第3話
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警備に訊ねたが、ウサギに心当たりのある者はいなかった。
当たり前だ、厳戒態勢の中ペットを連れてくる客がいるわけがない。
「飼い主が見つかったら連絡しますから、つれて帰ってください。まぁ、まず名乗り出てこないと思いますがね」
「そんな、困ります」
私にはこれから芝居漬けの毎日が待っているのだ。
ペットを飼っている余裕などない。
「それなら仕方ない。こちらで適当に処分しますよ」
「処分⁉︎」
驚いて警備員が伸ばしてきた手を払いのけた。
「や、やっぱり連れて帰ります!」
私はウサギを抱えて引き返した。
次元はもういなかった。
「次元⁉︎」
慌てて建物を飛び出す。
通りは車や人でごったがえしていた。
「次元!」
彼の背中はもう、どこにも見当たらなかった。
待っていてくれると思っていたのに。
「サヨナラも言わせてくれないのね……」
気持ちを吹っ切るタイミングさえ逃し、私はその場に立ち尽くして途方に暮れた。
おわり
「金色ウサギと赤い竜」へ続く
当たり前だ、厳戒態勢の中ペットを連れてくる客がいるわけがない。
「飼い主が見つかったら連絡しますから、つれて帰ってください。まぁ、まず名乗り出てこないと思いますがね」
「そんな、困ります」
私にはこれから芝居漬けの毎日が待っているのだ。
ペットを飼っている余裕などない。
「それなら仕方ない。こちらで適当に処分しますよ」
「処分⁉︎」
驚いて警備員が伸ばしてきた手を払いのけた。
「や、やっぱり連れて帰ります!」
私はウサギを抱えて引き返した。
次元はもういなかった。
「次元⁉︎」
慌てて建物を飛び出す。
通りは車や人でごったがえしていた。
「次元!」
彼の背中はもう、どこにも見当たらなかった。
待っていてくれると思っていたのに。
「サヨナラも言わせてくれないのね……」
気持ちを吹っ切るタイミングさえ逃し、私はその場に立ち尽くして途方に暮れた。
おわり
「金色ウサギと赤い竜」へ続く
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