第4話
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遅れて宮殿にやって来たレディ・ローラは、線の細い、おとなしそうな風貌の女性だった。
線の細い砂色の髪はまっすぐに背中へ流れ落ち、色素の薄いガラス玉のような瞳で上目遣いをするせいか、どこか不安げで頼りない印象だ。
ローラは綾を見てわずかに目を見開いた。
未来の夫を奪った張本人が目の前に立っているのだから、驚くのも当然だ。
しかし彼女は立派な淑女として感情の起伏は極力表に出さず、
「御機嫌よう、プルーデンス王女」
腰を折って優雅に会釈をしてから父親を振り返った。
「向こうで話そう」
パルドアはそう言って、娘を伴い隣の続き部屋へ引っ込んだ。
プルーデンス、否、綾がなぜここにいるのか、そして何をするつもりなのかを説明しているのだろう。
二人の話し声は聞き取れなかったが、時折ローラが声を上げるのが聞こえた。
父親の乱暴なやり方におとなしい性格の彼女が難色を示している、そんな印象だった。
(そうだ、通信機!)
綾は今のうちにルパン達に助けを求めようと、ポケットに手を入れた。
通信機は入っていない。
(あの時に落としたんだ……)
廊下でパルドアの従者に抵抗して腕を振り回したのを思い出し、綾はぼう然とした。
助けも呼べず、自分も身動きができない。
状況は最悪だった。
このまま歓迎パーティが始まれば、綾は究極の選択をしなければならなくなる。
婚約破棄を宣言するか、王女の偽者だと暴露するか。
どちらにしろ最悪の結末を迎えるのは必至だ。
線の細い砂色の髪はまっすぐに背中へ流れ落ち、色素の薄いガラス玉のような瞳で上目遣いをするせいか、どこか不安げで頼りない印象だ。
ローラは綾を見てわずかに目を見開いた。
未来の夫を奪った張本人が目の前に立っているのだから、驚くのも当然だ。
しかし彼女は立派な淑女として感情の起伏は極力表に出さず、
「御機嫌よう、プルーデンス王女」
腰を折って優雅に会釈をしてから父親を振り返った。
「向こうで話そう」
パルドアはそう言って、娘を伴い隣の続き部屋へ引っ込んだ。
プルーデンス、否、綾がなぜここにいるのか、そして何をするつもりなのかを説明しているのだろう。
二人の話し声は聞き取れなかったが、時折ローラが声を上げるのが聞こえた。
父親の乱暴なやり方におとなしい性格の彼女が難色を示している、そんな印象だった。
(そうだ、通信機!)
綾は今のうちにルパン達に助けを求めようと、ポケットに手を入れた。
通信機は入っていない。
(あの時に落としたんだ……)
廊下でパルドアの従者に抵抗して腕を振り回したのを思い出し、綾はぼう然とした。
助けも呼べず、自分も身動きができない。
状況は最悪だった。
このまま歓迎パーティが始まれば、綾は究極の選択をしなければならなくなる。
婚約破棄を宣言するか、王女の偽者だと暴露するか。
どちらにしろ最悪の結末を迎えるのは必至だ。