第3話
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「綾殿。何故あんな無茶を」
咎めるように五エ門が訊ねた。
「次元が心配しているみたいだったから……列車での事は私が悪いのに」
「ああ見えて奴は心配性だ。悲観的だしな。いつだったか、ミネソタ何某と対決した時も墓にはこう刻めとか、かなり弱音を吐いていた」
「対決って、決闘ってこと? 結果はどうなったの?」
興味をひかれて綾はソファから腰を浮かした。
「負けていたら今ここにはいない。腕は一流なのだから心配する必要もないと思うが、それはまぁ奴の性分だからな。行き当たりばったりのルパンと組んでるのだから、いいかげん耐性がついて改善されそうなものだが」
己の事は棚に上げ、五エ門は冷静に次元を分析する。
自分だって何かあれば『拙者心眼が開かれるまでは星を友とし、草を枕にする所存』とすぐ修行に出てしまうくせに、言いたい放題だ。
「……それって、余計に助長させてるだけなんじゃない?」
「そうかもな」
「ふふっ、面白いわね。奔放なルパンと心配性の次元。それを冷静に観察するあなた。なんだか笑える」
綾の脳内ではランドセルを背負った小さなルパンとエプロン姿でお玉を握った次元が追いかけっこをし、五エ門は知らん顔でちゃぶ台の前に座り新聞を読んでいた。
「……少々喋り過ぎたようだな」
五エ門は恥ずかしそうに首を振った。
「とにかく、奴の事は心配いらない。お主が気を回して勝手に動く事の方が心配だ」
「分かった。気をつけるわ」
綾が素直に頷いた時、ドアがノックされ、ソーントンが入ってきた。
「王女に内密のお話があります」
厳しい顔をしたソーントンに、綾の胸に不安が広がる。
彼女の心中を察した五エ門はその肩にそっと手を乗せた。
「ドアの前にいる。通信機のスイッチを入れておいてくれ」
五エ門はそっと彼女の耳に囁くと、部屋を出て行った。
ソーントンは手にしたラップトップをテーブルに置き、電源を入れた。
大音量でオペラが流れ始める。
「人に聞かれたくないでしょう……あなたも」
ソーントンは射抜くような視線を真っ直ぐに綾に向けた。
威圧された綾は怖気づいてソファにへたり込んだ。
咎めるように五エ門が訊ねた。
「次元が心配しているみたいだったから……列車での事は私が悪いのに」
「ああ見えて奴は心配性だ。悲観的だしな。いつだったか、ミネソタ何某と対決した時も墓にはこう刻めとか、かなり弱音を吐いていた」
「対決って、決闘ってこと? 結果はどうなったの?」
興味をひかれて綾はソファから腰を浮かした。
「負けていたら今ここにはいない。腕は一流なのだから心配する必要もないと思うが、それはまぁ奴の性分だからな。行き当たりばったりのルパンと組んでるのだから、いいかげん耐性がついて改善されそうなものだが」
己の事は棚に上げ、五エ門は冷静に次元を分析する。
自分だって何かあれば『拙者心眼が開かれるまでは星を友とし、草を枕にする所存』とすぐ修行に出てしまうくせに、言いたい放題だ。
「……それって、余計に助長させてるだけなんじゃない?」
「そうかもな」
「ふふっ、面白いわね。奔放なルパンと心配性の次元。それを冷静に観察するあなた。なんだか笑える」
綾の脳内ではランドセルを背負った小さなルパンとエプロン姿でお玉を握った次元が追いかけっこをし、五エ門は知らん顔でちゃぶ台の前に座り新聞を読んでいた。
「……少々喋り過ぎたようだな」
五エ門は恥ずかしそうに首を振った。
「とにかく、奴の事は心配いらない。お主が気を回して勝手に動く事の方が心配だ」
「分かった。気をつけるわ」
綾が素直に頷いた時、ドアがノックされ、ソーントンが入ってきた。
「王女に内密のお話があります」
厳しい顔をしたソーントンに、綾の胸に不安が広がる。
彼女の心中を察した五エ門はその肩にそっと手を乗せた。
「ドアの前にいる。通信機のスイッチを入れておいてくれ」
五エ門はそっと彼女の耳に囁くと、部屋を出て行った。
ソーントンは手にしたラップトップをテーブルに置き、電源を入れた。
大音量でオペラが流れ始める。
「人に聞かれたくないでしょう……あなたも」
ソーントンは射抜くような視線を真っ直ぐに綾に向けた。
威圧された綾は怖気づいてソファにへたり込んだ。