第4話
name change
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「その目だ」
低い声に綾は我に返った。
「えっ」
「誰にでもそんな目をするんだな。……愛しています、みたいな目を」
「どういう意味?」
綾は戸惑った。
突然そんな事を言い出した次元の意図がわからなかった。
「私は別に……」
「王子とキスしたかったのか? 俺が声をかけなかったら、本当にヤツとする気だったのか」
「……拒めないわ」
この時、綾は一番大事な『プルーデンスとしては』の部分を省略してしまった。
次元は分かっているだろうという思いもあった。
そのため、次元にとっては容赦のない返答になってしまった。
次元は怒りを抑えようと顔をそらす。
しかし次の瞬間には、綾を乱暴に背後の木に押し付けていた。
「誰でも良いのか」
そう吐き捨て、彼女の顎をつかんで強引に口づける。
「んんっ……」
綾は身をよじったが、次元は彼女の抵抗など意に介さなかった。
綾は思い切り次元の体を突き飛ばし、片手を振り上げた。
大きな音とともに、次元の頬に痺れるような痛みが走る。
綾は次元を打った手を胸の前で押さえていた。
羞恥で顔を真っ赤にし、怒りと怯えの入り混じった目で見つめ返している。
乱れた髪、揺れる瞳。
そそられる顔だ、と次元は他人事のように思った。
「私は女優よ? 舞台の上では王女にもなれば娼婦にもなる。それを貴方に責められる謂れはないわ!」
「あれが演技だって言うのか? 俺はその練習台か」
真贋の見極めもできず、次元は自分に向けられた愛情を疑った。
それを聞いた綾は寂しそうな顔をした。
「本気だと思ったの?」
彼女はまたミスを犯した。
『クラウスに』の部分を端折り、更に次元の誤解を招いたのだ。
次元は拳を握り締めた。
「もう部屋に戻れ」
次元は綾に背中を向けた。
「次元、」
「戻れと言っただろう!」
『次元、そのくらいにしとけよ。その怒鳴り声を誰かに聞かれたらどーすんだ』
通信機からルパンの仲裁が入った。
『綾は戻っておいで。城ん中はもう起きだしている』
「ねぇ次元、ちゃんと話し合いましょう? お願い、こっちを見て」
「話すことなんかねぇ」
次元はかたくなに背を向けたままだ。
綾はため息をついた。
「……何を言っても無駄ね。戻るわ」
髪をなびかせながら彼女は城に駆け戻っていった。
低い声に綾は我に返った。
「えっ」
「誰にでもそんな目をするんだな。……愛しています、みたいな目を」
「どういう意味?」
綾は戸惑った。
突然そんな事を言い出した次元の意図がわからなかった。
「私は別に……」
「王子とキスしたかったのか? 俺が声をかけなかったら、本当にヤツとする気だったのか」
「……拒めないわ」
この時、綾は一番大事な『プルーデンスとしては』の部分を省略してしまった。
次元は分かっているだろうという思いもあった。
そのため、次元にとっては容赦のない返答になってしまった。
次元は怒りを抑えようと顔をそらす。
しかし次の瞬間には、綾を乱暴に背後の木に押し付けていた。
「誰でも良いのか」
そう吐き捨て、彼女の顎をつかんで強引に口づける。
「んんっ……」
綾は身をよじったが、次元は彼女の抵抗など意に介さなかった。
綾は思い切り次元の体を突き飛ばし、片手を振り上げた。
大きな音とともに、次元の頬に痺れるような痛みが走る。
綾は次元を打った手を胸の前で押さえていた。
羞恥で顔を真っ赤にし、怒りと怯えの入り混じった目で見つめ返している。
乱れた髪、揺れる瞳。
そそられる顔だ、と次元は他人事のように思った。
「私は女優よ? 舞台の上では王女にもなれば娼婦にもなる。それを貴方に責められる謂れはないわ!」
「あれが演技だって言うのか? 俺はその練習台か」
真贋の見極めもできず、次元は自分に向けられた愛情を疑った。
それを聞いた綾は寂しそうな顔をした。
「本気だと思ったの?」
彼女はまたミスを犯した。
『クラウスに』の部分を端折り、更に次元の誤解を招いたのだ。
次元は拳を握り締めた。
「もう部屋に戻れ」
次元は綾に背中を向けた。
「次元、」
「戻れと言っただろう!」
『次元、そのくらいにしとけよ。その怒鳴り声を誰かに聞かれたらどーすんだ』
通信機からルパンの仲裁が入った。
『綾は戻っておいで。城ん中はもう起きだしている』
「ねぇ次元、ちゃんと話し合いましょう? お願い、こっちを見て」
「話すことなんかねぇ」
次元はかたくなに背を向けたままだ。
綾はため息をついた。
「……何を言っても無駄ね。戻るわ」
髪をなびかせながら彼女は城に駆け戻っていった。