第5話
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ルパンがスカートをたくし上げてガニ股で走ってくるのを見た次元は少なからず驚いた。
「おめぇ、なんてカッコしてやがるんだ」
「うるせーな、諸事情あるんだよ」
「綾は見つかったか?」
「いや。誰かが連れてったか、若しくは自分でついて行ったかだな。争った跡はなかったがコレが落ちていた」
次元はじっと、ルパンの手の上の通信機を見つめた。
彼女は唯一の通信手段を捨てたりしないと思いたい。
『貴方に責められる謂れはないわ!』
怒りがそうさせたとは、思いたくない。
次元はルパンを見つめた。
「誰かって、誰だ。どこに連れて行ったって言うんだ」
「それが分かれば話は簡単なんだがな。とにかく探すしかねぇだろ」
「探すって言ってもな……」
次元は視線をルパンから庭のほうへ移した。
ルパンもその視線を追うように広大な庭を眺める。
「ちょっと厄介だな。すでに敷地から連れ出されていたらお手上げだ」
「簡単に諦めるんじゃねぇよ。何かあるだろう、考えろ」
「無茶言うなよ……」
そう言いつつも、ルパンは相棒たっての願いを聞き入れて再考する。
思考をめぐらせていると、いきなり光が目に飛び込んできた。
「わっ、眩しっ! 何だ?」
光源を辿ると、それは宮殿のとある窓から放たれたものだった。
チカチカと明滅を繰り返している。
「モールス信号か?」
次元が呟いた。
ルパンは慌てて光の明滅に集中する。
「えーと……入費超過、伊藤、タール、加盟する、野球場……『ニイタカヤマノボレ』? おいおい、戦争でもおっ始める気か?」
ルパンは苦笑しながら次元を振り返った。
彼は笑っていない。
鬼気迫る顔で窓を見上げていた。
「綾だ」
「えっ」
「彼女が出演した『さよならはまだ、』っていう芝居の中でこのモールス信号が使われた。あれはSOSも知らない彼女が唯一知っているモールスだ」
一風変わった救難信号は、図らずも彼女の場所を特定するものになった。
「よし、誰の部屋かすぐに突き止める。俺が連絡するまで次元は動くな。いいな?」
ルパンは来た時と同じように、スカートをたくし上げて走っていった。
「おめぇ、なんてカッコしてやがるんだ」
「うるせーな、諸事情あるんだよ」
「綾は見つかったか?」
「いや。誰かが連れてったか、若しくは自分でついて行ったかだな。争った跡はなかったがコレが落ちていた」
次元はじっと、ルパンの手の上の通信機を見つめた。
彼女は唯一の通信手段を捨てたりしないと思いたい。
『貴方に責められる謂れはないわ!』
怒りがそうさせたとは、思いたくない。
次元はルパンを見つめた。
「誰かって、誰だ。どこに連れて行ったって言うんだ」
「それが分かれば話は簡単なんだがな。とにかく探すしかねぇだろ」
「探すって言ってもな……」
次元は視線をルパンから庭のほうへ移した。
ルパンもその視線を追うように広大な庭を眺める。
「ちょっと厄介だな。すでに敷地から連れ出されていたらお手上げだ」
「簡単に諦めるんじゃねぇよ。何かあるだろう、考えろ」
「無茶言うなよ……」
そう言いつつも、ルパンは相棒たっての願いを聞き入れて再考する。
思考をめぐらせていると、いきなり光が目に飛び込んできた。
「わっ、眩しっ! 何だ?」
光源を辿ると、それは宮殿のとある窓から放たれたものだった。
チカチカと明滅を繰り返している。
「モールス信号か?」
次元が呟いた。
ルパンは慌てて光の明滅に集中する。
「えーと……入費超過、伊藤、タール、加盟する、野球場……『ニイタカヤマノボレ』? おいおい、戦争でもおっ始める気か?」
ルパンは苦笑しながら次元を振り返った。
彼は笑っていない。
鬼気迫る顔で窓を見上げていた。
「綾だ」
「えっ」
「彼女が出演した『さよならはまだ、』っていう芝居の中でこのモールス信号が使われた。あれはSOSも知らない彼女が唯一知っているモールスだ」
一風変わった救難信号は、図らずも彼女の場所を特定するものになった。
「よし、誰の部屋かすぐに突き止める。俺が連絡するまで次元は動くな。いいな?」
ルパンは来た時と同じように、スカートをたくし上げて走っていった。