第4話
name change
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「いけない、もう戻らないと」
綾は明るくなってきた空を見上げて言った。
「黙って抜け出したなんてソーントンに知れたら、大目玉だわ」
「ボディガードはどうしたの」
「彼が寝ている隙に、こっそり抜け出してきたのよ」
「そうか。それでそんなラフな格好を……」
「あら、いつもドレスで着飾っている女の方がお好み? 髪も高く結い上げて」
綾は両手で髪を束ねて持ち上げた。
白いうなじを惜しげもなく晒して、悪戯っぽく微笑む。
「いや、包装紙 には興味はないな。プレゼントはやっぱり中身だ」
クラウスは腕を伸ばして綾の腰を引き寄せた。
綾の手が髪から離れ、金髪が肩に零れ落ちる。
「君の目はどんな宝石より綺麗だ」
クラウスは熱っぽく彼女を見つめた。
「クラウス……」
彼女も同じ熱のこもった瞳でクラウスを見上げる。
ゆっくりと二人の顔が近づいた。
(お前はいったい誰なんだ)
次元はグッと拳を握りしめた。
昨夜は次元を好きだと言っていた彼女が、今はクラウスに好意を見せている。
プルーデンスを演じているにしては、今までとは比べ物にならない。
眼差しまで変わってしまった。
恋人なのか、他人なのか。
醒めきれない夢のような、モヤモヤとした感情が胸の中に生まれ、グルグルと次第に大きな渦を巻いていく。
『クラウス様』
唇が触れ合う寸前、たまらずに声色を作って呼びかけると、二人は体を離して振り返った。
木陰から姿は見せず、次元は続けた。
『ソーントン様がお呼びです』
「待ってもらえ」
短く言い放ってクラウスは再度綾を抱き寄せた。
綾はごく自然に彼に体を預ける。
今すぐ2人を引き離したい衝動をかろうじて抑え、次元は言った。
『いえ、それがたいそうお怒りのご様子で……早く行かれたほうがよろしいかと』
クラウスは仕方なく綾を抱いていた腕を離した。
「行ったほうが良いわ。ソーントンはおっかないんだから」
綾が笑って片手を差し出すと、クラウスは名残惜しそうにその手にキスを落として立ち去った。
綾は明るくなってきた空を見上げて言った。
「黙って抜け出したなんてソーントンに知れたら、大目玉だわ」
「ボディガードはどうしたの」
「彼が寝ている隙に、こっそり抜け出してきたのよ」
「そうか。それでそんなラフな格好を……」
「あら、いつもドレスで着飾っている女の方がお好み? 髪も高く結い上げて」
綾は両手で髪を束ねて持ち上げた。
白いうなじを惜しげもなく晒して、悪戯っぽく微笑む。
「いや、
クラウスは腕を伸ばして綾の腰を引き寄せた。
綾の手が髪から離れ、金髪が肩に零れ落ちる。
「君の目はどんな宝石より綺麗だ」
クラウスは熱っぽく彼女を見つめた。
「クラウス……」
彼女も同じ熱のこもった瞳でクラウスを見上げる。
ゆっくりと二人の顔が近づいた。
(お前はいったい誰なんだ)
次元はグッと拳を握りしめた。
昨夜は次元を好きだと言っていた彼女が、今はクラウスに好意を見せている。
プルーデンスを演じているにしては、今までとは比べ物にならない。
眼差しまで変わってしまった。
恋人なのか、他人なのか。
醒めきれない夢のような、モヤモヤとした感情が胸の中に生まれ、グルグルと次第に大きな渦を巻いていく。
『クラウス様』
唇が触れ合う寸前、たまらずに声色を作って呼びかけると、二人は体を離して振り返った。
木陰から姿は見せず、次元は続けた。
『ソーントン様がお呼びです』
「待ってもらえ」
短く言い放ってクラウスは再度綾を抱き寄せた。
綾はごく自然に彼に体を預ける。
今すぐ2人を引き離したい衝動をかろうじて抑え、次元は言った。
『いえ、それがたいそうお怒りのご様子で……早く行かれたほうがよろしいかと』
クラウスは仕方なく綾を抱いていた腕を離した。
「行ったほうが良いわ。ソーントンはおっかないんだから」
綾が笑って片手を差し出すと、クラウスは名残惜しそうにその手にキスを落として立ち去った。