第6話
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公園を右手に見ながらしばらく走っていたが、次元がふいに車を停めた。
「どうしたの? 入口はまだ先よ?」
車を降りた綾は彼の背中に声をかけた。
しかし彼は振り向きもせず、公園を囲むフェンスに手をかけた。
「次元?」
「正面はダメだ。軍に塞がれてる」
言いながら次元はフェンスをよじ登る。
「考える事ぁ奴らも同じさ。竜を待ち伏せてやがる。ヘリでここまで誘導してくるつもりだろう」
「そう上手くいくかしら。逃げちゃうかも」
「ルパンは来るさ。ここに不二子がいるかぎりな。とっつぁんの言葉を借りれば 『不二子の居る所にルパンあり』 だ」
次元はフェンスの一番上で体勢を変えると、綾の方を向いた。
片手を差し出す。
「登れるか?」
「待って」
綾は足さばきの悪いドレスの裾を引き裂いた。
ピンヒールを脱ぎ、フェンスの向こう側に投げ入れる。
裸足でフェンスに手をかけると、五エ門が腕を掴んで引きとめた。
「そこまでせずとも、拙者がフェンスを斬って進ぜよう」
「大丈夫。木登りは得意なの」
綾は笑ってフェンスを登った。
すぐ横を五エ門が軽々と乗り越えていく。
「飛び降りろ、綾」
登りきると、既に公園側に降り立った次元が下から声をかけた。
「受け止めてやる」
「やっ、ちょっと! フェンスから離れて!」
すぐ真下にいる次元に気づくと、綾は真っ赤になった。
フェンスから片手を離し、自分から離れるよう次元に合図をする。
「スカートの中が見……!」
彼女の言葉は最後まで続かなかった。
慌てたせいで体勢を崩し、フェンスから声もなく落下した。
次元が腕を伸ばして抱きとめる。
「…………」
耳まで真っ赤にした綾が次元を見上げている。
溶けてしまいそうに潤んだ瞳。
「次元……」
泣き出しそうなのを必死にこらえるかのような、小さな小さな声。
次元は彼女を抱きしめたい衝動にかられた。
『ちゃんと守ってくれる』
それを証明する為だけに窓から身を投げたあの時と同じだった。
両手に伝わるぬくもりが離しがたい。
「次元、わたし……」
次元はハッと我に返った。
「『得意』 が聞いてあきれるな」
話をそらした。
苦笑しながら彼女を地面に降ろす。
「今のは次元が、」
悪いでしょと、彼女は口の中でゴニョゴニョ言っている。
それから顔を見合わせてクスッと笑った。
「どうしたの? 入口はまだ先よ?」
車を降りた綾は彼の背中に声をかけた。
しかし彼は振り向きもせず、公園を囲むフェンスに手をかけた。
「次元?」
「正面はダメだ。軍に塞がれてる」
言いながら次元はフェンスをよじ登る。
「考える事ぁ奴らも同じさ。竜を待ち伏せてやがる。ヘリでここまで誘導してくるつもりだろう」
「そう上手くいくかしら。逃げちゃうかも」
「ルパンは来るさ。ここに不二子がいるかぎりな。とっつぁんの言葉を借りれば 『不二子の居る所にルパンあり』 だ」
次元はフェンスの一番上で体勢を変えると、綾の方を向いた。
片手を差し出す。
「登れるか?」
「待って」
綾は足さばきの悪いドレスの裾を引き裂いた。
ピンヒールを脱ぎ、フェンスの向こう側に投げ入れる。
裸足でフェンスに手をかけると、五エ門が腕を掴んで引きとめた。
「そこまでせずとも、拙者がフェンスを斬って進ぜよう」
「大丈夫。木登りは得意なの」
綾は笑ってフェンスを登った。
すぐ横を五エ門が軽々と乗り越えていく。
「飛び降りろ、綾」
登りきると、既に公園側に降り立った次元が下から声をかけた。
「受け止めてやる」
「やっ、ちょっと! フェンスから離れて!」
すぐ真下にいる次元に気づくと、綾は真っ赤になった。
フェンスから片手を離し、自分から離れるよう次元に合図をする。
「スカートの中が見……!」
彼女の言葉は最後まで続かなかった。
慌てたせいで体勢を崩し、フェンスから声もなく落下した。
次元が腕を伸ばして抱きとめる。
「…………」
耳まで真っ赤にした綾が次元を見上げている。
溶けてしまいそうに潤んだ瞳。
「次元……」
泣き出しそうなのを必死にこらえるかのような、小さな小さな声。
次元は彼女を抱きしめたい衝動にかられた。
『ちゃんと守ってくれる』
それを証明する為だけに窓から身を投げたあの時と同じだった。
両手に伝わるぬくもりが離しがたい。
「次元、わたし……」
次元はハッと我に返った。
「『得意』 が聞いてあきれるな」
話をそらした。
苦笑しながら彼女を地面に降ろす。
「今のは次元が、」
悪いでしょと、彼女は口の中でゴニョゴニョ言っている。
それから顔を見合わせてクスッと笑った。