第3話
name change
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王女としての公務の日々はあっという間に過ぎ、例のお見合いの日がやってきた。
用意されたブルーのドレスはテンションが上がるほど素敵で、滑車の上のハツカネズミみたいに鏡の前で何度もターンした。
次元がどんな反応をするのか、早く知りたくて勢いよくドアを開ける。
いなかった。
「あぁ、とてもよくお似合いですよ」
ソーントンさんが目を細めて言う。
その言葉を、あの人の口から聞きたかったのに。
「次元さんはすぐ戻ってまいります」
キョロキョロと部屋を見回した私に、何を察したのかソーントンさんが言った。
「時間がありません。レセプションの打ち合わせをいたしましょう」
打ち合わせというより、ソーントンさんが一方的に細かい説明をした。
来賓客の簡単なプロフィール、王子への呼びかけ方、避けたい話題を振られた時のかわし方、などなど。
お芝居よりも覚えることが多くてびっくりする。
雄弁は銀、沈黙は金。
ボロが出ないよう、なるべく口を閉じていることにしよう。
用意されたブルーのドレスはテンションが上がるほど素敵で、滑車の上のハツカネズミみたいに鏡の前で何度もターンした。
次元がどんな反応をするのか、早く知りたくて勢いよくドアを開ける。
いなかった。
「あぁ、とてもよくお似合いですよ」
ソーントンさんが目を細めて言う。
その言葉を、あの人の口から聞きたかったのに。
「次元さんはすぐ戻ってまいります」
キョロキョロと部屋を見回した私に、何を察したのかソーントンさんが言った。
「時間がありません。レセプションの打ち合わせをいたしましょう」
打ち合わせというより、ソーントンさんが一方的に細かい説明をした。
来賓客の簡単なプロフィール、王子への呼びかけ方、避けたい話題を振られた時のかわし方、などなど。
お芝居よりも覚えることが多くてびっくりする。
雄弁は銀、沈黙は金。
ボロが出ないよう、なるべく口を閉じていることにしよう。