第1話
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別れも告げずに消えたのは、もう2度と会う事はないと思ったからだ。
もし偶然会うことがあったらなどと戯れに考えたことはあったが、まさか実現するとは思ってもみなかった。
何を話したらいいか分からず、次元は黙っていた。
気まずいのは綾も同じようで、しばらく通信機は無言だった。
「えーと」
口火を切ったのはルパンだった。
「俺はルパン三世ってんだけど、そちらはどなたさんかしらぁ?」
口調こそ軽いが声色は低い。
警戒しているのが次元には分かった。
『ルパン……』
通信機から小さな呟きが聞こえた。
「綾だ」
彼女が答えるより早く次元が説明する。
「話しただろう。ユニシアのプルーデンス王女の身代わりをしていた女だ」
相手の素性が判明してもルパンの表情は硬い。
「よろしく、綾ちゃん。少し訊きたいんだけど」
声色も警戒の色を帯びたままだ。
「その通信機、いつどこで手に入れた?」
『通信機って……この黒いプラスチックのこと?』
通信機を手にとったらしい、ガサガサと耳障りな音がした。
『これはウサギが持っていたの』
「ウサギ?」
『次元は分かるでしょう? ほら、レセプションの日に会場で見つけた金色のウサギ。今は私が飼っているんだけど、あの子の毛の間から出てきたのよ』
「ウサギねぇ」
ルパンが振り返る。
次元はただ頷いただけだった。
「そのウサギを見つけた時、そばに誰かいなかった?」
『誰もいなかったと思うけど……ねぇ次元?』
再度ルパンは振り返る。
次元が頷く。
『誰かを探しているの?』
「うん? まぁ、ちょっとね」
ルパンは言葉をにごした。
知らないなら話す必要もない。
もし偶然会うことがあったらなどと戯れに考えたことはあったが、まさか実現するとは思ってもみなかった。
何を話したらいいか分からず、次元は黙っていた。
気まずいのは綾も同じようで、しばらく通信機は無言だった。
「えーと」
口火を切ったのはルパンだった。
「俺はルパン三世ってんだけど、そちらはどなたさんかしらぁ?」
口調こそ軽いが声色は低い。
警戒しているのが次元には分かった。
『ルパン……』
通信機から小さな呟きが聞こえた。
「綾だ」
彼女が答えるより早く次元が説明する。
「話しただろう。ユニシアのプルーデンス王女の身代わりをしていた女だ」
相手の素性が判明してもルパンの表情は硬い。
「よろしく、綾ちゃん。少し訊きたいんだけど」
声色も警戒の色を帯びたままだ。
「その通信機、いつどこで手に入れた?」
『通信機って……この黒いプラスチックのこと?』
通信機を手にとったらしい、ガサガサと耳障りな音がした。
『これはウサギが持っていたの』
「ウサギ?」
『次元は分かるでしょう? ほら、レセプションの日に会場で見つけた金色のウサギ。今は私が飼っているんだけど、あの子の毛の間から出てきたのよ』
「ウサギねぇ」
ルパンが振り返る。
次元はただ頷いただけだった。
「そのウサギを見つけた時、そばに誰かいなかった?」
『誰もいなかったと思うけど……ねぇ次元?』
再度ルパンは振り返る。
次元が頷く。
『誰かを探しているの?』
「うん? まぁ、ちょっとね」
ルパンは言葉をにごした。
知らないなら話す必要もない。