第2話
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ソーントンに促され、綾はトフィーを抱いて個室を出た。
同じ車両に、食事の為のテーブルが用意されている。
しわひとつない純白のテーブルクロスの上に、光り輝く銀食器がきれいに並べられていた。
列車のガレー(キッチン)は特殊だそうで、王宮とは別の料理人が調理している。
それでも、前菜のテリーヌを一口食べただけで腕前は超一流と分かった。
「美味しいわ!」
「ありがとうございます」
コック自ら料理を運びながら、嬉しそうに笑顔を浮かべた。
食事が始まるやいなや、列車が動き出した。
どうやら、架線トラブルは解消したらしい。
トフィーは綾の足元にちょこんと座っておとなしくしていたが、コックがスープを持ってテーブルに近寄ってくると顔を見上げ、せわしなく耳を動かした。
「バターナットスクオッシュのスープです……あっ!」
コックがスープレードルで皿に盛ろうとした瞬間、列車が揺れた。
スープが腕とスカートにかかったのを見たソーントンは、顔を青くして声を上げる。
「大丈夫ですか⁉︎」
「平気よ、熱くないもの」
適温に冷まされていたのが幸いだった。
しかし気の毒なのはコックだ。
帽子を脱いでペコペコと何度も頭を下げる。
「申し訳ありません、いつもはこんな……どうか許してください」
「平気だから、もう謝らないで。こんなの、拭いてしまえばどうってこと……」
綾はナプキンで腕を拭った。
するとコックは声を上げる。
「あぁ、そんな、すぐにバスルームへご案内します。拭っただけではベタつきますし、そんな姿で隣国の王子様にお会いするなんて……!」
コックはお伺いを立てるようにソーントンを見た。
ソーントンは何も言わず、ただ頷く。
「さぁ、こちらへ! あぁ、トフィー様にまでかかってしまいましたか!」
コックはトフィーを抱きかかえ、綾を先に立たせて車両を移った。
同じ車両に、食事の為のテーブルが用意されている。
しわひとつない純白のテーブルクロスの上に、光り輝く銀食器がきれいに並べられていた。
列車のガレー(キッチン)は特殊だそうで、王宮とは別の料理人が調理している。
それでも、前菜のテリーヌを一口食べただけで腕前は超一流と分かった。
「美味しいわ!」
「ありがとうございます」
コック自ら料理を運びながら、嬉しそうに笑顔を浮かべた。
食事が始まるやいなや、列車が動き出した。
どうやら、架線トラブルは解消したらしい。
トフィーは綾の足元にちょこんと座っておとなしくしていたが、コックがスープを持ってテーブルに近寄ってくると顔を見上げ、せわしなく耳を動かした。
「バターナットスクオッシュのスープです……あっ!」
コックがスープレードルで皿に盛ろうとした瞬間、列車が揺れた。
スープが腕とスカートにかかったのを見たソーントンは、顔を青くして声を上げる。
「大丈夫ですか⁉︎」
「平気よ、熱くないもの」
適温に冷まされていたのが幸いだった。
しかし気の毒なのはコックだ。
帽子を脱いでペコペコと何度も頭を下げる。
「申し訳ありません、いつもはこんな……どうか許してください」
「平気だから、もう謝らないで。こんなの、拭いてしまえばどうってこと……」
綾はナプキンで腕を拭った。
するとコックは声を上げる。
「あぁ、そんな、すぐにバスルームへご案内します。拭っただけではベタつきますし、そんな姿で隣国の王子様にお会いするなんて……!」
コックはお伺いを立てるようにソーントンを見た。
ソーントンは何も言わず、ただ頷く。
「さぁ、こちらへ! あぁ、トフィー様にまでかかってしまいましたか!」
コックはトフィーを抱きかかえ、綾を先に立たせて車両を移った。