第2話
name change
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「綾姉ちゃん!」
施設に入るなり、子供達の列から飛び出してきた子がいた。
見覚えのある男の子。
人懐っこくて、私にとても懐いてくれた。
「綾姉ちゃんでしょ? どうして今日はそんな格好をしているの?」
心臓が跳ね上がった。
冷たい水をかけられたみたいに、背筋が冷たくなる。
正体がばれる!
「離れろ!」
視界に黒い背中が広がった。
次元が私の前に立ちはだかり、するどい声を上げた。
「許可なく近寄るな!」
「ちょっと、子供相手にそんな言い方……!」
私はあわてて彼の背中越しに男の子に向かって言った。
「ごめんね。人違いみたい」
男の子はシュンとして、施設の人に手を引かれて連れて行かれた。
「ごめんね……」
嘘をついたのが心苦しかった。
だから、次元に八つ当たりした。
「泣きそうだったわ、あの子。あんな怖い声で脅かすなんて」
「子供のテロリストだっている」
「テロ……!」
言葉が出なかった。
「子供だからと油断した隙を狙って、周りの大人が狙ってくるかもしれない」
「そんな! あそこにそんな人はいないわ!」
次元の方へ身を乗り出して反論した。
彼はゆっくりと腰を浮かし、私から体ひとつ分離れて座りなおした。
そして、帽子の下からじっと私を見据える。
怖いくらいに冷たい視線。
「知りもしないくせに、よく言いきれるな」
「!」
「言っておきたいことがある。最初に会った時から思ってたが、あんたは王女として少々難がある。危機管理が全くなっちゃあいない。相手を確かめずにドアを開ける、見ず知らずの人間に不用意に近寄る。王女だって自覚がなさ過ぎだ。そんなんじゃ、こっちの命がいくらあったって足りねぇ」
私は王女じゃないんだから仕方ないじゃない!
そう言い返すかわりに、ぎゅっと両手を握り締める。
「反論はあるか?」
言えるわけがない。
私は黙って首を振った。
施設に入るなり、子供達の列から飛び出してきた子がいた。
見覚えのある男の子。
人懐っこくて、私にとても懐いてくれた。
「綾姉ちゃんでしょ? どうして今日はそんな格好をしているの?」
心臓が跳ね上がった。
冷たい水をかけられたみたいに、背筋が冷たくなる。
正体がばれる!
「離れろ!」
視界に黒い背中が広がった。
次元が私の前に立ちはだかり、するどい声を上げた。
「許可なく近寄るな!」
「ちょっと、子供相手にそんな言い方……!」
私はあわてて彼の背中越しに男の子に向かって言った。
「ごめんね。人違いみたい」
男の子はシュンとして、施設の人に手を引かれて連れて行かれた。
「ごめんね……」
嘘をついたのが心苦しかった。
だから、次元に八つ当たりした。
「泣きそうだったわ、あの子。あんな怖い声で脅かすなんて」
「子供のテロリストだっている」
「テロ……!」
言葉が出なかった。
「子供だからと油断した隙を狙って、周りの大人が狙ってくるかもしれない」
「そんな! あそこにそんな人はいないわ!」
次元の方へ身を乗り出して反論した。
彼はゆっくりと腰を浮かし、私から体ひとつ分離れて座りなおした。
そして、帽子の下からじっと私を見据える。
怖いくらいに冷たい視線。
「知りもしないくせに、よく言いきれるな」
「!」
「言っておきたいことがある。最初に会った時から思ってたが、あんたは王女として少々難がある。危機管理が全くなっちゃあいない。相手を確かめずにドアを開ける、見ず知らずの人間に不用意に近寄る。王女だって自覚がなさ過ぎだ。そんなんじゃ、こっちの命がいくらあったって足りねぇ」
私は王女じゃないんだから仕方ないじゃない!
そう言い返すかわりに、ぎゅっと両手を握り締める。
「反論はあるか?」
言えるわけがない。
私は黙って首を振った。