第6話
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綾は菩提樹の木立の方へ真っ直ぐ向かっていた。
髪はピンがはずれて肩に零れ落ち、ドレスは粉塵にまみれて真っ白だ。
「王女!」
ソーントンが追いついて綾の肩を掴んだ。
「どこへ行くんです。まだ終わっていませんよ」
「でもルパンが、」
綾は空を見上げた。
その視線を追って、ソーントンも空中をホバリングする竜を見つめる。
「ルパン……?」
ソーントンの怪訝な眼差しに、綾はハッと口をつぐんだ。
察しのいいソーントンはとたんに険しい顔をする。
「綾さん、あなたは何か知っていますね」
「し、知らな……」
「教えなさい!」
肩を掴むソーントンの手に力がこもった。
彼女の顔が怯えで強張っている。
「彼女を放せ、ソーントン」
次元が姿を現した。
銃口を真っ直ぐソーントンに向けている。
「次元、大介……!」
彼がウサギになったと信じていたソーントンは目を見張った。
次元はゆっくりと2人に歩み寄った。
「何度も言わせるな。その手を退けろ」
帽子の下の目が、ギラリと光る。
「棺桶で帰国したいのか」
ソーントンは体を硬直させた。
後方に五エ門が控えているのに気づいて叫ぶ。
「五エ門さん、彼女を……!」
しかし五エ門はソーントンの横をすり抜けて次元の隣で止まる。
そして、
「潮時だ」
静かに言い放った。
ソーントンは愕然として五エ門を見た。
「仲間だったのか……?」
「見抜けなかったお前の負けだ」
銃の撃鉄を起こした次元をソーントンは苦々しげに睨みつけていたが、やがて形勢は不利とみて、ため息とともに手を離した。
次元は綾の腕を引いて自分の胸に抱き寄せる。
「次元!」
綾は震える指を空に向けた。
「竜が……!」
真っ赤な竜が首を下げ、こちらを見ていた。
翼をバサリと一度羽ばたかせると、一気に地面めがけて急降下してきた。
「伏せろ!」
身をかがめたすぐ真上を竜が通り過ぎる。
焼けた鉄のように赤いうろこの間から紅蓮の炎が吹き出しているのを間近で見た。
竜が羽ばたくたびに地上に火の粉が降り注ぎ、宮殿のあちらこちらで火の手があがる。
「止めろルパン! 俺たちを黒焦げにするつもりか!」
次元が叫んだ。
「やっぱりルパンなのね」
綾は手をかざして竜を見上げた。
「あぁ。ソルライトを盗みに行ったんだ。今夜が満月だとも知らずに」
気づいた時にはもう遅かった。
『満月にソルライトを持つものは怒れる竜に姿を変えられてしまう』
不二子と同じ結果になってしまったのだ。
髪はピンがはずれて肩に零れ落ち、ドレスは粉塵にまみれて真っ白だ。
「王女!」
ソーントンが追いついて綾の肩を掴んだ。
「どこへ行くんです。まだ終わっていませんよ」
「でもルパンが、」
綾は空を見上げた。
その視線を追って、ソーントンも空中をホバリングする竜を見つめる。
「ルパン……?」
ソーントンの怪訝な眼差しに、綾はハッと口をつぐんだ。
察しのいいソーントンはとたんに険しい顔をする。
「綾さん、あなたは何か知っていますね」
「し、知らな……」
「教えなさい!」
肩を掴むソーントンの手に力がこもった。
彼女の顔が怯えで強張っている。
「彼女を放せ、ソーントン」
次元が姿を現した。
銃口を真っ直ぐソーントンに向けている。
「次元、大介……!」
彼がウサギになったと信じていたソーントンは目を見張った。
次元はゆっくりと2人に歩み寄った。
「何度も言わせるな。その手を退けろ」
帽子の下の目が、ギラリと光る。
「棺桶で帰国したいのか」
ソーントンは体を硬直させた。
後方に五エ門が控えているのに気づいて叫ぶ。
「五エ門さん、彼女を……!」
しかし五エ門はソーントンの横をすり抜けて次元の隣で止まる。
そして、
「潮時だ」
静かに言い放った。
ソーントンは愕然として五エ門を見た。
「仲間だったのか……?」
「見抜けなかったお前の負けだ」
銃の撃鉄を起こした次元をソーントンは苦々しげに睨みつけていたが、やがて形勢は不利とみて、ため息とともに手を離した。
次元は綾の腕を引いて自分の胸に抱き寄せる。
「次元!」
綾は震える指を空に向けた。
「竜が……!」
真っ赤な竜が首を下げ、こちらを見ていた。
翼をバサリと一度羽ばたかせると、一気に地面めがけて急降下してきた。
「伏せろ!」
身をかがめたすぐ真上を竜が通り過ぎる。
焼けた鉄のように赤いうろこの間から紅蓮の炎が吹き出しているのを間近で見た。
竜が羽ばたくたびに地上に火の粉が降り注ぎ、宮殿のあちらこちらで火の手があがる。
「止めろルパン! 俺たちを黒焦げにするつもりか!」
次元が叫んだ。
「やっぱりルパンなのね」
綾は手をかざして竜を見上げた。
「あぁ。ソルライトを盗みに行ったんだ。今夜が満月だとも知らずに」
気づいた時にはもう遅かった。
『満月にソルライトを持つものは怒れる竜に姿を変えられてしまう』
不二子と同じ結果になってしまったのだ。