第15話
「全員頭に手をつけて、地面に伏せなさい!」
叫んでいたのは、純夏だった。
長い黒髪を風になびかせ、細く長い両腕をまっすぐにのばして銃を構えている。
「かぁっこいい!」
ルパンは思わず口笛を吹いた。
「ふざけないで!」
純夏の背後には、銭形がコートのポケットに手を突っ込んで立っている。
「観念しろ、ルパン」
ポケットの中で手錠をジャラジャラいわせながら、満面の笑みでにじり寄ってくる。
「ま、まぁまぁ、とっつぁん。長い付き合いでしょーよ」
ルパンは 引きつった笑いを浮かべて後ずさった。
「こっちにはケガ人がいるんだし? 今回ばっかりは見逃してくんない?」
「檻ン中でゆっくり養生しろ!」
銭形が飛びかかる。
「遠慮させていただきマス!」
ルパンは軽いフットワークで銭形をかわした。
顔を上げて視界に純夏を捕えると、ニッと笑う。
純夏はハッとして銃を構えなおした。
「う、動かないで……!」
「そんなおっかない顔しなくてもいいでしょぉ? ほら、コレあげるからさ」
ルパンは手に持っていたUSBメモリを持ち上げて見せた。
「それは……?」
「これに全ての証拠が入ってる。政府が水エネルギーを使って兵器を作ろうとしていたこと。それを知ったジョン・コリンズってじいさんをカルロスに始末させたこと。すべて」
純夏は驚いてルパンの顔を見つめた。
「いったいどうやってそんな事……」
「いやね、水エネルギーシステムをいじってたらさぁ、その部屋の音が全部録音されてんのが分かったんだよね。多分ひょんなことから水が共鳴した時、後からキーとなる周波数を割り出すためだったんだろうけど、あいつらおバカさんだから、自分らの悪事すべて喋っちまってんの」
綾は全ての音を録音しているというカルロスの言葉を思い出した。
きっとその直前の、ジョン・コリンズ殺害についての会話も録音されていたのだろう。
決定的な証拠になる。
「それを渡して!」
純夏が手を伸ばした。
「おっとっと」
USBを奪おうとした純夏の手をひらりとかわし、ルパンは再びニヤリと笑った。
「取引といこうぜ。こっちは次元が怪我してるしよ、追っかけっこしてる場合じゃないんだ」
「そうはいかないわ」
純夏は再び銃口をルパンに向けた。
叫んでいたのは、純夏だった。
長い黒髪を風になびかせ、細く長い両腕をまっすぐにのばして銃を構えている。
「かぁっこいい!」
ルパンは思わず口笛を吹いた。
「ふざけないで!」
純夏の背後には、銭形がコートのポケットに手を突っ込んで立っている。
「観念しろ、ルパン」
ポケットの中で手錠をジャラジャラいわせながら、満面の笑みでにじり寄ってくる。
「ま、まぁまぁ、とっつぁん。長い付き合いでしょーよ」
ルパンは 引きつった笑いを浮かべて後ずさった。
「こっちにはケガ人がいるんだし? 今回ばっかりは見逃してくんない?」
「檻ン中でゆっくり養生しろ!」
銭形が飛びかかる。
「遠慮させていただきマス!」
ルパンは軽いフットワークで銭形をかわした。
顔を上げて視界に純夏を捕えると、ニッと笑う。
純夏はハッとして銃を構えなおした。
「う、動かないで……!」
「そんなおっかない顔しなくてもいいでしょぉ? ほら、コレあげるからさ」
ルパンは手に持っていたUSBメモリを持ち上げて見せた。
「それは……?」
「これに全ての証拠が入ってる。政府が水エネルギーを使って兵器を作ろうとしていたこと。それを知ったジョン・コリンズってじいさんをカルロスに始末させたこと。すべて」
純夏は驚いてルパンの顔を見つめた。
「いったいどうやってそんな事……」
「いやね、水エネルギーシステムをいじってたらさぁ、その部屋の音が全部録音されてんのが分かったんだよね。多分ひょんなことから水が共鳴した時、後からキーとなる周波数を割り出すためだったんだろうけど、あいつらおバカさんだから、自分らの悪事すべて喋っちまってんの」
綾は全ての音を録音しているというカルロスの言葉を思い出した。
きっとその直前の、ジョン・コリンズ殺害についての会話も録音されていたのだろう。
決定的な証拠になる。
「それを渡して!」
純夏が手を伸ばした。
「おっとっと」
USBを奪おうとした純夏の手をひらりとかわし、ルパンは再びニヤリと笑った。
「取引といこうぜ。こっちは次元が怪我してるしよ、追っかけっこしてる場合じゃないんだ」
「そうはいかないわ」
純夏は再び銃口をルパンに向けた。