第3話
name change
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レセプションが始まったが、私はソーントンさんの言葉が頭から離れなかった。
次元は耳につけた小型の無線機で警備とやり取りをしながら、常に私を視界に捉えているようだった。
私が移動すれば彼も私が見える位置に、すぐ駆け寄れる位置に移動する。
耳に残る言葉のせいか、それとも、熱の残る手首のせいか。
気になってしまって、私は彼ばかり見ていた。
「プルーデンス。俺のことは気にせず、公務に集中してくれ」
あんまり見つめすぎたせいか、次元が近寄ってきてそっと耳打ちした。
「ねぇ、もし誰かが私に銃を向けたら、どうするの?」
「距離が近ければ飛びかってぶちのめす。遠けりゃ鉛玉をお見舞いする。どっちも間に合わない時は、」
次元の目が私の視線を捉えた。
「楯になってお前さんを守る」
「!」
息が止まりそうだった。
『“何としても”貴女を守らないといけません』
ボディガードがそういうものだと、ちゃんと理解していなかった。
そういうのとは無縁の世界で生きてきたから、意識していなかったのだ。
バイト先のカフェによく来ていた、向かいのビルのガードマンたちと同一視していた。
「何を驚いているんだ。ボディガードってのはそういうもんだろう」
次元はことも無げに言う。
「心配するな、俺はプロだ。防弾ベストもあるしな。まぁ、頭をぶち抜かれりゃおしまいだが……」
「王女なんかのために命を張るの⁉︎」
私は思わず次元の胸にしがみついた。
何かにつかまっていないと、崩れてしまいそうだった。
「『王女なんか』とは、ずいぶん卑下するんだな」
次元は私を引きはがし、一歩下がって距離を置いた。
「俺は何があろうとプルーデンスを守る。それが仕事だ」
仕事。
その言葉はガラスのとげのように、チクチクと私の耳を刺した。
彼が私を守るのは仕事だからで、それ以上でもそれ以下でもない。
そこに何らかの感情を期待する方が……
「あぁ、そうか」
そこで私は悟ってしまった。
自分の気持ちを。
「行け。せいぜい頑張って王子に惚れられて来い」
次元が私の肩を押した。
ソーントンさんの焦った様な顔が目に入った。
そうだ、今の私はプルーデンス王女だ。
仕方なく私は王子のもとへと向かった。
次元は耳につけた小型の無線機で警備とやり取りをしながら、常に私を視界に捉えているようだった。
私が移動すれば彼も私が見える位置に、すぐ駆け寄れる位置に移動する。
耳に残る言葉のせいか、それとも、熱の残る手首のせいか。
気になってしまって、私は彼ばかり見ていた。
「プルーデンス。俺のことは気にせず、公務に集中してくれ」
あんまり見つめすぎたせいか、次元が近寄ってきてそっと耳打ちした。
「ねぇ、もし誰かが私に銃を向けたら、どうするの?」
「距離が近ければ飛びかってぶちのめす。遠けりゃ鉛玉をお見舞いする。どっちも間に合わない時は、」
次元の目が私の視線を捉えた。
「楯になってお前さんを守る」
「!」
息が止まりそうだった。
『“何としても”貴女を守らないといけません』
ボディガードがそういうものだと、ちゃんと理解していなかった。
そういうのとは無縁の世界で生きてきたから、意識していなかったのだ。
バイト先のカフェによく来ていた、向かいのビルのガードマンたちと同一視していた。
「何を驚いているんだ。ボディガードってのはそういうもんだろう」
次元はことも無げに言う。
「心配するな、俺はプロだ。防弾ベストもあるしな。まぁ、頭をぶち抜かれりゃおしまいだが……」
「王女なんかのために命を張るの⁉︎」
私は思わず次元の胸にしがみついた。
何かにつかまっていないと、崩れてしまいそうだった。
「『王女なんか』とは、ずいぶん卑下するんだな」
次元は私を引きはがし、一歩下がって距離を置いた。
「俺は何があろうとプルーデンスを守る。それが仕事だ」
仕事。
その言葉はガラスのとげのように、チクチクと私の耳を刺した。
彼が私を守るのは仕事だからで、それ以上でもそれ以下でもない。
そこに何らかの感情を期待する方が……
「あぁ、そうか」
そこで私は悟ってしまった。
自分の気持ちを。
「行け。せいぜい頑張って王子に惚れられて来い」
次元が私の肩を押した。
ソーントンさんの焦った様な顔が目に入った。
そうだ、今の私はプルーデンス王女だ。
仕方なく私は王子のもとへと向かった。