ハートがほしい
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「ちょっとしたホレ薬を作って、ハリーに飲ませればいい。作り方は私が教える」
「バレないかな」
「なに、コーヒーか夕食のスープに混ぜれば気づかないだろう」
「そう……」
だんだんその気になってきた私を、ボブはじっと見ていた。
「そのかわり、君のハートをくれないか」
「えっ」
ボブを見上げる。
彼は相変わらず無表情だ。
「君はいちいち反応が可愛いから。ハートがどんな形なのかと思ってね」
ボブがゆっくりと私に近づく。
それにあわせて私は後ずさる。
背中が背後の棚に当たった。
「ホラ、もう逃げられない」
ボブが棚に手をついて言った。
「な、なによっ……ユーレイに壁ドンなんてされたくない!」
「真っ赤になって。本当に面白い子だ」
そう言って、ボブは私の頬を指でつついた。
「だいたい、幽霊なんだから『実体化』ってのは反則でしょ!」
霊体は本来は不可視で触る事もできない。
しかしボブはハリーの魔法の影響なのか、彼の意思で見えるようになったたり、時には触れるようになったりもできる。
「さて、どうする?」
ボブが真顔で私を見つめた。
私は少し冷静になって言い返す。
「あのね。せっかくハリーが振り向いてくれても、私がボブに夢中になっちゃったら意味ないでしょ。お断りよ、お断り。ノーサンキュー!」
するとボブはゆらりと体を揺らした。
実体化をやめたようだった。
「君は何か勘違いをしているようだね」
「勘違いってなによ」
「私はハートと言ったんだよ。心臓だ」
確かに、ボブが私を欲しがるわけがない。
ましてや、こんな赤ん坊同然の娘っ子なんて。
「『乙女の心臓』なんて、ハリーも手に入れてないだろう」
ボブは魔法の材料としての『心臓』を欲しがっていたのだった。
「よけいお断りよ!」
ボブは非常に残念だと言いながらも、態度はちっとも残念がっていない。
「本当に楽しいな、綾は……」
ボブが漏らした呟きで、私はからかわれたのだと気付いた。
おわり
「バレないかな」
「なに、コーヒーか夕食のスープに混ぜれば気づかないだろう」
「そう……」
だんだんその気になってきた私を、ボブはじっと見ていた。
「そのかわり、君のハートをくれないか」
「えっ」
ボブを見上げる。
彼は相変わらず無表情だ。
「君はいちいち反応が可愛いから。ハートがどんな形なのかと思ってね」
ボブがゆっくりと私に近づく。
それにあわせて私は後ずさる。
背中が背後の棚に当たった。
「ホラ、もう逃げられない」
ボブが棚に手をついて言った。
「な、なによっ……ユーレイに壁ドンなんてされたくない!」
「真っ赤になって。本当に面白い子だ」
そう言って、ボブは私の頬を指でつついた。
「だいたい、幽霊なんだから『実体化』ってのは反則でしょ!」
霊体は本来は不可視で触る事もできない。
しかしボブはハリーの魔法の影響なのか、彼の意思で見えるようになったたり、時には触れるようになったりもできる。
「さて、どうする?」
ボブが真顔で私を見つめた。
私は少し冷静になって言い返す。
「あのね。せっかくハリーが振り向いてくれても、私がボブに夢中になっちゃったら意味ないでしょ。お断りよ、お断り。ノーサンキュー!」
するとボブはゆらりと体を揺らした。
実体化をやめたようだった。
「君は何か勘違いをしているようだね」
「勘違いってなによ」
「私はハートと言ったんだよ。心臓だ」
確かに、ボブが私を欲しがるわけがない。
ましてや、こんな赤ん坊同然の娘っ子なんて。
「『乙女の心臓』なんて、ハリーも手に入れてないだろう」
ボブは魔法の材料としての『心臓』を欲しがっていたのだった。
「よけいお断りよ!」
ボブは非常に残念だと言いながらも、態度はちっとも残念がっていない。
「本当に楽しいな、綾は……」
ボブが漏らした呟きで、私はからかわれたのだと気付いた。
おわり