第11話
そういえば、と純夏が口を開いた。
サイレンを鳴らしているとはいえ、一般道を40キロオーバーで飛ばしながらとは思えない、静かな口調だ。
「峰不二子って、どんな女性ですか?」
「何だ、いきなり」
突飛な質問に銭形は面食らった。
ルパン三世がどんな奴かと訊かれたならいくらでも答えられるが、不二子の事はさっぱりわからない。
そもそも銭形にとって、女という生き物自体が理解不能なのだから当然だ。
「ある時は敵、ある時は味方。よくわからん女だ」
素直にそう答えたのに、純夏は焦ったそうに眉を寄せる。
「そうじゃなくて、見た目ですよ」
そう言われても、何と答えれば良いのか。
特徴といえば彼女自身も武器としているあの胸だが、まさか彼女相手に『ボイン』などというセクハラじみた単語は使えまい。
「ルパン一味の資料は読んだだろう? 何で訊くんだ」
上手い言葉を見つけられず、仕方なく質問で返した。
「雰囲気が違うような気がしたので、一応確認したかったんです」
「雰囲気?」
純夏は頷きながらハンドルをきった。
派手なスリップ音をたててパトカーはカーブを曲がる。
「ヴァルナの敷地内で見かけた女性が、峰不二子ではないかと思ったものですから。資料の写真より、ずっと艶っぽい感じでしたよ」
「ヴァルナにいたか……」
銭形はカーブの際に掴んだアシストグリップを握りしめたまま呟いた。
「峰不二子の奴、水エネルギーシステムが諦めきれないってところか……?」
「ルパンも関係しているんでしょうか」
「捕まえてみりゃわかるだろう」
銭形は先程からBOLO(捜査指令)を繰り返す無線に耳を傾けた。
「ルパンはこの先を走っとるようだ。慎重にな」
「はいっ」
純夏は更にアクセルを踏み込み、スピードを上げた。
サイレンを鳴らしているとはいえ、一般道を40キロオーバーで飛ばしながらとは思えない、静かな口調だ。
「峰不二子って、どんな女性ですか?」
「何だ、いきなり」
突飛な質問に銭形は面食らった。
ルパン三世がどんな奴かと訊かれたならいくらでも答えられるが、不二子の事はさっぱりわからない。
そもそも銭形にとって、女という生き物自体が理解不能なのだから当然だ。
「ある時は敵、ある時は味方。よくわからん女だ」
素直にそう答えたのに、純夏は焦ったそうに眉を寄せる。
「そうじゃなくて、見た目ですよ」
そう言われても、何と答えれば良いのか。
特徴といえば彼女自身も武器としているあの胸だが、まさか彼女相手に『ボイン』などというセクハラじみた単語は使えまい。
「ルパン一味の資料は読んだだろう? 何で訊くんだ」
上手い言葉を見つけられず、仕方なく質問で返した。
「雰囲気が違うような気がしたので、一応確認したかったんです」
「雰囲気?」
純夏は頷きながらハンドルをきった。
派手なスリップ音をたててパトカーはカーブを曲がる。
「ヴァルナの敷地内で見かけた女性が、峰不二子ではないかと思ったものですから。資料の写真より、ずっと艶っぽい感じでしたよ」
「ヴァルナにいたか……」
銭形はカーブの際に掴んだアシストグリップを握りしめたまま呟いた。
「峰不二子の奴、水エネルギーシステムが諦めきれないってところか……?」
「ルパンも関係しているんでしょうか」
「捕まえてみりゃわかるだろう」
銭形は先程からBOLO(捜査指令)を繰り返す無線に耳を傾けた。
「ルパンはこの先を走っとるようだ。慎重にな」
「はいっ」
純夏は更にアクセルを踏み込み、スピードを上げた。