第2話
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翌日の朝早く。
大事なオーディションがあったのを思い出した私は、ソーントンさんに頼んで数時間だけ自分に戻ることにした。
もちろん、王宮の誰にも内緒で。
次元にはソーントンさんから『王女は体調が優れないから部屋で休んでいる』と伝えてもらった。
シャツとジーンズで裏門からこっそり抜け出す。
絶対にバレないと思っていた。
ところが、次元はあっという間に追いかけてきて、いとも簡単に私を捕まえた。
「どうして……?」
「あんたの靴には全部GPSをつけた」
「そんなの反則よ!」
「何のルールだ」
次元は私の腕を掴んで歩き出した。
「待って! お願い、見逃して!」
大事なオーディションだ。
このチャンスを逃すわけにはいかない。
私は足を突っ張って抵抗した。
次元は呆れながら、それでも力を緩めずにズルズルと引っ張っていく。
「よしな。お忍びなんてぇのはテレビの中だけだ。何もできないお姫さんがやるもんじゃない」
「お忍び? とんだ誤解だわ! 私は、」
王女なんかじゃないと叫びそうになり、あわてて口をつぐんだ。
次元は立ち止まった。
「何だ」
「……お願い、行かせて」
じっと次元の目を見つめた。
彼は私に探るような目を向けている。
『私は、』の後の言葉を待っているのだと分かったが、私はそれ以上何も言わなかった。
数分か、もしかするとそれよりずっと短かったかもしれないが、お互い見つめ合ったまま立っていた。
やがて、ため息とともに次元は私の腕を放した。
「あんたの護衛が俺の仕事だ。行き先がたとえ恋人のベッドの中だろうとついて行くからな」
「いいわ。恋人はいないけど」
建物の外で待っていてもらえば、彼には中で何が行われているのか分からないだろう。
オーディションが受けられるなら、何をしていたかなんて勝手に想像してもらってかまわない。
私は次元と並んで大通りへと歩いていった。
大事なオーディションがあったのを思い出した私は、ソーントンさんに頼んで数時間だけ自分に戻ることにした。
もちろん、王宮の誰にも内緒で。
次元にはソーントンさんから『王女は体調が優れないから部屋で休んでいる』と伝えてもらった。
シャツとジーンズで裏門からこっそり抜け出す。
絶対にバレないと思っていた。
ところが、次元はあっという間に追いかけてきて、いとも簡単に私を捕まえた。
「どうして……?」
「あんたの靴には全部GPSをつけた」
「そんなの反則よ!」
「何のルールだ」
次元は私の腕を掴んで歩き出した。
「待って! お願い、見逃して!」
大事なオーディションだ。
このチャンスを逃すわけにはいかない。
私は足を突っ張って抵抗した。
次元は呆れながら、それでも力を緩めずにズルズルと引っ張っていく。
「よしな。お忍びなんてぇのはテレビの中だけだ。何もできないお姫さんがやるもんじゃない」
「お忍び? とんだ誤解だわ! 私は、」
王女なんかじゃないと叫びそうになり、あわてて口をつぐんだ。
次元は立ち止まった。
「何だ」
「……お願い、行かせて」
じっと次元の目を見つめた。
彼は私に探るような目を向けている。
『私は、』の後の言葉を待っているのだと分かったが、私はそれ以上何も言わなかった。
数分か、もしかするとそれよりずっと短かったかもしれないが、お互い見つめ合ったまま立っていた。
やがて、ため息とともに次元は私の腕を放した。
「あんたの護衛が俺の仕事だ。行き先がたとえ恋人のベッドの中だろうとついて行くからな」
「いいわ。恋人はいないけど」
建物の外で待っていてもらえば、彼には中で何が行われているのか分からないだろう。
オーディションが受けられるなら、何をしていたかなんて勝手に想像してもらってかまわない。
私は次元と並んで大通りへと歩いていった。