第1話
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「王女が王宮から逃げ出した⁉︎」
王宮でソーントンさんから聞いたのは、王女の失踪というとんでもない話だった。
「女王がお決めになった、隣国の王子とのお見合いがお気に召さなかったようで。おそらく、現在の恋人の所へ行かれたかと……」
「連れ戻さないんですか?」
「プルーデンス様の再三の家出に、今度ばかりは女王もお怒りでして。身代わりをたててお見合いを強行し、縁談を取りまとめてしまおうとお考えなのです」
「そんな、強引な……」
私は言葉を失った。
王族とはそういうものだとソーントンさんは言う。
「我がユニシア国の王家はもともと女系なのですよ。この国に王女が誕生するたび、その婿となられる方は議会で選んでおります」
言われてみれば、王家の女性が適齢期になるたび、この話題がニュースになっていた。
「それで、なぜ私なんですか? もっと適役はいるでしょうに」
「おりませんでした。あなたほど王女にそっくりな方は」
ソーントンさんの私を見る目は、すでに王女を見る目つきになっていた。
カフェのユニフォーム姿の私に丁寧に頭を下げる。
「どうかお引き受けください。あなたは役者をしておられるけれど、まだ駆け出しだと伺いました。報酬はお支払いします。悪い話ではないと思いますが」
報酬がもらえれば、アルバイトなどせずに芝居に打ち込める。
それに、王女を演じるのは芝居の勉強にもなりそうだ。
まさに一石二鳥。
「分かりました。お引き受けします」
「ありがとうございます。では早速ヘアメイクとスタイリストをお呼びします。ボディガードも1人つきますから、どうぞご安心を」
この時から、私はユニシア国の王女になった。
王宮でソーントンさんから聞いたのは、王女の失踪というとんでもない話だった。
「女王がお決めになった、隣国の王子とのお見合いがお気に召さなかったようで。おそらく、現在の恋人の所へ行かれたかと……」
「連れ戻さないんですか?」
「プルーデンス様の再三の家出に、今度ばかりは女王もお怒りでして。身代わりをたててお見合いを強行し、縁談を取りまとめてしまおうとお考えなのです」
「そんな、強引な……」
私は言葉を失った。
王族とはそういうものだとソーントンさんは言う。
「我がユニシア国の王家はもともと女系なのですよ。この国に王女が誕生するたび、その婿となられる方は議会で選んでおります」
言われてみれば、王家の女性が適齢期になるたび、この話題がニュースになっていた。
「それで、なぜ私なんですか? もっと適役はいるでしょうに」
「おりませんでした。あなたほど王女にそっくりな方は」
ソーントンさんの私を見る目は、すでに王女を見る目つきになっていた。
カフェのユニフォーム姿の私に丁寧に頭を下げる。
「どうかお引き受けください。あなたは役者をしておられるけれど、まだ駆け出しだと伺いました。報酬はお支払いします。悪い話ではないと思いますが」
報酬がもらえれば、アルバイトなどせずに芝居に打ち込める。
それに、王女を演じるのは芝居の勉強にもなりそうだ。
まさに一石二鳥。
「分かりました。お引き受けします」
「ありがとうございます。では早速ヘアメイクとスタイリストをお呼びします。ボディガードも1人つきますから、どうぞご安心を」
この時から、私はユニシア国の王女になった。