第12話
「とっつぁんに捕まったらしい」
ナオミから連絡をうけた次元は苦々しそうに言った。
「はぁ? 何でそんな事になってんだよ。とっつぁんは綾ちゃんの顔を知らねぇはずだ。まして潜伏先なんか……」
「あいつ、ヴァルナに行ったんだと」
「えっ?」
「ヴァルナでホステスたちと大騒ぎして、公務執行妨害で警察に連行されたらしい」
後ろで話を聞いていた五エ門が首を振り振り、嘆かわしい、と呟く。
「やるねぇ、綾ちゃん」
ルパンは愉快そうに笑った。
そこへ、不二子が口をはさむ。
「これを聞いても笑っていられるかしら」
不二子が聞いていたのは、警察無線だった。
警察署が襲われ、死傷者が多数出ているらしい。
次元が血相を変えて立ち上がった。
「こうしちゃいられねぇ!」
「バカ、次元! どこ行くってんだよ!」
慌ててルパンが引き留める。
「決まってるじゃねぇか! 綾に何かあったら俺は……!」
もし彼女を失ったらと思うと、体が震えた。
「わかった! わかったから落ち着けって!」
ルパンは次元を羽交い絞めにして叫ぶ。
不二子は持っていたグラスのワインを次元の顔めがけてひっかけた。
「みっともないわよ。冷静になんなさい」
「……悪ィ」
次元は大きく息を吐き出すと、体の力を抜いた。
ルパンも抑えていた手を離す。
「まず偵察だな。その間に車を用意する」
ルパンはテキパキと段取りを組んだ。
「スピードが命だ。カルロスに浚われる前に、綾ちゃんは俺たちがいただく!」
ナオミから連絡をうけた次元は苦々しそうに言った。
「はぁ? 何でそんな事になってんだよ。とっつぁんは綾ちゃんの顔を知らねぇはずだ。まして潜伏先なんか……」
「あいつ、ヴァルナに行ったんだと」
「えっ?」
「ヴァルナでホステスたちと大騒ぎして、公務執行妨害で警察に連行されたらしい」
後ろで話を聞いていた五エ門が首を振り振り、嘆かわしい、と呟く。
「やるねぇ、綾ちゃん」
ルパンは愉快そうに笑った。
そこへ、不二子が口をはさむ。
「これを聞いても笑っていられるかしら」
不二子が聞いていたのは、警察無線だった。
警察署が襲われ、死傷者が多数出ているらしい。
次元が血相を変えて立ち上がった。
「こうしちゃいられねぇ!」
「バカ、次元! どこ行くってんだよ!」
慌ててルパンが引き留める。
「決まってるじゃねぇか! 綾に何かあったら俺は……!」
もし彼女を失ったらと思うと、体が震えた。
「わかった! わかったから落ち着けって!」
ルパンは次元を羽交い絞めにして叫ぶ。
不二子は持っていたグラスのワインを次元の顔めがけてひっかけた。
「みっともないわよ。冷静になんなさい」
「……悪ィ」
次元は大きく息を吐き出すと、体の力を抜いた。
ルパンも抑えていた手を離す。
「まず偵察だな。その間に車を用意する」
ルパンはテキパキと段取りを組んだ。
「スピードが命だ。カルロスに浚われる前に、綾ちゃんは俺たちがいただく!」