第2話
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向かった先はユニシアの王宮。
王宮の門をくぐる際、逮捕されるかもしれないと緊張した次元だったが、警備はにこやかに挨拶をして通してくれた。
どうやら次元=ルナトーン泥棒という説はまだソーントンの頭の中だけに存在しているようだ。
「こっちだ」
呆けた顔で王宮内を見回すルパンを引っ張って、次元は入り組んだ廊下をずんずん進んでいく。
廊下の先を曲がって階段をあがり、つきあたりのドアで次元は立ち止まった。
プルーデンス王女の部屋だ。
ノックをすると、中から誰何された。
間違っても綾のようにいきなりドアを開けたりはしない。
「久しぶりね、ボディガードさん」
ドアが開き、プルーデンスが笑顔で出迎えた。
綾と同じ顔だが、やはりどことなく違う。
目つきと口もとがいくぶん鋭い印象だ。
「綾と一緒に出て行ったと思ってたけど、さてはあなた、振られたわね?」
悪戯っぽくそう言ってプルーデンスは笑った。
笑うと綾そっくりになる。
「ソーントンはいるか?」
「いいえ、留守よ。一足先に隣国へ行ったのよ、私の結婚の件で。クラウス王子と婚約したのは知ってるでしょ?」
「そうだったな。おめでとうと言うべきか?」
「……そんなんだから綾に捨てられるのよ」
プルーデンスは呆れたようにため息をついた。
「ソーントンは今朝、特別列車で隣国へ向かったはずよ。彼に何か用?」
「ちょいとな」
「ふーん」
プルーデンスは探るような目をして次元の顔を覗き込んだ。
「ボディガードに戻りたいっていうのだったら、私はお断りよ」
「安心しろ。俺も同感だ」
次元はじゃぁな、とプルーデンスに背中を向けた。
「あいつ……どこ行きやがった」
次元は軽く舌打ちをした。
てっきり部屋の外に待機していると思っていたルパンの姿がない。
「あ、わりーわりー。トイレ探してたら迷っちゃった」
どこからか現れたルパンは、タハハと力なく笑ってみせた。
「…………」
その言葉を鵜呑みにするほど次元はバカではない。
しかし、次元はあえて訊かなかった。
何か訳があるのだろう。
ルパンのする事に意味のない事なんて、ひとつも無い。
王宮の門をくぐる際、逮捕されるかもしれないと緊張した次元だったが、警備はにこやかに挨拶をして通してくれた。
どうやら次元=ルナトーン泥棒という説はまだソーントンの頭の中だけに存在しているようだ。
「こっちだ」
呆けた顔で王宮内を見回すルパンを引っ張って、次元は入り組んだ廊下をずんずん進んでいく。
廊下の先を曲がって階段をあがり、つきあたりのドアで次元は立ち止まった。
プルーデンス王女の部屋だ。
ノックをすると、中から誰何された。
間違っても綾のようにいきなりドアを開けたりはしない。
「久しぶりね、ボディガードさん」
ドアが開き、プルーデンスが笑顔で出迎えた。
綾と同じ顔だが、やはりどことなく違う。
目つきと口もとがいくぶん鋭い印象だ。
「綾と一緒に出て行ったと思ってたけど、さてはあなた、振られたわね?」
悪戯っぽくそう言ってプルーデンスは笑った。
笑うと綾そっくりになる。
「ソーントンはいるか?」
「いいえ、留守よ。一足先に隣国へ行ったのよ、私の結婚の件で。クラウス王子と婚約したのは知ってるでしょ?」
「そうだったな。おめでとうと言うべきか?」
「……そんなんだから綾に捨てられるのよ」
プルーデンスは呆れたようにため息をついた。
「ソーントンは今朝、特別列車で隣国へ向かったはずよ。彼に何か用?」
「ちょいとな」
「ふーん」
プルーデンスは探るような目をして次元の顔を覗き込んだ。
「ボディガードに戻りたいっていうのだったら、私はお断りよ」
「安心しろ。俺も同感だ」
次元はじゃぁな、とプルーデンスに背中を向けた。
「あいつ……どこ行きやがった」
次元は軽く舌打ちをした。
てっきり部屋の外に待機していると思っていたルパンの姿がない。
「あ、わりーわりー。トイレ探してたら迷っちゃった」
どこからか現れたルパンは、タハハと力なく笑ってみせた。
「…………」
その言葉を鵜呑みにするほど次元はバカではない。
しかし、次元はあえて訊かなかった。
何か訳があるのだろう。
ルパンのする事に意味のない事なんて、ひとつも無い。