第7話
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「もう、どうなるかと思ったわ。このままずっとワインにも宝石にも縁のない生活なんて、とても耐えられないもの」
不二子が安堵のため息をつくのを、次元は仏頂面で眺めていた。
『レディにこんなカッコをさせておくつもり?』
と裸の不二子に無理やりジャケットを取られて、面白くなかったのだろう。
「あんな目にあっても、所詮不二子は不二子か」
「何よ、どういう意味?」
嫌な人ねと次元をひと睨みしてから、不二子は綾に向き直った。
「トフィーだった時は世話をありがとう。言葉は分からなかったけど、背中を撫でるあなたの手はいつも優しかった」
「私たち、てっきり言葉が通じてると思ってたわ」
「雰囲気で理解していただけよ。そうだ次元、あなた、いたいけなウサギに向かって『目つきの悪い性悪』みたいな事を言ったでしょう!」
「……ちゃんと通じてるじゃねぇか」
「覚えてらっしゃい。あなたがカラスになっちゃっても、助けてあげないから」
「なんで俺がカラスなんだよ」
綾はクスクス笑っている。
金髪が揺れ、きらきらと光った。
「おーい、不二子ぉー!」
大きく手を振りながらルパンが駆けてきた。
「ルパン! 無事で良かった」
綾は嬉しそうな声を上げて彼の首に飛びついた。
「うんうん。綾も無事で良かったよ」
言いながらも、視線は不二子に釘付けだ。
なにしろ、不二子は素肌にジャケットを羽織っているだけなのだ。
ルパンは彼女の太ももから目が離せない。
「それで、宝石は? ルナトーンとソルライトはどうなったの?」
不二子が訊ねた。
ルナトーンとソルライトは『対の石』だとクラウス王子は綾に言っていた。
一方の石によって姿を変えられた者は、もう一方と引き合わせる事で元の姿に戻ると。
「人間が元の姿に戻ると、宝石たちも元の場所に戻るそうよ。宝物庫の奥に」
綾が答えると、不二子の目がキラリと光る。
「やめとけ、不二子。次は何があっても手は貸さねぇぜ」
次元は釘をさすのを忘れなかった。
隣に立つ綾の肩を抱き寄せる。
「綾をこんな目に合わすのは、もうゴメンだからな」
ボロボロのドレスで煤だらけの綾を見ると、不二子もそれ以上は何も言えなかった。
「分かったわよ」
肩をすくめ、大きくため息をつく。
「行きましょ、ルパン」
歩き始めた不二子のあとを、だらしなく鼻の下を伸ばしたルパンがついていく。
そんな2人と、次元たちを交互に見た五エ門は、
「ま、待ってくれ。拙者も行く」
と、慌ててルパンのあとを追った。
不二子が安堵のため息をつくのを、次元は仏頂面で眺めていた。
『レディにこんなカッコをさせておくつもり?』
と裸の不二子に無理やりジャケットを取られて、面白くなかったのだろう。
「あんな目にあっても、所詮不二子は不二子か」
「何よ、どういう意味?」
嫌な人ねと次元をひと睨みしてから、不二子は綾に向き直った。
「トフィーだった時は世話をありがとう。言葉は分からなかったけど、背中を撫でるあなたの手はいつも優しかった」
「私たち、てっきり言葉が通じてると思ってたわ」
「雰囲気で理解していただけよ。そうだ次元、あなた、いたいけなウサギに向かって『目つきの悪い性悪』みたいな事を言ったでしょう!」
「……ちゃんと通じてるじゃねぇか」
「覚えてらっしゃい。あなたがカラスになっちゃっても、助けてあげないから」
「なんで俺がカラスなんだよ」
綾はクスクス笑っている。
金髪が揺れ、きらきらと光った。
「おーい、不二子ぉー!」
大きく手を振りながらルパンが駆けてきた。
「ルパン! 無事で良かった」
綾は嬉しそうな声を上げて彼の首に飛びついた。
「うんうん。綾も無事で良かったよ」
言いながらも、視線は不二子に釘付けだ。
なにしろ、不二子は素肌にジャケットを羽織っているだけなのだ。
ルパンは彼女の太ももから目が離せない。
「それで、宝石は? ルナトーンとソルライトはどうなったの?」
不二子が訊ねた。
ルナトーンとソルライトは『対の石』だとクラウス王子は綾に言っていた。
一方の石によって姿を変えられた者は、もう一方と引き合わせる事で元の姿に戻ると。
「人間が元の姿に戻ると、宝石たちも元の場所に戻るそうよ。宝物庫の奥に」
綾が答えると、不二子の目がキラリと光る。
「やめとけ、不二子。次は何があっても手は貸さねぇぜ」
次元は釘をさすのを忘れなかった。
隣に立つ綾の肩を抱き寄せる。
「綾をこんな目に合わすのは、もうゴメンだからな」
ボロボロのドレスで煤だらけの綾を見ると、不二子もそれ以上は何も言えなかった。
「分かったわよ」
肩をすくめ、大きくため息をつく。
「行きましょ、ルパン」
歩き始めた不二子のあとを、だらしなく鼻の下を伸ばしたルパンがついていく。
そんな2人と、次元たちを交互に見た五エ門は、
「ま、待ってくれ。拙者も行く」
と、慌ててルパンのあとを追った。