第6話
name change
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轟音とともに宮殿が揺れだしたのを見て、次元は身構えた。
石造りの柱がプラスチックのように震えてたわみ、崩れ落ちる。
支えを失った二階のバルコニーが、すぐ真下のテラスにいた綾めがけて落下しようとしていた。
「綾!」
次元は叫び、テラスに向かって駆けだした。
撃つか?
いや、たとえ全弾を同じ場所に撃ち込んだとしても落下の軌道を変えるほどの衝撃は与えられない。
間に合わない!
一部始終が、まるでスローモーションがかかったようにはっきりと見て取れた。
頭上を見上げた彼女の驚いた顔。
青い大きな瞳が恐怖に見開かれる。
直後、大きな石の塊が綾を襲い、地響きとともに埃が舞った。
茫然と立ち尽くす次元の横を、パルドアが悲鳴を上げて逃げていった。
「綾……!」
『心配するな、次元』
通信機から五エ門の声が聞こえた。
土煙がおさまったテラスには綾とクラウス、それに五エ門が立っていた。
落下したバルコニーは斬鉄剣によって一刀両断にされていた。
「プルーデンス王女! クラウス殿下!」
ソーントンがテラスに駆け寄った。
「ここにいては危険です。とりあえず庭の方へ避難しましょう」
庭園に出てきた綾達は崩れた宮殿を振り返って目を見張った。
「あれは……!」
空中をホバリングするその生物は、真っ赤な鱗を全身に纏っていた。
燃えるように赤く、見る者の目を奪う。
背中から生えている翼はかなり大きく、空をひと凪ぎする度に地面に熱風が吹き付ける。
そして、口元から覗く大きな牙。
あの牙で貫かれたらひとたまりもないだろう。
「竜……」
クラウスが呟いた。
城の護衛隊がクラウスのもとに駆けつける。
「安全な場所へお連れします。皆様もご一緒に」
「行こうプルーデンス」
クラウスが手を差し伸べたが、綾はその手を振り切って駆け出した。
「プルーデンス!」
「殿下は先に行ってください。王女は私が責任をもってお連れします」
ソーントンが綾のあとを追い、五エ門も黙ってそれに続いた。
石造りの柱がプラスチックのように震えてたわみ、崩れ落ちる。
支えを失った二階のバルコニーが、すぐ真下のテラスにいた綾めがけて落下しようとしていた。
「綾!」
次元は叫び、テラスに向かって駆けだした。
撃つか?
いや、たとえ全弾を同じ場所に撃ち込んだとしても落下の軌道を変えるほどの衝撃は与えられない。
間に合わない!
一部始終が、まるでスローモーションがかかったようにはっきりと見て取れた。
頭上を見上げた彼女の驚いた顔。
青い大きな瞳が恐怖に見開かれる。
直後、大きな石の塊が綾を襲い、地響きとともに埃が舞った。
茫然と立ち尽くす次元の横を、パルドアが悲鳴を上げて逃げていった。
「綾……!」
『心配するな、次元』
通信機から五エ門の声が聞こえた。
土煙がおさまったテラスには綾とクラウス、それに五エ門が立っていた。
落下したバルコニーは斬鉄剣によって一刀両断にされていた。
「プルーデンス王女! クラウス殿下!」
ソーントンがテラスに駆け寄った。
「ここにいては危険です。とりあえず庭の方へ避難しましょう」
庭園に出てきた綾達は崩れた宮殿を振り返って目を見張った。
「あれは……!」
空中をホバリングするその生物は、真っ赤な鱗を全身に纏っていた。
燃えるように赤く、見る者の目を奪う。
背中から生えている翼はかなり大きく、空をひと凪ぎする度に地面に熱風が吹き付ける。
そして、口元から覗く大きな牙。
あの牙で貫かれたらひとたまりもないだろう。
「竜……」
クラウスが呟いた。
城の護衛隊がクラウスのもとに駆けつける。
「安全な場所へお連れします。皆様もご一緒に」
「行こうプルーデンス」
クラウスが手を差し伸べたが、綾はその手を振り切って駆け出した。
「プルーデンス!」
「殿下は先に行ってください。王女は私が責任をもってお連れします」
ソーントンが綾のあとを追い、五エ門も黙ってそれに続いた。