会った頃はこんな日が来ると思わずにいた