第3話
name change
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医務室へ向かったであろう次元を追いかけて廊下へ走り出た。
遠くに黒い背中を見つけて声を張り上げる。
「次元!」
ゆっくりと振り向いたのは、きっと撃たれたせいなのだろう。
眉をしかめているのは、どこかダメージを負ったせいだ。
「警備主任に聞いたの。防弾ベストで銃弾は避けられても、その衝撃で体にはかなりのダメージがあるって……」
ジャケットの背中には丸く焼け焦げた痕が残っている。
胸が締めつけられた。
「何をやっているんだ。戻れ」
次元は私を押しのけて歩き出す。
「待って。どこへ行くの」
「逃げた男を追う。逃がしたままじゃ、また狙われる」
「ダメよ。今夜はもう横になって。安静にしていないと……」
「もっとひどい怪我だって何度もしたさ。心配するな」
彼は大きく息を吐いた。
こともなげな口ぶりだけれど、やっぱり体が辛いのだろう。
涙がにじんだ。
「心配するわよ! 私のせいで撃たれたんだから!」
歩き出そうとした次元を押しとどめた。
本当の事を言わなければ彼は止められそうにない。
「お芝居だったの」
「なに?」
次元が足を止めた。
「私は王女なんかじゃない。王女の身代わりをしていただけ」
彼の目を見て言おうと顔をあげた。
重力に負けた涙の粒が頬を伝って零れ落ちる。
「そうか。どうりで、」
次元は小さく呟いた。
どうりで?
その言葉の意味が分からず、私は戸惑った。
彼が小さく笑みをこぼしたように見えて、ますます混乱する。
「本当にごめんなさい。こんな事になるなんて、思ってもなかった」
「……名前は」
「え?」
「本当の名前だ。プルーデンスじゃなく」
「綾」
「それじゃ綾、もう謝らなくていい。俺も綾に黙っていた事がある」
次元はそこでひと呼吸おいて、ゆっくりと言葉を続けた。
「俺も本物のボディガードじゃない。ルパン三世って知ってるか? 俺はその仲間だ」
遠くに黒い背中を見つけて声を張り上げる。
「次元!」
ゆっくりと振り向いたのは、きっと撃たれたせいなのだろう。
眉をしかめているのは、どこかダメージを負ったせいだ。
「警備主任に聞いたの。防弾ベストで銃弾は避けられても、その衝撃で体にはかなりのダメージがあるって……」
ジャケットの背中には丸く焼け焦げた痕が残っている。
胸が締めつけられた。
「何をやっているんだ。戻れ」
次元は私を押しのけて歩き出す。
「待って。どこへ行くの」
「逃げた男を追う。逃がしたままじゃ、また狙われる」
「ダメよ。今夜はもう横になって。安静にしていないと……」
「もっとひどい怪我だって何度もしたさ。心配するな」
彼は大きく息を吐いた。
こともなげな口ぶりだけれど、やっぱり体が辛いのだろう。
涙がにじんだ。
「心配するわよ! 私のせいで撃たれたんだから!」
歩き出そうとした次元を押しとどめた。
本当の事を言わなければ彼は止められそうにない。
「お芝居だったの」
「なに?」
次元が足を止めた。
「私は王女なんかじゃない。王女の身代わりをしていただけ」
彼の目を見て言おうと顔をあげた。
重力に負けた涙の粒が頬を伝って零れ落ちる。
「そうか。どうりで、」
次元は小さく呟いた。
どうりで?
その言葉の意味が分からず、私は戸惑った。
彼が小さく笑みをこぼしたように見えて、ますます混乱する。
「本当にごめんなさい。こんな事になるなんて、思ってもなかった」
「……名前は」
「え?」
「本当の名前だ。プルーデンスじゃなく」
「綾」
「それじゃ綾、もう謝らなくていい。俺も綾に黙っていた事がある」
次元はそこでひと呼吸おいて、ゆっくりと言葉を続けた。
「俺も本物のボディガードじゃない。ルパン三世って知ってるか? 俺はその仲間だ」