第6話
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車は海沿いの国道を走っていた。
開いた窓からは潮の香りが風に乗って鼻をかすめていく。
太陽きらめく海、カーラジオから聞こえる音楽。
最高のシチュエーションだ。
だが、五エ門は浮かぬ顔で前方の2人を見ていた。
綾は助手席の窓から外の景色に顔を向けたまま、じっと黙り込んでいた。
潮風が彼女の髪を弄び、後方へなびかせる。
綾は次元が竜から身を挺して守ってくれたことにお礼を言おうと思った。
それをきっかけに、仲直りしたかった。
しかし、いざ話しかけようとして綾は躊躇する。
次元は何も言わなかった。
彼がどう思っているのか、態度からはまったく読みとれない。
愛想を尽かしたかもしれないと思うと、怖くて何も言い出せなかった。
次元はタバコを咥え、まっすぐ前方を見据えていた。
窓枠に片ひじを掛け、黙ってハンドルを握っている。
彼は綾に謝るべきかどうか迷っていた。
あんな八つ当たりのようなキスをして悪かったと、喉まで出かかった。
しかし彼女は何も言ってこなかった。
まだ怒っているのかもしれない。
怒っている女に対して自ら謝罪し、媚びへつらうのはルパンだけだと、男のプライドが邪魔をする。
2人は視線すら交わさず、それでも背中でお互いを意識しているのは五エ門にも分かるほどだった。
謝るタイミングも許すタイミングも、パルドアと竜のせいで失ってしまった。
心ではもうとっくに歩み寄っているのだが、相手がどう思っているか不安なのだ。
もどかしい。
じれったい。
そんな空気が充満し、居心地の悪いことこの上ない。
(降りたい……)
五エ門はため息をついた。
開いた窓からは潮の香りが風に乗って鼻をかすめていく。
太陽きらめく海、カーラジオから聞こえる音楽。
最高のシチュエーションだ。
だが、五エ門は浮かぬ顔で前方の2人を見ていた。
綾は助手席の窓から外の景色に顔を向けたまま、じっと黙り込んでいた。
潮風が彼女の髪を弄び、後方へなびかせる。
綾は次元が竜から身を挺して守ってくれたことにお礼を言おうと思った。
それをきっかけに、仲直りしたかった。
しかし、いざ話しかけようとして綾は躊躇する。
次元は何も言わなかった。
彼がどう思っているのか、態度からはまったく読みとれない。
愛想を尽かしたかもしれないと思うと、怖くて何も言い出せなかった。
次元はタバコを咥え、まっすぐ前方を見据えていた。
窓枠に片ひじを掛け、黙ってハンドルを握っている。
彼は綾に謝るべきかどうか迷っていた。
あんな八つ当たりのようなキスをして悪かったと、喉まで出かかった。
しかし彼女は何も言ってこなかった。
まだ怒っているのかもしれない。
怒っている女に対して自ら謝罪し、媚びへつらうのはルパンだけだと、男のプライドが邪魔をする。
2人は視線すら交わさず、それでも背中でお互いを意識しているのは五エ門にも分かるほどだった。
謝るタイミングも許すタイミングも、パルドアと竜のせいで失ってしまった。
心ではもうとっくに歩み寄っているのだが、相手がどう思っているか不安なのだ。
もどかしい。
じれったい。
そんな空気が充満し、居心地の悪いことこの上ない。
(降りたい……)
五エ門はため息をついた。