第6話
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背後で大きな爆発音がした。
「何?」
綾は窓から身を乗り出し、五エ門はリアウィンドウを振り返った。
竜がこちらに向かって飛んでくるのが見えた。
じっとこちらを見据えている。
「竜が追いかけてきてる!」
綾が叫んだ。
竜はバサリと翼を翻したかと思うと、首をもたげて咆哮した。
その大きな口から紅蓮の炎があふれ、火球となって吐き出される。
「次元!」
綾の声に素早く反応して、次元はハンドルをきった。
スキール音を立てて車が横に移動し、さっきまで車体のあった場所で火球が爆発する。
爆風で車体がぐらつき、辺りに煙がもうもうと立ち込めた。
「次がくるぞ!」
五エ門が怒鳴った。
ミラーで竜を視認した次元は舌打ちをした。
すでにアクセルペダルは床まで踏み込んでいたが、竜との差は広がらない。
「次元、前! 前!」
綾が悲鳴を上げた。
すぐ目の前にT字路が迫っていた。
「チッ!」
次元はタバコを投げ捨てた。
ヒールアンドトウでブレーキを残しつつハンドルを切る。
サイドブレーキ。
テールが振れはじめたのを合図にアクセルを踏む。
カウンター。
「綾、首を引っこめろ」
次元は綾のドレスの背中をグイッと引っ張りシートに座らせた。
車は横滑りしながらカーブを曲がり、スピードを落とさずに突き当たりの建物すれすれを左折した。
直後、T字路の突き当たりで2発目の火球が爆発する。
綾もさすがに顔色を失った。
「このままじゃラチがあかねぇ」
次元が唸った。
「どこか広い場所はねぇか。ヤツに対抗できそうな」
「この先、国境近くに国定公園があるわ。湖もあるし滝もある。ホラ、ああいった竜って水に弱そうだから」
「なんとか辿りつけりゃ御の字だな」
竜が炎を吐き出すのを止め、後方へ首をひねった。
軍用のヘリコプターが近づいてくる。
「次元、ヘリがきたぞ。この国の軍だ」
ヘリコプターに描かれた国旗を見て五エ門が言った。
「クラウスが竜を止めようと手を回したか」
「ソーントンかもしれん」
「どっちにしろ厄介なことになったな」
機関銃の音がした。
竜が高度を上げてヘリからの攻撃をかわす。
車のサイドミラーが吹き飛んだ。
「おい! とばっちりだぞ!」
次元が怒鳴った。
竜は体の向きを変え、ヘリコプターに向かって炎を吐き出した。
ヘリコプターもすんでのところでそれを回避する。
お返しとばかりに機関銃が火を噴いた。
「今のうちに国定公園へ急ごう」
次元はアクセルを緩めず、ひたすら国道を突っ走った。
「何?」
綾は窓から身を乗り出し、五エ門はリアウィンドウを振り返った。
竜がこちらに向かって飛んでくるのが見えた。
じっとこちらを見据えている。
「竜が追いかけてきてる!」
綾が叫んだ。
竜はバサリと翼を翻したかと思うと、首をもたげて咆哮した。
その大きな口から紅蓮の炎があふれ、火球となって吐き出される。
「次元!」
綾の声に素早く反応して、次元はハンドルをきった。
スキール音を立てて車が横に移動し、さっきまで車体のあった場所で火球が爆発する。
爆風で車体がぐらつき、辺りに煙がもうもうと立ち込めた。
「次がくるぞ!」
五エ門が怒鳴った。
ミラーで竜を視認した次元は舌打ちをした。
すでにアクセルペダルは床まで踏み込んでいたが、竜との差は広がらない。
「次元、前! 前!」
綾が悲鳴を上げた。
すぐ目の前にT字路が迫っていた。
「チッ!」
次元はタバコを投げ捨てた。
ヒールアンドトウでブレーキを残しつつハンドルを切る。
サイドブレーキ。
テールが振れはじめたのを合図にアクセルを踏む。
カウンター。
「綾、首を引っこめろ」
次元は綾のドレスの背中をグイッと引っ張りシートに座らせた。
車は横滑りしながらカーブを曲がり、スピードを落とさずに突き当たりの建物すれすれを左折した。
直後、T字路の突き当たりで2発目の火球が爆発する。
綾もさすがに顔色を失った。
「このままじゃラチがあかねぇ」
次元が唸った。
「どこか広い場所はねぇか。ヤツに対抗できそうな」
「この先、国境近くに国定公園があるわ。湖もあるし滝もある。ホラ、ああいった竜って水に弱そうだから」
「なんとか辿りつけりゃ御の字だな」
竜が炎を吐き出すのを止め、後方へ首をひねった。
軍用のヘリコプターが近づいてくる。
「次元、ヘリがきたぞ。この国の軍だ」
ヘリコプターに描かれた国旗を見て五エ門が言った。
「クラウスが竜を止めようと手を回したか」
「ソーントンかもしれん」
「どっちにしろ厄介なことになったな」
機関銃の音がした。
竜が高度を上げてヘリからの攻撃をかわす。
車のサイドミラーが吹き飛んだ。
「おい! とばっちりだぞ!」
次元が怒鳴った。
竜は体の向きを変え、ヘリコプターに向かって炎を吐き出した。
ヘリコプターもすんでのところでそれを回避する。
お返しとばかりに機関銃が火を噴いた。
「今のうちに国定公園へ急ごう」
次元はアクセルを緩めず、ひたすら国道を突っ走った。