第15話
綾はトラックの荷台で、風になびく髪をおさえながら銭形の車を見ていた。
「待て~! ルパ~ン!」
「待てるかってーの! つーか不二子、いい加減この可愛いおみ足をどけてくんない?」
「どこ触ってんのよエッチ!」
「イテェ!」
コントのようなやり取りを聞きながら、自然と笑みがこぼれる。
「いい顔だ」
次元の声がして、綾は我に返った。
頬を撫でる彼の手をとり、顔を覗き込む。
血の気のない、真っ白な顔をしていた。
「あなたはひどい顔よ?」
「違ぇねぇ」
次元は口もとに笑みを浮かべた。
それからじっと綾の顔を見つめて呟く。
「良かった。何かあったらどうしようかと……」
「え?」
キョトンとしている綾の頬に、次元は再びその手を伸ばした。
顔にかかった彼女の髪をそっとかきあげて耳にかける。
親指がゆっくり唇をなぞると、綾は怪訝そうに次元を見つめた。
「次元……?」
「好きで好きでどうしようもない。だからどこにも行くな。いつだって手の届くところにいてくれ」
「それは……」
「お前の言葉だ」
「…………」
綾は恥ずかしそうに視線を逸らした。
「そして俺の言いたかった言葉だ」
「え……?」
ルパンが急ハンドルをきり、車が蛇行した。
次元の上に倒れこみそうになった綾は、彼の顔の真横に手をついてなんとか堪える。
「ごめんなさい、大丈夫だっ……」
慌てて起こそうとした体を次元の腕が引き留めた。
「……離さねぇ。もう、何があっても」
ささやくような声だった。
それでも、綾の耳にははっきりと響いた。
「愛してる」
次元の手が綾の頭を引き寄せた。
近づく表情。
「待てルパ~ン!」
「やーなこったパンナコッタ!」
ルパンと銭形のやり取りをBGMに、2人はそっとキスを交わした。
「待て~! ルパ~ン!」
「待てるかってーの! つーか不二子、いい加減この可愛いおみ足をどけてくんない?」
「どこ触ってんのよエッチ!」
「イテェ!」
コントのようなやり取りを聞きながら、自然と笑みがこぼれる。
「いい顔だ」
次元の声がして、綾は我に返った。
頬を撫でる彼の手をとり、顔を覗き込む。
血の気のない、真っ白な顔をしていた。
「あなたはひどい顔よ?」
「違ぇねぇ」
次元は口もとに笑みを浮かべた。
それからじっと綾の顔を見つめて呟く。
「良かった。何かあったらどうしようかと……」
「え?」
キョトンとしている綾の頬に、次元は再びその手を伸ばした。
顔にかかった彼女の髪をそっとかきあげて耳にかける。
親指がゆっくり唇をなぞると、綾は怪訝そうに次元を見つめた。
「次元……?」
「好きで好きでどうしようもない。だからどこにも行くな。いつだって手の届くところにいてくれ」
「それは……」
「お前の言葉だ」
「…………」
綾は恥ずかしそうに視線を逸らした。
「そして俺の言いたかった言葉だ」
「え……?」
ルパンが急ハンドルをきり、車が蛇行した。
次元の上に倒れこみそうになった綾は、彼の顔の真横に手をついてなんとか堪える。
「ごめんなさい、大丈夫だっ……」
慌てて起こそうとした体を次元の腕が引き留めた。
「……離さねぇ。もう、何があっても」
ささやくような声だった。
それでも、綾の耳にははっきりと響いた。
「愛してる」
次元の手が綾の頭を引き寄せた。
近づく表情。
「待てルパ~ン!」
「やーなこったパンナコッタ!」
ルパンと銭形のやり取りをBGMに、2人はそっとキスを交わした。