第6話
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「さて、そろそろ……」
パルドアが咳払いをした。
綾はビクリと体を硬直させる。
「始めていただけますかな。王女」
有無を言わせない言い方だった。
どうしよう。どうする。
綾は広間の中央までゆっくり移動しながら五エ門を振り返った。
彼は綾の顔を見て、怪訝な顔をしている。
何が起きているのか、気づいていないのだ。
にぎやかだった広間が静まりかえり、綾に注目が集まった。
パルドアは不敵な笑みを浮かべ、かたわらのレディ・ローラに何事か囁いている。
もう腹をくくるしかない。
綾は大きく深呼吸をして、口を開いた。
「ちょっと待って」
止めたのは、クラウスだった。
彼女の手を引いてテラスへと誘導していく。
「サプライズは僕が先だ」
「クラウスったら……何があるの?」
問題を少しでも先延ばしにできた事にホッとしながら、綾はおとなしくクラウスについていった。
「見てごらん」
テラスから見た庭の雰囲気は一変していた。
月光が煌々と庭を照らし、クリスマスツリーのオーナメントのように木々につるされた金と銀のボールがキラキラと光を反射してきらめいていた。
綾はため息をついた。
じっと木々の向こうを見つめる。
(次元……)
さっき、覚悟を決めた綾は、大勢の前でプルーデンスの偽者だと打ち明ける気でいた。
婚約を破棄するなんて、プルーデンス本人の事を考えたら、とうていできるはずもない。
プルーデンスを騙ったとして処罰されても良いと思った。
ウサギになってしまった不二子を元に戻すヒントは得られた。
後はソルライトを盗み出し不二子を元の姿に戻すだけだが、それはルパンの役目だ。
綾の役目は既に終わったのだ。
(喧嘩したままお別れなんて、嫌だけど)
『あなたは恋人に振られてもそんな風に思えるの?』
ローラの言葉がガラスの棘のように突き刺さる。
(結局、自分の事は多角的になんて見られないのね)
いずれ次元と自分は別々の道を行くのだ。
別れが少し早まっただけだ。
そう思っても、やはりポジティブな思考にはなれなかった。
(嫌だ、泣きそう……)
視界がぼやけ、明かりがきらめいた。
「そんなに喜んでもらえて、嬉しいよ」
綾の瞳が潤んだのを感動と勘違いして、クラウスが笑った。
「サンキャッチャーってあるだろう? あれと同じだよ。ランプも少し置いたけど、今日は満月だから」
「満月……?」
綾はクラウスを見上げる。
そのとたん、すさまじい轟音とともに建物が大きく揺れた。
悲鳴があがった。
パルドアが咳払いをした。
綾はビクリと体を硬直させる。
「始めていただけますかな。王女」
有無を言わせない言い方だった。
どうしよう。どうする。
綾は広間の中央までゆっくり移動しながら五エ門を振り返った。
彼は綾の顔を見て、怪訝な顔をしている。
何が起きているのか、気づいていないのだ。
にぎやかだった広間が静まりかえり、綾に注目が集まった。
パルドアは不敵な笑みを浮かべ、かたわらのレディ・ローラに何事か囁いている。
もう腹をくくるしかない。
綾は大きく深呼吸をして、口を開いた。
「ちょっと待って」
止めたのは、クラウスだった。
彼女の手を引いてテラスへと誘導していく。
「サプライズは僕が先だ」
「クラウスったら……何があるの?」
問題を少しでも先延ばしにできた事にホッとしながら、綾はおとなしくクラウスについていった。
「見てごらん」
テラスから見た庭の雰囲気は一変していた。
月光が煌々と庭を照らし、クリスマスツリーのオーナメントのように木々につるされた金と銀のボールがキラキラと光を反射してきらめいていた。
綾はため息をついた。
じっと木々の向こうを見つめる。
(次元……)
さっき、覚悟を決めた綾は、大勢の前でプルーデンスの偽者だと打ち明ける気でいた。
婚約を破棄するなんて、プルーデンス本人の事を考えたら、とうていできるはずもない。
プルーデンスを騙ったとして処罰されても良いと思った。
ウサギになってしまった不二子を元に戻すヒントは得られた。
後はソルライトを盗み出し不二子を元の姿に戻すだけだが、それはルパンの役目だ。
綾の役目は既に終わったのだ。
(喧嘩したままお別れなんて、嫌だけど)
『あなたは恋人に振られてもそんな風に思えるの?』
ローラの言葉がガラスの棘のように突き刺さる。
(結局、自分の事は多角的になんて見られないのね)
いずれ次元と自分は別々の道を行くのだ。
別れが少し早まっただけだ。
そう思っても、やはりポジティブな思考にはなれなかった。
(嫌だ、泣きそう……)
視界がぼやけ、明かりがきらめいた。
「そんなに喜んでもらえて、嬉しいよ」
綾の瞳が潤んだのを感動と勘違いして、クラウスが笑った。
「サンキャッチャーってあるだろう? あれと同じだよ。ランプも少し置いたけど、今日は満月だから」
「満月……?」
綾はクラウスを見上げる。
そのとたん、すさまじい轟音とともに建物が大きく揺れた。
悲鳴があがった。