第3話
name change
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「王女」
耳元で聞こえた声にハッと我に返ると、隣国の王子が顔を覗き込んでいた。
グリーンの瞳が細められ、じっと私を見つめている。
「ご、ごめんなさい……クラウス王子」
「クラウスでいいよ」
「それじゃ私のこともプルーデンスと」
お互い了承の印に微笑み合う。
ソーントンさんの指示通りあたりさわりのない会話をしていたが、ふいにクラウスは私を見つめて言った。
「プルーデンス。率直に訊くけど、君は好きな人がいる?」
「えっ……」
ドキッとした。
脳裏に浮かんだボディガードの姿をあわてて打ち消す。
「僕は今まで、決められた結婚には反発していたんだ。恋愛もせずに結婚なんて馬鹿げてるって。でも君の写真を見せられた瞬間、考えが変わった。……ひと目ぼれだったんだ」
「クラウス……」
「そりゃ、燃え上がるような恋ってのとは違うかもしれないけど。それでも少しずつお互いを知って、ゆっくり恋していくのも良いんじゃないかと思ってね」
素敵な人。
この人と一緒になれたら、王女も幸せだろう。
それなのに、こんな素敵な告白を王女本人が聞いていないなんて。
「私……」
言いよどむと、クラウスは優しく笑って飲み物を取りに行ってくれた。
考える間をくれるつもりらしい。
その時、グラスが割れる音がして全員の動きが止まった。
突然騒がしくなり、みんな何事かと振り返る。
「近くの広場で行われていたデモの参加者がヒートアップして乱入してきた!」
「警備は何をしているんだ!」
銃声と悲鳴。
「俺たちは職もなくてヒーヒー言ってるのに、金持ちは優雅にパーティか!」
乱入してきた男はどうやら酷く酔っているようだった。
「みんなくたばっちまえ!」
銃が私に向けられた。
身体が動かない。
銃口の黒い穴の奥から、何者かにじっと射すくめられているような気がした。
耳元で聞こえた声にハッと我に返ると、隣国の王子が顔を覗き込んでいた。
グリーンの瞳が細められ、じっと私を見つめている。
「ご、ごめんなさい……クラウス王子」
「クラウスでいいよ」
「それじゃ私のこともプルーデンスと」
お互い了承の印に微笑み合う。
ソーントンさんの指示通りあたりさわりのない会話をしていたが、ふいにクラウスは私を見つめて言った。
「プルーデンス。率直に訊くけど、君は好きな人がいる?」
「えっ……」
ドキッとした。
脳裏に浮かんだボディガードの姿をあわてて打ち消す。
「僕は今まで、決められた結婚には反発していたんだ。恋愛もせずに結婚なんて馬鹿げてるって。でも君の写真を見せられた瞬間、考えが変わった。……ひと目ぼれだったんだ」
「クラウス……」
「そりゃ、燃え上がるような恋ってのとは違うかもしれないけど。それでも少しずつお互いを知って、ゆっくり恋していくのも良いんじゃないかと思ってね」
素敵な人。
この人と一緒になれたら、王女も幸せだろう。
それなのに、こんな素敵な告白を王女本人が聞いていないなんて。
「私……」
言いよどむと、クラウスは優しく笑って飲み物を取りに行ってくれた。
考える間をくれるつもりらしい。
その時、グラスが割れる音がして全員の動きが止まった。
突然騒がしくなり、みんな何事かと振り返る。
「近くの広場で行われていたデモの参加者がヒートアップして乱入してきた!」
「警備は何をしているんだ!」
銃声と悲鳴。
「俺たちは職もなくてヒーヒー言ってるのに、金持ちは優雅にパーティか!」
乱入してきた男はどうやら酷く酔っているようだった。
「みんなくたばっちまえ!」
銃が私に向けられた。
身体が動かない。
銃口の黒い穴の奥から、何者かにじっと射すくめられているような気がした。