第2話
name change
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ある日の朝早く。
ソーントンから王女は体調不良で休んでいるという連絡があったから、次元も自分の部屋にさがっていた。
ふいにアラームが鳴った。
それは王女に仕掛けたGPSからの信号で、王宮からの脱走を告げていた。
「なんで誰も気づかないんだ⁉︎」
次元は部屋を飛び出した。
GPSに従って後を追うと、すぐに彼女の姿をとらえることができた。
シャツにデニムというラフな格好は一応変装のつもりだろうか。
案外似合っている。
「あっ」
彼女は次元に気づくと、きびすを返して反対方向に走り出した。
どう見ても体調が悪いやつの走り方ではない。
次元は舌打ちをした。
「冗談じゃねぇ。あれのどこが大人しいんだよ!」
ルパンに悪態をつく。
GPSに示されたマークは右へ左へと細かく進路を変えている。
「逃がすか」
次元は先回りして路地裏で王女を待ち受けた。
「残念だったな」
目の前に立ちふさがると、プルーデンスは驚きで体をのけぞらせた。
「次元! どうして……」
「あんたの靴には全部GPSを付けた」
「そ、そんなの反則よ!」
「何のルールだ」
次元は彼女の腕をとって王宮へ引き返そうとした。
「待って! お願い、見逃して!」
プルーデンスは連れて行かれまいと両足で踏ん張った。
だが力で敵うはずもなく、そのままズルズルと引きずられていく。
「よしな、お忍びなんてぇのはテレビの中だけだ。何もできねぇお姫さんがやるもんじゃない」
「お忍び? とんだ誤解だわ! 私は、」
プルーデンスは何かを言いかけ、そこでハッとして言葉を飲み込んだ。
次元は立ち止まって彼女を振り返る。
「何だ」
「……お願い。行かせて」
明らかに、言おうとした言葉とは違うことを口にしたのが分かった。
次元はじっと次の言葉を待ったが、彼女はそれ以上何も言わず、ただ黙って抵抗していた。
よっぽどの事情があるらしい。
次元は掴んでいた手を離した。
「あんたの護衛が俺の仕事だ。行き先がたとえ恋人のベッドの中だろうとついていくからな」
「いいわ。恋人はいないけど」
プルーデンスは小さく笑った。
「ありがとう、次元」
2人は並んで路地を歩き出した。
その時だった。
ソーントンから王女は体調不良で休んでいるという連絡があったから、次元も自分の部屋にさがっていた。
ふいにアラームが鳴った。
それは王女に仕掛けたGPSからの信号で、王宮からの脱走を告げていた。
「なんで誰も気づかないんだ⁉︎」
次元は部屋を飛び出した。
GPSに従って後を追うと、すぐに彼女の姿をとらえることができた。
シャツにデニムというラフな格好は一応変装のつもりだろうか。
案外似合っている。
「あっ」
彼女は次元に気づくと、きびすを返して反対方向に走り出した。
どう見ても体調が悪いやつの走り方ではない。
次元は舌打ちをした。
「冗談じゃねぇ。あれのどこが大人しいんだよ!」
ルパンに悪態をつく。
GPSに示されたマークは右へ左へと細かく進路を変えている。
「逃がすか」
次元は先回りして路地裏で王女を待ち受けた。
「残念だったな」
目の前に立ちふさがると、プルーデンスは驚きで体をのけぞらせた。
「次元! どうして……」
「あんたの靴には全部GPSを付けた」
「そ、そんなの反則よ!」
「何のルールだ」
次元は彼女の腕をとって王宮へ引き返そうとした。
「待って! お願い、見逃して!」
プルーデンスは連れて行かれまいと両足で踏ん張った。
だが力で敵うはずもなく、そのままズルズルと引きずられていく。
「よしな、お忍びなんてぇのはテレビの中だけだ。何もできねぇお姫さんがやるもんじゃない」
「お忍び? とんだ誤解だわ! 私は、」
プルーデンスは何かを言いかけ、そこでハッとして言葉を飲み込んだ。
次元は立ち止まって彼女を振り返る。
「何だ」
「……お願い。行かせて」
明らかに、言おうとした言葉とは違うことを口にしたのが分かった。
次元はじっと次の言葉を待ったが、彼女はそれ以上何も言わず、ただ黙って抵抗していた。
よっぽどの事情があるらしい。
次元は掴んでいた手を離した。
「あんたの護衛が俺の仕事だ。行き先がたとえ恋人のベッドの中だろうとついていくからな」
「いいわ。恋人はいないけど」
プルーデンスは小さく笑った。
「ありがとう、次元」
2人は並んで路地を歩き出した。
その時だった。