第2話

name change

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王女
王女の本名

プルーデンス様のお部屋はこの先です。ご案内します」


「いや、いい」


案内を断り、次元は王女の部屋をノックした。


ややあってドアが開き、王女が顔をのぞかせる。


目を見開いてポカンとした顔で次元を見上げている。


「不用心だな。相手を確かめもせずにドアを開けるなんて」


王女のわきをすり抜け、部屋に入った。


庭に面した窓のカーテンを閉め、窓際にあったテーブルを部屋の中央へ移動させる。


狙撃への初歩的な対策だ。


「危機管理能力ゼロだな」


王女は一瞬顔を赤らめたが、それをごまかすように次元に突っかかった。


「勝手に入らないで。あなた誰なの?」


「俺は次元大介。あんたのボディガードだ」


「ボディガードですって?」


王女はまた一歩、次元に詰め寄った。


「それなら、その口の利き方は何? それが王女に対する態度なの?」


パーソナルスペース。


手を伸ばせばその肩が掴める位置に彼女は入ってきている。


いくらなんでも無防備すぎる。


王女というからソツのない女をイメージしていたのだが、目の前のプリンセスは隙だらけだ。


これならダイナーのウェイトレスの方がよっぽどしっかりしている。


王女らしい所といえば、今のところその偉そうな口ぶりだけだ。


「悪かったな」


謝りながらもその口もとに笑みが浮かんだのを、プルーデンスは見逃さなかった。


「……なぜ笑っているの」


「いや、別に」


次元は咳払いをしてごまかした。
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