第1話
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ラジオでも聞く感覚で綾とソーントンの会話を聞いていたルパンだったが、『極秘』という単語に反応してソファから身を乗り出した。
音を立てないよう気にしながらそっと通信機のボリュームを上げる。
『新月の夜の伝説をご存じないかとあなたに訊いたことがありましたよね』
ソーントンが言った。
『知らなくて当然です。あれはユニシア王家だけに伝わる伝説だそうで。私の勉強不足でした』
『王家だけに伝わる伝説ですか……』
『ルナトーンにまつわるお話です。ルナトーンは月の女神の涙がウサギの上に落ちて姿を変えたと言われています』
「ケッ、そういう御伽噺はガキの枕元でしやがれ」
次元は露骨に不快感を示した。
この手の話はこの男の苦手分野だ。
ルパンは人差し指を唇に当てて次元を黙らせる。
『ルナトーンは新月の夜に持ち出してはいけない……ソーントンさんはあの時そんな風に言っていましたよね?』
『私の言うことを戯言だと思わないでいただきたいのですが』
ソーントンはそう前置きをして話を続けた。
『新月の夜にルナトーンを持っていた人物は、ウサギに姿を変えられてしまうのです。月の光さながらの、金色の毛並みを持ったウサギに』
綾は言葉を発しなかった。
『驚かれるのも当然ですが、本当なのです。百年ほど前の王宮の資料にも同じ事例がありました』
一番驚いたのはルパンだった。
目が大きく見開かれ、爛々と輝いている。
『私はこう考えました。何者かがルナトーンを盗んだが、あいにくちょうど新月の夜だった。そして犯人はウサギに姿を変えられたと。現にルナトーンは王宮から無くなっています』
『トフィーが……あの子がその犯人だって言うんですか』
綾の声に若干の呆れが混じる。
だがソーントンは真面目な調子を崩さなかった。
『更に言うなら、私はあのウサギが次元大介だと思っています』
今度は次元が驚いて目を見開く番だった。
音を立てないよう気にしながらそっと通信機のボリュームを上げる。
『新月の夜の伝説をご存じないかとあなたに訊いたことがありましたよね』
ソーントンが言った。
『知らなくて当然です。あれはユニシア王家だけに伝わる伝説だそうで。私の勉強不足でした』
『王家だけに伝わる伝説ですか……』
『ルナトーンにまつわるお話です。ルナトーンは月の女神の涙がウサギの上に落ちて姿を変えたと言われています』
「ケッ、そういう御伽噺はガキの枕元でしやがれ」
次元は露骨に不快感を示した。
この手の話はこの男の苦手分野だ。
ルパンは人差し指を唇に当てて次元を黙らせる。
『ルナトーンは新月の夜に持ち出してはいけない……ソーントンさんはあの時そんな風に言っていましたよね?』
『私の言うことを戯言だと思わないでいただきたいのですが』
ソーントンはそう前置きをして話を続けた。
『新月の夜にルナトーンを持っていた人物は、ウサギに姿を変えられてしまうのです。月の光さながらの、金色の毛並みを持ったウサギに』
綾は言葉を発しなかった。
『驚かれるのも当然ですが、本当なのです。百年ほど前の王宮の資料にも同じ事例がありました』
一番驚いたのはルパンだった。
目が大きく見開かれ、爛々と輝いている。
『私はこう考えました。何者かがルナトーンを盗んだが、あいにくちょうど新月の夜だった。そして犯人はウサギに姿を変えられたと。現にルナトーンは王宮から無くなっています』
『トフィーが……あの子がその犯人だって言うんですか』
綾の声に若干の呆れが混じる。
だがソーントンは真面目な調子を崩さなかった。
『更に言うなら、私はあのウサギが次元大介だと思っています』
今度は次元が驚いて目を見開く番だった。