第8話
綾の話を聞いたルパンは優しく綾の頭を撫でた。
「そりゃ怖かったろ。安心しな、悪い奴はオジサンが退治してあげっから」
ルパンはテーブルに広げた地図を見下ろした。
次元も向かい側で同じように地図を見つめ、ルパンの意図を推し量ろうとしていた。
綾はメイク落としで顔を拭きながら、次元の横にピッタリと張りついて地図を見ている。
「綾ちゃんが逃げ込んだ『キャットクラブ』がここ」
ルパンはペンで囲まれた一か所を指さした。
話をしながら指をスライドさせていく。
「ここら一帯は工場地帯だ。敵に襲われた不二子が逃げ込みそうなのは死角の多そうな廃工場とか倉庫。綾ちゃんが自分の足でキャットクラブまで逃げてきたと断定して、敵さんと戦ったのはこの辺りと検討をつけといたが……」
「そう。ここに車を停めて、廃工場の資材置き場みたいな場所に隠れたの。多分……ここだと思う」
「車はアシがつく前に回収しなきゃなんねぇな」
「それが、火をつけられたみたいで……倉庫から逃げ出した時にはもう、黒焦げだったの」
「ひでぇことしやがる」
「なぁに、回収する手間が省けたってもんさ」
ルパンは地図の中の工場地帯をじっと見つめた。
「このどっかに敵さんの隠れ家がありゃ楽なんだけどな……」
「だけど、か。可能性としては薄いって事だな?」
ルパンは肩をすくめた。
「近くなら……いや」
ルパンは両手を上げて話を切り上げ、地図を畳んだ。
さっきからずっと、綾の顔色が真っ青なのが気になっていた。
「続きは明日にしようぜ。綾ちゃん、今日はもう寝た方がいい」
次元も綾を見下ろした。
ひどく具合が悪そうだ。
「綾……?」
「……私、シャワー浴びてくる」
綾はふらふらとリビングを出て行った。
「そりゃ怖かったろ。安心しな、悪い奴はオジサンが退治してあげっから」
ルパンはテーブルに広げた地図を見下ろした。
次元も向かい側で同じように地図を見つめ、ルパンの意図を推し量ろうとしていた。
綾はメイク落としで顔を拭きながら、次元の横にピッタリと張りついて地図を見ている。
「綾ちゃんが逃げ込んだ『キャットクラブ』がここ」
ルパンはペンで囲まれた一か所を指さした。
話をしながら指をスライドさせていく。
「ここら一帯は工場地帯だ。敵に襲われた不二子が逃げ込みそうなのは死角の多そうな廃工場とか倉庫。綾ちゃんが自分の足でキャットクラブまで逃げてきたと断定して、敵さんと戦ったのはこの辺りと検討をつけといたが……」
「そう。ここに車を停めて、廃工場の資材置き場みたいな場所に隠れたの。多分……ここだと思う」
「車はアシがつく前に回収しなきゃなんねぇな」
「それが、火をつけられたみたいで……倉庫から逃げ出した時にはもう、黒焦げだったの」
「ひでぇことしやがる」
「なぁに、回収する手間が省けたってもんさ」
ルパンは地図の中の工場地帯をじっと見つめた。
「このどっかに敵さんの隠れ家がありゃ楽なんだけどな……」
「だけど、か。可能性としては薄いって事だな?」
ルパンは肩をすくめた。
「近くなら……いや」
ルパンは両手を上げて話を切り上げ、地図を畳んだ。
さっきからずっと、綾の顔色が真っ青なのが気になっていた。
「続きは明日にしようぜ。綾ちゃん、今日はもう寝た方がいい」
次元も綾を見下ろした。
ひどく具合が悪そうだ。
「綾……?」
「……私、シャワー浴びてくる」
綾はふらふらとリビングを出て行った。